見出し画像

トレーニーの日常 【マシン対フリーウェイト編】

マシンとフリーウェイト、どちらがよいかという論争は半永久的に終息しないだろう。それほどに、突き詰めていくと奥が深いものである。どちらにも長所・短所があり、それをよく理解してうまく使い分けることがトレーニングにおいて重要ファクターとなる。

まずはマシンから見ていこう。昨今、様々なメーカーのマシンがあるが、どれも対象筋を集中して刺激させることを目的として設計されていることに違いはない。ゆえに、きちんとした動作を行えば、そこまで高いトレーニング技術がなくとも簡単に効かせられるというのが大きなメリットとなる。だが、大きさ、軌道、ウェイトの量など、人それぞれ合う合わないが出やすいのもマシンの特徴だ。つまり、自分に合うマシンを模索することも重要だと言える。
マシンの最大の長所は、フリーウェイトでは実現困難なベクトルで力を発揮させることができる点だ。フリーウェイトでは、重力方向にしか力ベクトルが発生しないことから、どう頑張ってもフルレンジで常に筋肉に最大負荷を乗せることができず、どこかで負荷が抜けてしまう。
例えばバーベルカールでは、肘が床に対して直角になった瞬間に、二頭の収縮方向とバーベルの重力ベクトルが平行になるため、最大負荷が二頭にかかる。しかし、下げ切った点と上げ切った点では、二頭にはほとんど負荷は乗っていない。
それに対し、マシンのアームカールでは、動作中に器具が滑車などを介してうまく回転してくれるため、どのポジションでも負荷が抜けにくい。最大収縮ポイント、最大伸展ポイントでもウェイトによる抵抗が二頭にかかってくるため、うまくやれば筋肥大効果は高いと言えるだろう。

ではフリーウェイトよりマシンの方が優れているかといわれると、必ずしもそうではないのが難しいところだ。確かにマシンは負荷が抜けにくいが、フリーウェイトほど自由度がないためアレンジはしにくい。決まった動作を強制されるので、自分に合わないマシンはとことん合わないということが起こりうる。
また、総合的に筋力を鍛えたいというニーズに対しては、フリーウェイトに軍配が上がるだろう。フリーウェイトは一回一回の挙上動作で、無意識にあらゆる筋肉を動員している。ウェイトを持ってバランスを保つためには、対象筋の力だけでは敵わないからだ。特にインナーマッスルと呼ばれる深層にある筋肉が積極的に動員される。よく、マシンよりもフリーウェイトで鍛えた身体の方が厚みのある身体が多いなどと言われるが、それはインナーマッスルの発達により、表層の筋肉が下から押し上げられるようになることも一つの理由としてあるだろう。

フリーウェイトとマシンでは、やはり好みの問題もあるが、初心者であればまずは動作に慣れることや、筋肉に負荷が乗るということの体験をする意味でも、マシンから入ることがオススメされる。マシンでの動作に慣れてきたら、徐々にフリーウェイトに転向していき、やがてはどちらがいい悪いと見切るのではなく、目的に応じて使い分けられるようになりたいものだ。

次回はBIG3について書いていこうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?