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黒い川


膝下まで浸かっている
淀んだ川の中を歩いている
辺りは暗く
ただ私の足が掻き分ける水の音と
足にまとわりつく水の冷たさを感じる

そのうち 前後、天地が混ざり始め
暗闇は私の脳内にまで侵入してくる
ただ ひたすら川上と思われる方へと
歩みを進める

私はうっすらと、あの光を感じていた
この暗闇が、そこへつながっていることを
知っていた
確信が歩みを止めなかった
一歩、また一歩進むごとに
私の体は透明になって闇に溶けていく

そうして、暫く歩いていると
今度は、私の内部に熱が溜まって
やがて、それが、光りはじめる
宇宙に浮かぶ一つの星となって
鋭く 光り 放つ
何光年、何万光年も貫く鋭い光

そうやって、たくさんの星が光りつづけて
この大宇宙に存在している
ふと、眼を開けると
眼前には無数の星が、煌めいていた

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