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音楽のジャンルに固執する人はバカである
表題の通り、音楽のジャンルに固執する人はバカである。
なんなら、世代や流行に固執する人もバカである。
「●●年代ロックは素晴らしい!!」
「ヒップホップは最高!!」
「昭和の名曲は素晴らしい」
「最近の音楽は昔より洗練されてる」
言いたいことはわかる。全体がすべて良いとは思わないが、その道で突出した人たちのやる音楽に対しては感嘆こそすれ批判の言葉は思い浮かばない。
ただ、それにばかり固執する人間はバカである。
理由は簡単。
「人には慣れた物を好ましいと感じる性質がある」
からだ。
単に慣れたものに固執しているだけのバカほど、なぜか「自分は音楽をわかってる」みたいな顔をしたがる。なぜか。
■人は認知的負荷の低いものを好ましいと思う
単純接触効果という言葉を聞いたことがあるだろうか?
「人はよく会う人に好感を持ちやすい」というアレである。
ざっくり言えば、「人の脳は省エネ設計なので理解しやすいものを好む」→「繰り返し会った人に対しては情報の蓄積が多いので理解しやすい」という理屈だ。
また、似たような心理効果で「利用可能性バイアス」というものもある。これは「よく目にする(思い出しやすい=利用可能性の高い)情報の価値を高く見積もりやすい」という人間の誤認の事だ。
どちらにせよ、人は好きなものほど自ら積極的に接触頻度を増やすし、増やせば増やすほど利用可能性が高まる。
音楽についてもそれは同じで、ロックばかり聴く人には「ロックこそが素晴らしい!」ってバイアスがかかるし、クラシックばかり・・・ジャズばかり・・・流行りの曲ばかり・・・と、同じような音楽にばかり触れて行くと、単純にそれに慣れて行くし、「そういう音楽を聴くときの認知的負荷」だけ極端に下がる。
難解な音楽を聴いて「難解な音楽を理解できる自分凄い!!」という勘違いをしている人がたまに居るが(誤解を恐れずに言うと、僕の事である。)、それもなんてことはない。聴き慣れているから聴きやすいだけである。難解だからと言って、それを聴くときの認知的負荷が高いわけじゃない。むしろそういう人は、そういう音楽を聴いている時こそ、大して脳は働いていない。
要は、音楽を聴くときに、ジャンルなり、世代なり、流行の度合いなり、何かしらに固執して聴いている人は「認知的負荷の低い音楽しか聴けないバカ」なのである。
■故に、ジャンルに固執した自称玄人は愚かである
別に、個人の趣味にとやかく言うつもりはない。ただ、音楽ファンの中には、ある程度ジャンルに対する優生思想のようなものが見え隠れすることがある。
要は、自分の好きなジャンル以外を見下していたり、「古い音楽はダサい」「最近の音楽には味がない」みたいな、村同士の軋轢みたいな空気感が、直接バチバチしてるわけではないにせよ、あるのだ。
というか、10年20年も遡れば、実際直接バチバチしてたのだからタチが悪い。世界は昔に比べてだいぶ平和になったと思う。
で、なんとなく他ジャンルを見下している音楽ファンに対して僕は言いたいのだ。お前はバカだと。認知的負荷の低い音楽しか聴けない癖に音楽をわかったような顔をするんじゃないと。
まぁ、音楽ファンの中には「音楽をわかってない人は音楽について語る資格がない」と考えている過激派も居るだろうから、そういう類の話ではないと、一応言っておく。
一部のダニングクルーガーは置いといて、まぁ別に誰が何を語ろうと、ある程度自由だと思う。でも、認知的負荷の低い音楽しか聴けないバカが、その人にとって認知的負荷が高いだけの音楽を、レベルの低いものとして語るのは違う。「レベルが低いのはお前だ」と、言いたい。
■自称玄人さん、息してますか?僕は息してません。
と、ここまでボロクソに言いまくったが、割と過去の自分も同じことをしてたので、ブーメラン刺さりまくって実は僕自身満身創痍である。
これは偏見だが、音楽への気持ちの強い人ほど、だいたい心のどこかが歪んでる。音楽ファンとはだいたいクソ野郎の集まりである。
どこぞの誰かが
「人に銃口を向けるなら、自分にも銃口が向く覚悟をしろ」
と言っていたらしいが、よく言ったものである。
誰かに銃口を向けると、大抵その銃口は鏡越しに自分に向いているのだから。こわい。
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