『海が走るエンドロール』に見るトリックスターの考え方1

またもプロ向きのお話を。
たらちねジョン『海が走るエンドロール』はここ5,6年増えている風変わりな大学学部を舞台にした漫画に分類できるもので、『ブルーピリオド』の直系と言ってもいいような存在。ボクは単行本でしか読んでいないが、掲載している「ミステリーボニータ」の誌名と本作の内容が全くそぐわないのが、それこそミステリーだと感じている。
細かいお話は省いちゃうけど、この最新刊…2巻に関西弁のキャラクターが出てきた。これはどう見ても状況をかき回す役…トリックスターであろう。
で、ここで気になる点は
どうして関西弁のキャラクターをトリックスターにしがちなのか
である。上で本作が『ブルーピリオド』の直系だと言ったのは、実はこの点でも同じだからだ。『ブルーピリオド』でも関西弁キャラクターがトリックスターの役回りをしているのである。
これ、詳しく調べてみたわけではないけど存外に歴史が長い気がする。『うる星やつら』のテンちゃんがそうだった。すんごく古いのでは『いなかっぺ大将』の西一ってのがある。
どうして漫画家は、状況を引っかき回す(時には嫌な)ヤツに関西弁キャラを起用するのであろう。
ここには何かの思い込みが働いているのではないだろうか。
いや、上の漫画の作者の方々を責めているわけではありません。
実はボクも『UP・SETぼ~いず』という漫画を描いたときに関西弁のキャラクターをライバル兼トリックスターにした。ボクはこの漫画の当時、関西弁(正確には河内弁)の嫌な男にひどい目に遭っていたので
「敵役は絶対関西弁」
と決めていた。が、よくよく考えたら秋田弁や北海道弁でない理由はなんなのか、自分でよくわかっていなかった。

そこら辺について『役割語』という概念を交ぜながら、少し解説してみたい。
みたいが、本日は時間がないのでここまで。続きます。


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