トレーニーの日常【肩編1】
「肩が凝る」などという表現が表しているように、世間一般に「肩」というと、首の付け根から腕の生え際にかけての部分を指すことが多い。
しかし、トレーニングの業界に限っては、「肩」というと腕の生え際の部分のことしか表さず、首の付け根付近は「背中」に分類される。
というのも、首の付け根にある筋肉は「僧帽筋」と呼ばれる背中に大きく張り付いた筋肉であるため、「肩」を構成している「三角筋」とは区別されているわけである。
さて、トレーニング業界でいうところの「肩」に該当する筋肉である三角筋であるが、実は上半身の筋肉の中で最も体積が大きな筋肉であることが知られている。
前方は鎖骨から、後方は肩甲骨にかけて、腕の付け根を取り巻くようについている小さいようで大きな筋肉であり、上腕のさまざまな運動に関与する。
世間一般的な観点では、大胸筋や腹筋などの筋肉が発達していることがよい体の条件のように認知されており、肩の筋肉に注目する人はあまりいないが、ボディメイクの観点では、肩というパーツはどの方向を向いた時にも必ず見える部位になるため、非常に重要な位置付けになっている。
この肩の筋肉である三角筋は、トレーニングにおいては、フロント(前)・サイド(中央)・リア(後ろ)というように、部位で分けられることが一般的だ。明確な境界はないが、例えば腕を前に上げた時に働く部分がフロントであり、腕を横に広げた時に働く部分がサイドというように、トレーニーはそのように感覚的に認識している。
同じ筋肉でありながら一つの動作では全て鍛えられないという点では、もはや別の筋肉のようなものと見なしてしまう考えもありだろう。実際、それぞれの部位を別々の日に鍛えるという人も中にはいる。
肩の筋肉が大きく発達すると、肩幅が大きく見え、前方・後方から見た時のVシェイプがより強調され、アウトラインがよく見える。よって、上体のプロポーションを重視するフィジークの世界では、肩の発達度合いが非常に重要視されるが、その他ボディビル等の競技でも肩の充実している選手は評価が高いように思える。
競技をしていない人でも、肩が大きいと服を着ても着痩せせず、上体が大きく見えるというメリットがあり、ぜひ積極的に鍛えたい部位と言えるだろう。
次回は肩のトレーニングについて。
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