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キャリアの限界が見えた時に考えたいこと

みなさん、こんにちは。パーソナルコーチのやなけんです。

30代に昇進をして部下を持ち、ある程度の期間を過ごしてきた。40代になって自分の昇進限界が見え、残りの会社在籍期間をどのように過ごしていくか悩んでいる。

55歳で役職定年を迎え、今までの部下が自分の後任として役職についた。自分が出来ることでサポートしたいが、新しい役職者は自分に頼ってこない。必要とされていない、自分の居場所はないのではないかと感じ、日々葛藤している。

今まで散々会社のために尽くして頑張ってきたのに。自分の無力さや不甲斐なさ、悲しさや虚しさを感じますよね。

このような状況になった時、どのように現状を捉え自分の中で消化し、未来に繋げていけばよいのでしょうか? 今回の記事は、「近い未来にあなたに訪れること」として受け止めて、あなたの将来を考えるきっかけにして貰えればと思います。


会社は会社、あなたはあなた

会社が大変な時に身を粉にして働いてピンチを救った、経営者と一緒に汗水流して乗り越えた、経営者からものすごい感謝された。そんな経験がある方もいるでしょう。でも……最終的には会社はあなたの事を守ってくれません。組織とあなたの人生は別物です。

まずは、この事実をしっかりと認識しておくべきです。

経営状態の悪化にともなう事業の縮小や、若返りを目的とした新陳代謝など、あなたにとって不本意な理由で、今まではとは別の役職や役割、仕事に就いたりすることがあります。また、収入が大きく減って苦しい状況になることがあります。

今まで会社に尽くしてきたのに、あなたは「裏切られた」「捨てられた」と感じ、悩み苦しみ、葛藤します。かつての私のように、急にハシゴを外された感覚に陥り、ものすごい虚無感があなたに襲いかかります。

人生100年時代だそうですよ

終身雇用モデルが崩壊し、「定年まで働いた後は悠々自適な余生を暮らす」ことは不可能な時代となりました。そして、私たち一人ひとりが主体的に自分の道を探索し、選択する必要性が高まってきています。

平成24年度に行われた内閣府の「高齢社会フォーラム報告書」によると、平均寿命は2010年時点で男性79.64歳、女性86.39歳だそうです。2060年には男性84.19歳、女性90.93歳と報告されています。私の息子世代(2006年生まれ)は平均寿命が100歳を超えると言われており、平均寿命が伸びるとともに「高齢になっても働かなければならない」状況です。

現在、法律で65歳までの雇用が義務になっており、65歳から70歳の雇用は努力義務になっていますが、あなたが所属している会社もしくは雇用受け皿会社でこの年代まで働いているイメージってありますか?

私ですか?

まったくイメージありません。

そうすると、多くの人がこの先の人生を「どのように生きていくか」を考えて、自分で進むべき道を選択しなければいけません。

新しい自分へ移行するために、何をしたらよいのか?

「あなたの70歳、80歳時点の到達点は何か?」

昨年の夏、専門実践教育訓練給付金のためにハローワークでキャリアコンサルティングを受けました。その際にキャリアコンサルタントに言われた言葉です。

その時は、「いやぁ~。まったくイメージ湧かないっす(汗)」としか、答えられませんでした。

少なくても75歳~80歳くらいまでは働かないといけないのだろうなぁ~と、ぼんやりと考えていますが、みなさんはどうですか?

卵を一つのかごに盛るな

投資の世界で、「卵を一つのかごに盛るな(Don't put all eggs in one basket)」ということわざがあるそうです。

年金積立金管理運用独立行政法人HPより引用

これは、性質や値動きの異なる複数の資産に分散して運用することにより、安定的な運用成果を目指すことわざだそうです。

これって、仕事にも当てはまりそうですね。

一つのワーク(仕事)に依存していると、会社の環境変化(経営状況、役職定年など)などのリスクが高いですが、副業(複業)やボランティア、地域活動などのライフワークであなたのワークを分散しているとリスクを低減できそうです。

ボランティアや地域活動などは収入に繋がりにくいかもしれませんが、幅広い年代や価値観を持つ人との新たな出会いがあり、人的ネットワーク作りに寄与し、あなたの精神面での支えとなるでしょう。

移行を実現したケース

Yさん(男性・57歳)は2年前に役職定年しました。お子さんは既に自立していたこと、割増退職金もあったため会社を退職。今までの仕事とはまったく関連の無い民間の資格を2つ取得しました。

ある日、取得した資格が活かせる公的機関のプロジェクト参加者募集の公募を見て何気なく応募し採用されました。このプロジェクトは1年間限定のプロジェクトだったため、1年後にプロジェクトは終了しました。

その後、プロジェクトで知り合った士業の方から、「この会社でこんなことできる人を探しているんだけど?」と、クライアント企業を紹介してもらい、現在3社のクライアントを抱えながら、生活に困らない収入を得ることができているそうです。

「新しいYさんへ移行する事ができた、転機はなんですか?」

質問したところ、

「何気なく見ていたHPに公募があり、自分にできるかどうかわからないけど、資格が活かせそうだったので応募したこと

と教えてくれました。

Yさん本人は「いやぁ~たまたまですよ」と謙遜していますが、一歩を踏み出したからこその移行なのかなと感じています。

迷わずいけよ。行けばわかるさ

クランボルツのプランドハップンスタンス・モデルというのがあります。これは、キャリアの8割が偶然性によって決まるという理論で、人との偶然の関わりや様々な活動を通して、チャンスをキャリアにつなげるというものです。

理解しやすいのが、アントニオ猪木の引退の言葉「道」です。

この道をゆけばどうなるものか
危ぶむなかれ
危ぶめば道はなし
踏み出せばその一足(ひとあし)が道となり
その一足が道となる
迷わず行けよ 行けばわかるさ

アントニオ猪木引退の言葉「道」

今までの仕事とは、まったく関係のない自分の興味あった民間資格を取得し、自分にできるかわからないけど応募に手を挙げた。そうしたら人生に転機が訪れた。Yさんは今までとは異なる活動や人とのつながりで新しい自分に移行されたのですね。

アントニオ猪木の引退の言葉は、個人的にいつも胸に刻んでいる好きな言葉です。

さいごに

仕事で自分の置かれている状況に限界を感じると、辛く苦しく鬱々とした毎日です。私の実体験からも、二度と味いたくない時間です。

でも、ちょっと視点を変えてみると、人生の中で訪れた嫌な出来事を「転機」と捉えられた瞬間、嫌な出来事はあなたの転機となるでしょう。

仕事や友人以外のネットワークに加わる、仕事以外のライフワークを持つなど、まずは精神面から「分散」する事で、嫌な出来事があなたの中で少しずつ消化され、移行の準備が進んでいくのかなと感じます。

20代や30代では一切考えてこなかったし、学ぶ機会もなかった自分のキャリアですが、あなたもこの記事をキッカケに少し考えてみませんか?

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