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漫画教育を考えよう

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漫画家をやりながら、漫画の専門学校の講師をしています。 大学の准教授をしたり 海外の漫画学校に教えに行ったりしてます。 その中で教育というのを、真面目に考えよう、もっといい教育は…
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2020年1月の記事一覧

仕事の流儀3 Attack Y

これもボクの講座の一つ。 同じ専門学校で教鞭を執っている久世みずきさんにこの講座の内容を話したら 「よくできますねえ」 と褒められました。呆れられたのかも知れないけど。まぁ限りなく自虐的な講座。 元ネタは東大大学院教授の吉見俊哉さんの著書『「文系学部廃止」の衝撃』。この本はタイトルはアレだけど、学問の考え方を分かりやすく伝えてくれるいい本だと思います。その中に、吉見さんがどうやって学生の論文を鍛えていくための見識とかやり方について触れている項があった。そして、自分の論文を学

仕事の流儀2 マスターピース講読

マスターピースとは傑作という意味です。先達の描いた傑作を丁寧に読み込もうと、企画した講座。2年生を対象としました(2学年制の専門学校なので卒業学年に当たります)。2019年度導入。まだ経験の浅い……というか、一年しかやっていない講座です。何年も前から考えては躊躇いして、ようやく踏み切りました。ためらった理由は、年間20コマのうち10コマ使うので 「果たしてそれに見合うだけの深みを持たせられるかどうか」 迷ったのです。躊躇って迷って結局踏み切ったのは、この講座に似た内容を自分自

仕事の流儀1 自分的始めの話(長いよ)

専門学校や大学で展開してきたボクの講義、講座について話し行きたいと思います。 漫画の「先生」として10年やってきました(漫画家ではなく)。先生をやれるのは長くてもあと10年くらいでしょう。それより先は、若い才能を指導するには多分感覚が追いつかない。巴里夫先生が70代くらいまで少女マンガの新人育成に関わっておられたそうですが、巴先生は長く編集にも関わっておられた。だからできたのでは、と思います。 もともと少年漫画でデヴューしたのが少年漫画家としては高齢でした。講談社がいまのビル

台湾の漫画の学校に行ってみた

このタイトル、わかりにくいですね…。正確に言うと 台湾にある日本漫画の学校に行ってみた です。 台湾にある台湾漫画の学校に行ってみた ではありません。 KADOKAWAはクールジャパン政策、クールジャパン機構のバックアップを受けて国外に日本の漫画の学校をいくつか作りました。その一つ、台灣角川國際動漫教育に行き授業を見学してきたのです。 この学校は6年前に台湾・台北市に作られました。東京で言うと銀座4丁目に該当するような繁華な場所にあります。 台湾はちょうど総裁選真っ盛りで