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耐えたけど…②

さて2学期。

なんやかんやと勉強はしていたし、国語科の行事も迷惑をかけないようにしていたつもりだったが、講師経験はあっても一般の中学校は初めてで知らないことだらけ。

主任に聞きながらやっていたけれど、手がまわらないところもあった。
そこを嬉しそうにチクチクつついてくる再任用のおばあちゃん先生X。

「言ったよね」が口癖で、大体言ってないし、言ってても話のついでに言ってるため私が覚えていないことが多い。
はっきり言って「国語の先生」の割に何が言いたいのかわからない先生。

毎日イヤミを言われながら、なんとか2学期に突入。

ある日、間違えた内容を授業で伝えてしまった。
これ自体は私の不勉強によるものなので、私が悪い。
だがXは職員室の真ん中で、大きな声で「え!◯◯を□□って教えたの?」そう言って最近はドラマでも見ないような頭の抱え方をして「ち、違う…。先生はそう習ったの?ねえ?」と言い出した。

発端は私。
それは間違いない。
でもそんな言い方する必要あるの?

生徒はちゃんと言えばわかってくれる子たち。
「前回言ってたことが実は間違っていて、本当は◯◯やねん。ほんまにごめんね。」と伝えた。

ここまで来ると、できてないことに対しネチネチチクチク言うことを楽しんでいるように思えてくる。

正直、「教員辞めようかな」と思ったことが何度もある。

なんとか耐えながら過ごす。

2学期の期末テストが迫ってきた頃、
「◯◯さん(生徒さん)の評価材料ってどう扱ってるの?」

お家の事情や気持ちなど色々と絡んでしまい、朝から学校に来ることが難しい生徒さんだった。
テストの点数だけを見ると国語の力はかなりある。
しかし、授業時にいないことが多く、評価材料や提出物を遅れて提出してくることが多かった。
もちろん、自分の状況と闘いながら頑張っていることはよくわかっている。
たが、他の生徒さんたちとまったく同じ扱いにもしにくい。

「本人には説明をして、まったく同じようには評価できないということは理解してもらっています。ただし、できる限り◯◯さんの力に見合うようにしています。その上で遅れることに関しては仕方がない部分もあるのかなと思います。」
と伝えるとXは
「◯◯さんは本来5の子やからね?配慮がいると思うなぁ。“仕方がない”って本当に都合のいい言葉だわ」
と…。

5の子…わかってます。
配慮…してますけど。
都合がいい…どういうこと?
逃げてるとでも言いたいのか?

Xには私の言葉は伝わらない…いや、聞く気がない。

こんなエピソードもある。
これしろあれしろを口頭で言われまくることが続いていた。
メモをとるようにしていたが、授業の合間で一瞬職員室に入ったときにもある。
言うだけ言って自分は満足。
「今はすみません。」と言う間さえ与えてくれず、常に一方的。
忘れてしまうこともあり、そんな時には鬼の首を取ったように嬉々として文句を言ってくる。
ある時、カミングアウトをした。
「私は発達障がいを疑いレベルですがもっています。脳のなかでの整理や長く記憶に留めておくことが苦手です。口頭だと忘れてしまい、迷惑をおかけしてしまうので、付箋で結構ですのでメモをいただけますでしょうか。」
こんな感じ。
そのときは気の毒にという感じで「これからはメモを渡すわね」と言ってくれた。
ちゃんと言えばわかってくれるのか…と思った。
ところが数日経つと元に戻った。
口頭で言われまくって、言われたことを忘れ、文句を言われた。
そのときの内容は
「なんでしてくれないの?これからの学校でメモをもらい続けるの?自分で把握しておかないといけないのよ!大体ね、自分は持っているから支援をしろっていうのは“脅し”やからね?」

…はぁ?
何を言ってるのこの方は?

としか思えなかった。

ただの気分屋で、年下で正規採用としては初任の立場が弱い私をロックオンしていじめていた。
本当に楽しんでいたのか、ムカついてやっていたのか、それはわからない。

けれど、それがいじめの理由にはならない。

数十年、教員としてやってきた人のなかにもこんな人がいる。

管理職は助けてもくれなかった。
気づいて声をかけてくれる先生もゼロではなかった。
でも根本の解決には至らない。

なんとか、本当になんとか耐えた。
そして今年度、そのXは異動していった。

けれど、結局今年度のはやくに自分の器から溢れてしまい休職。

もう2度とあんな思いはしたくない。

今回はここまで。
ありがとうございました。

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