伝統的だけど新しい。素材そのままを抽出したリキュール、geek cello
宮崎県産無農薬栽培、こだわり日向夏の爽やかさとほろ苦さを楽しめる、リモンチェッロならぬ”日向夏チェッロ”、geek cello<日向夏>。
レジェンド農家が育てた「フィノキエット」(フェンネルの野生種)の葉の力強い薬草的な香味と、フィノキエットの花の甘く蠱惑的な香味をそれぞれ楽しめる、 geek cello<茴香_葉>と geek cello<茴香_花>。
一流の素材をオタク的こだわりで仕立てたリキュール、geek cello に込めたこだわりを紹介いたします。
と、その前にちょっと自己紹介を。
はじめましての方ははじめまして。そうでない方はこんにちは。やなたろうです。フルネームは栁 祐太朗。福岡県朝倉市にある酒蔵:株式会社篠崎で、新商品のレシピ開発を担当しています。
商品名の「geek」(ギーク:英語で「オタク」という意味)の由来は、なんとなくお察しの通りでしょう。オタク的にこだわり、突き詰めて造ったというのはもちろんなのですが、至極単純。そう、私がオタクだからです。アニメは毎クール10本近く見てます。好きなアニメはゾンビランドサガ。
食べる事も料理するのも好きで、学生時代には総菜屋で4年ほどバイトしていました。一通りの料理は作れます。得意料理を挙げるなら、唐揚げです。
学生時代は化学や微生物について学び、2018年の入社当初は分析など品質管理をしていましたが、2020年頃からジンやリキュールなど、様々なお酒を造っています。
シーズンである夏はワインの製造もしていますが、その話はまたいつか。
今回は、cello(チェッロ)についてです! ↓↓
そもそもCelloとは?
cello(チェッロ)というのはイタリアのリキュールで、日本でいうところの梅酒のような、家庭的に造られる伝統的なお酒です。
レモンの皮を使って造る「リモンチェッロ」が特に有名ですが、イタリアではフィノキエットというフェンネルの原種が日本でいうヨモギくらいそこらじゅうに生えていて、地域によってはそれを用いたチェッロなんかも造られています。
本場では食後酒として飲まれることが多いですが、食後に限らず様々なシチュエーションに合わせた飲み方も提案できればと思います。
開発の経緯
日本ではまだまだ耳慣れないチェッロというお酒。これらの商品を造ろうと思ったきっかけは、縁あって本当に上質な素材に巡り合えたことでした。千葉県八街市で野菜やハーブを生産し、有名レストランからも引き合いの伝説の農家、『エコファームアサノ』の浅野さん。ジンに使う原料を探していた中で浅野さんのハーブを数種類頂く機会があり、そのあまりの香りのよさに惚れ込みました。
浅野さんは原産地の環境を再現する「土づくり」にこだわり、植物がストレスなく育つ環境を整えたら、あとは極力手を加えません。そして無理に大きく育てないことで、味と香りがぎゅっと凝縮した野菜が育つのです。
頂いた数種類のハーブの中でも特に素晴らしかったフィノキエットは、もはやジンなどの副原料として雑多な香りの中にまぎれ込ますのはもったいない、この良さを最大限に活かしてフィノキエットを主役にしたお酒を造りたいと思って考えた末、チェッロにたどり着きました。
一般的に、フィキエットチェッロに使われるのは葉っぱだけですが、素晴らしい花の個性もどうしても捨てきれなくて、それぞれを別々に使ってチェッロを造りました。
まとまった量の入手が難しい花だけを集めて使う、という頭のおかしいヤツは、もしかするとイタリアにもいないかもしれません(笑)
それだけ浅野さんには無理をお願いしましたが、おかげさまでどちらの良さも見限ることなく、こうして皆さんに届けることができています。
また同時期にもうひとつ、最高の素材との出会いがありました。
自然生態系農業の町として有名な宮崎県綾町にあるワイナリーで、ブドウの栽培からワインの醸造まで多くのことを教えていただいている『香月ワインズ』の香月さん。
香月ワインズでは毎年、綾町の障害福祉サービス事業所『わーくすぽっとAya』の皆さんが無農薬で育てた日向夏を使って日向夏のワインを造っているのですが、皮はどうしても余ってしまいます。
チェッロの構想を練っていた私は、この話を聞いてピンと来ました。レモンで作るリモンチェッロは、レモンの皮だけを使います。それなら、この日向夏の皮でチェッロを造ったら、絶対おいしいに決まってますよね!
本場と同じ造りかたでは、面白くない。
しかし、日本であまりなじみのないチェッロというお酒をわざわざ日本で造る以上、本場の真似事をするだけでは面白くありません。
基本の造り方は参考にしながらも、いかに素材の味や香りを引き出すかという点には特にこだわって、オリジナルの製法を追求しました。
本来の造り方だと、①「原料を高濃度のアルコールに数週間~数か月ほどの長期間漬け込み」、②「水と白砂糖だけのシンプルなシロップと混ぜて」造ります。
しかしジンなどを造ってきた経験上、素材をアルコールに長期間浸漬すると苦味や青臭さなど余計な成分まで抽出されてしまうため、漬け込みは24時間以内に留めています。
これだけでも、素材の香りが強いのでそれなりに香味が取れるのですが、シロップのほうもひと工夫。 普通は白砂糖を使うところ、素材に合った砂糖を厳選して、フィノキエットはより深いコクを味わえるきび砂糖100%。日向夏はコクとスッキリ感を両立できるよう、粗糖ときび砂糖を5対2のブレンドで使っています。
そして、通常だと「砂糖と水だけのシンプルなシロップ」を作ってアルコールと合わせるのですが、これこそが最大のポイント! こちらにも日向夏やフィノキエットをたっぷり使って、おいしいシロップを作りました。
前述の砂糖を水に溶いて加熱した後、風味をしっかり抽出できつつ変質もしないギリギリの温度、88℃になったところで日向夏やフィノキエットをたっぷり加え、一晩かけて冷ましながら味と風味を抽出すれば、そのままでもおいしい濃厚シロップの完成です。
これを先程のアルコールに漬けたものと混ぜ合わせると、味も香りもはちゃめちゃに濃いチェッロが出来上がります。この時点でもかなり美味しいのですが、ほんの少し甘さが目立って、キレの足りない味わいに。
という訳で、まだこれだけでは終わりません。さらにもうひとつプラスして、素材の味を引き立てる隠し味!
日向夏はよりスッキリさせ、香りを立たせるために、ペパーミントでつくったシロップを加えます。(このペパーミントは、うきは市にあるブドウ畑の隣で私が育てています。)
フィノキエットの花は蜜っぽさを引き立たせるため、晩白柚の皮のシロップを。(これも実は、私の自宅の庭で実った晩白柚。)
そしてフィノキエットの葉は薬草感を際立たせるため、オールスパイスをアルコールに漬けたスピリッツ。(さすがにオールスパイスは輸入品です。)
言われてもわからないくらい少量しか入れませんが、入れると入れないでは全然違う、隠し味。これを加えて、唯一無二の「geek cello」は完成するのです。
余談ですが、栽培の話。
私は日向夏チェッロに使ったペパーミントだけでなく、ジンに使う用のハーブ類なども栽培しているのですが、気前の良い浅野さんからフィノキエットの種も分けていただいたため、こちらの栽培にも挑戦してみました。
元気に芽を出し成長していたのですが、九州特有の梅雨の大雨で元気を失ってしまい、1年目(2023年)は浅野さんのように立派に育てることはできませんでした。改善点のアドバイスも頂いたので、また今季も挑戦してみます!
おすすめの楽しみかた
これだけ「素材を生かす」ことにこだわり、素材のもつ生の風味を引き立てたリキュールは、他にないのではと思います。
折角ですのでより楽しんで頂くため、おすすめの飲みかたもいくつかご紹介!
やはりチェッロですので、よーく冷やして食後にストレートで、というのが本場の飲み方。しかし、度数が高くてきついという方は炭酸で割って、サワーの素のような使い方をしてもおすすめです!特に日向夏、暑い夏に最強です。一押しは日向夏のトニック割。間違いなく優勝。
日向夏はお菓子作りに使うのも良いですし、茴香はコーラで割ってみたり、それから、ホットコーヒーに少量加えたりしてもおすすめ。
まだまだ楽しみかたは無限大だと思いますのでいろいろ試して頂いて、お気に入りの飲み方があればぜひ教えてください!
最後に
これら「geek cello」は、”縁”あってのお酒です。原料を頂いている、エコファーム・アサノの浅野さん、香月ワインズの皆さん、生産者のわーくすぽっとAyaの皆さん。素晴らしい素材との出会いから、革命的においしい「チェッロ」は完成しました。この出会いに、心からの感謝を。
geek celloは、素材がもっている生の風味を最大限に引き出したチェッロです。光や熱、酸化などで風味が変わりやすいので、なるべく冷蔵庫で保存して、できるだけ早めにお飲みください。
成分が沈殿するので、飲む前に軽く揺することも忘れずに!
【商品情報】
geek cello<日向夏>
アルコール度数:28度 500ml入
希望小売価格 2250円(税別)
geek cello<茴香_葉>
アルコール度数:26度 500ml入
希望小売価格 2900円(税別)
geek cello<茴香_花>
アルコール度数:27度 500ml入
希望小売価格 2900円(税別)
※茴香(ういきょう:フェンネルの和名)
※本商品は2024年2月27日現在、弊社HP及び直営店における販売は行っておりません。ご購入につきましては、お近くの酒販店様へご相談ください。
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