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漫画教育を考えよう

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漫画家をやりながら、漫画の専門学校の講師をしています。 大学の准教授をしたり 海外の漫画学校に教えに行ったりしてます。 その中で教育というのを、真面目に考えよう、もっといい教育は…
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2020年9月の記事一覧

仕事の流儀8 漫画の教授法3

アダプテーション 前回内容をさらにスキルアップさせた講義。アダプテーションADAPTAITIONは文学で使う場合翻案などと訳される。例えば『フランケンシュタン』がアダプテーションされるとジョージ・バーナード・ショー『ピグマリオン』になる。それが舞台・映画向けにアダプテーションされると『マイ・フェア・レディ』になる。それが現代向けにアダプテーションされると『プリティ・ウーマン』になっていく。          ボクはこの定義通りではない講座をやっている。フランス漫画バンドデシネ

仕事の流儀7 漫画の教授法2

バンドデシネと漫画を比較するバンドデシネについて調べ始めて、6年くらいになる。バンドデシネの単行本(アルバムという)は総じて高いので、ぼつぼつと蔵書していってる。それでも50冊を越えて100冊に近づいてきた。日本でよく知られているメビウスとかエルジェはほとんどない。日本でみかけないものをフランスで買ってくるようにいてるからだ。それらはフランス語のセリフなので、ボクにはほとんどわからない。でも、コマや絵を眺める事は出来る。 日本の漫画とバンドデシネは同じ漫画のくくりには入るけ

仕事の流儀6 漫画の教授法1

サブテキスト しばらくボク自身の漫画教授法について話をしていこうと思います。  いくつかの理由があります。一つはオリジナリティが高い事。自分で言うと阿呆みたいですが、何処へ行っても同じような授業をしている人がいない。だったら公開して、このページをどこかの漫画の講師がみたら、なんかの参考になるに違いない。そう思ったからです。どのくらいの講師が登録しているのかわからないが、まぁボクも含め三人くらいはいる様子。 もう一つは、ボク自身が学生に「新しいものを手に入れたかったら、今持って

連載漫画のはじまりと終わりについて2(改変あり)

あるいは『ヒカルの碁』でいっぱいの 最近人と話をしていて驚いた事がある。               「『ヒカルの碁』の終わり方が唐突だった」             と、その人は言う。 ボクはそういう考え方を聞くのがそれこそ唐突だったので驚いたが、さらに驚いたのは                 「韓国のせいで終わった」                     と言われたことだ。週刊少年ジャンプの漫画の終わりと韓国って関係があるのか? と首を捻ったものだけど……なるほど。

連載漫画のはじまりと終わりについて1

あるいは編集者の仕事について 漫画雑誌の定期連載がどうやって始まるか、みなさんはご存じでしょうか。大概は編集会議というヤツで決まるのです。 では、その編集会議で話すポイントは何か、というとこれは折々によっていろいろある。                          売れるか 人気は出るか 二次商品はできないか           今だとこんな感じでしょうか。掲載誌にどういう貢献が出来るかというところでしょう。 終わる時のポイントは何か?