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漫画編集者による意味のよくわからない言葉から漫画の本質に近づいてみようのコーナー3

一年ぶりに書くので書き方を忘れました


操作の仕方そのものを忘れました。なので前と同じ体裁で書けるかどうかは不明。まぁとりあえず前回の話を続けてみます。

わからないコマ割り=情熱的なコマ割り?

そういうわけで『チェンソーマン』を引用しながら、わかりにくいコマ割りの話をしたわけですが、正直言えば藤本さんのコマ割りはそんなにわかりにくくない。80年前の手塚先生と比べればわかりにくいけど、例えば1990年代から20年間の集英社系少女漫画と比べれば圧倒的にわかりやすい。


渡瀬悠宇『ふしぎ遊戯』(1992~1996 小学館)

じゃあわかりにくい、わかりやすいはどこで違ってくるのかというとやはり目と脳みその動きに負担がかかるかどうかではないか、だと思う。
日本人は当然ながら日本語の読み進め方に慣れているのでその読み進め方に近いほどわかりやすいと思って良いだろう。
じゃあ「情熱的なコマ割り」とは?
これはもう一年以上前の、しかも間接的な話なので推測するしかないのだが、身勝手なコマ割りって事ではないだろうか?

突如、ロマンティシズムの解説

「なんだその阿呆な話は?」と思われるかも知れないが、本当の事である。ここでは敢えて「情熱的」=「ロマンティック」と解釈する。些か牽強付会だけど、それくらしか糸口が思いつかなかったから。で、ロマンティック……その大本のロマンティシズムってのは何かって言うと……。
18世紀のおしまいにヨーロッパで国民国家が生まれてきて「もう俺ら、ローマとかギリシャなんて昔の事は知らんよ。ラテン語の教養なんかなくてもいいんじゃない?俺ら、勝手にやるから」
という芸術潮流だ。クラッシクなスタイルを堅苦しく踏襲する奴らなんか時代遅れだぜ、って事なんだろうね。

もう一つの情熱的


実は情熱的にはもう一つ英訳語がある。「パッショネート」ってやつ。
と、ここまで書いて、一向に話が広がらないと言うのに気がついたので、いきなりまとめに入ることにしよう。

まとめると

多分
「生真面目に真四角のコマを積み重ねるだけではつまらないので
 変形ゴマも使って下さいね」
と編集者は言いたかったんだと思う。この質問をくれた学生はこの春卒業しちゃったので、この拙稿を読まないと思うけど、たぶん、そんな事です。
もしマンガの編集者がここを読んでいたらその方にはいいたい。
分かりやすい言葉で言ってくれ!


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