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テニスを始めてみようかな

こんにちは。名古屋の元テニスコーチ弁護士の柳川豊です。

テニス法プロジェクトの一環として、これからテニスと身近な法律問題についての記事を書いていきたいと思います。テニスや法律に関心のある方にはもちろん、そうでない方にもここから興味を持ってもらえるように続けていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

私は、司法試験に合格するまで約10年ほどテニススクールのコーチをさせていただいていました。難関の司法試験の勉強を続ける生活の中で、大好きなテニスに携われる時間、体を動かせる時間は、司法試験のプレッシャーを和らげてくれる貴重な時間でした。

そんな私からは、テニススクールとスクール生との間の法律問題という視点から、お話をしていきたいと思います。

錦織圭選手や大阪なおみ選手の大活躍だけでなく、西岡良仁選手や杉田祐一選手、ダニエル太郎選手らのツアー優勝がニュースを飾るなか、「テニスを始めてみようかな」、「昔テニスをしていたけど、久しぶりにやりたくなってきたな。」と考え始めた人は多いのではないでしょうか。

そこで、思いつくのが『テニススクール』ですよね!

でも、テニススクールはたくさんあって、どこを選んだらいいのかわからない。

そんなあなたに弁護士としてアドバイスをさせていただきます。

「どこのテニススクールを選んでもいいんですよ!」

そう、これを『契約自由の原則』といいます。

『契約自由の原則』というのは、
① 契約をするかしないか。
② 誰と契約するか。
③ どんな内容にするか。
④ どんな方法でするか
当事者の自由ですよ、というものです。

テニススクールを選ぶというのは、ここでいう②のことをいいます。

そう、あなたにはどのテニススクールでも選択して契約する自由があるのです。
もちろん、掛け持ちでテニススクールに通ってもいいんです。

これを読んでいる方は「何を当たり前のことを」と思われたかもしれませんが、
この『契約自由の原則』は、これまで当たり前の大原則として法律に定めがありませんでした。しかし、今年の民法改正によって、以下のように定められました。

民法521条
第1項  何人も、法令に特別の定めがある場合を除き、契約をするかどうかを自由に決定することができる。
第2項 契約の当事者は、法令の範囲内において、契約の内容を自由に決定することができる。

では、これまで当たり前とされて法律に定められていなかったのに、なぜ、わざわざこの大原則が民法に定められたのでしょうか。
それは定める必要が出てきたからと考えられます。
これまで契約自由の原則は、資本主義社会を発展させてきました。しかし、現代の資本主義社会の高度化に伴って、契約当事者間に大きな力の差が生じたため、どんな契約も自由としてしまうと、一方的に不利な契約まで認めてしまうことになってしまうからです。
そのため、「法令に特別の定めがある場合を除き」というような制限をかけて、新しく民法にこの大原則を定めることにしたということですね。

話はテニススクール選びに戻ります。

さて、法律上はテニススクールを自由に選べることは分かりましたが、
結局どこのテニススクールを選んだらいいのか分からないですよね。

ここからは、元テニスコーチとしてアドバイスをさせていただきます。

「テニススクール選びで重要なことは次の3つです!」

①施設設備の環境
② テニスコーチやスクールの雰囲気
③ レッスンの定員人数

①については、屋外なのか室内なのか、冷暖房完備のところもあります。私は、やはり屋根があるほうがおすすめですね。特に私のような一度休むと休みがちになってしまうタイプの方には、雨で中止にならないコートを選んで、続けていただきたいです。また、コートやボール等の設備維持の環境が整っているテニススクールは、より怪我無く安全にスクールに通う上で重要になります。
②については、楽しく続けるためには大切なことですね。テニスコーチの技術については、テニスを相当続けてきた人でなければなかなか見抜くことは難しいと思います。ですので、自分の雰囲気に合っているかどうかという視点でレッスンやスクールを見てみると、次のレッスンが毎回楽しみになること間違いなしです。
③についてですが、私はかなり重要視しています。どんなコーチにも目は2つしかありません。定員が少ない方が当然コーチにしっかり見てもらえます。また、私は、テニスの上達は、上手に教えてもらうことよりも、上手な人とたくさん打つことだと考えています。そうすると、テニスコーチと打ち合いをすることが1番の上達法ということになります。しかし、スクール生の定員が多いと、コーチと打ち合いをする時間が少なくなってしまいますよね。私がコーチをしていた頃、「毎レッスンで全員と打ち合いをすること」が私のモットーでしたが、私がコーチをしていたテニススクールは定員が多めだったので、一人ずつの時間を短くせざるを得ませんでした。ですので、私は、少しでも多くコーチと打ち合えるように定員の少ないスクールを選ぶと上達が早くなると考えています。

以上3つの視点を意識しつつ、色んなテニススクールの体験レッスンに行って、自分に合ったテニススクールを見つけたら、『契約自由の原則』に基づいて、そのテニススクールに入会してみましょう。

『契約自由の原則』が勉強になった、テニススクールの選び方が参考になったという方は、コメント、いいね!をお願いします。また、次回も読んでみたいと思っていただけた方は、フォローもお願いしますね。

次回は、テニススクールとの契約についてお話しできたらと思います。お楽しみに。

弁護士 柳川 豊


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