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奈良先端科学技術大学院大学 物質創成 合格体験記

 NAIST(奈良先端科学技術大学院大学)物質創成区分2022年度春入試に合格しました。

 私自身、出願〜入試本番まで他の方の合格体験記も参考にしたため、この記事が少しでも受験する方のお役に立てれば幸いです。

自己紹介

 私は他の方と背景が少し変わっており、

  • 現在社会人であり、日中は働いている

  • 働きながら修士課程を卒業したい

  • 学部時代では化学専攻

 社会人でも働きながら通える大学院はないかと探していたところ、奈良先端には「長期履修制度」があると知りました。簡単に言うと、修士課程は基本2年間ですが、2年間分の学費で最大4年間通えます。と言う制度です。

 働いている人向けの制度があるくらいだから、何とか卒業出来るのではないか?と思い、とりあえずオープンキャンパスなどで説明を聞いてみることにしました。

オープンキャンパス

 オープンキャンパスは行った方が良いです。

 面接では「オープンキャンパスに行った?」とかは聞かれませんが、どのような雰囲気か分かる為、参加して損はないと思います。

 私は2月にあったオンラインのオープンキャンパスに参加しました。

 そこで、気になる研究室の先生と話をしたり、授業どんな感じ?みたいな会話も出来ます。

 私は元々化学系出身だったので、最初は合成系の研究室の先生と話をしましたが、「保険が効かないから実験は18時までだし、土日は実験してないから社会人には無理じゃない?」と言われ、あっさりと諦めました。

 データサイエンス系なら大丈夫だと思う。と言われ、元々データサイエンスに興味があったこともあり、その系統の研究室にすることにしました。

研究室見学

 研究室見学も出来れば行った方が良いです。私は気になった2つの研究室に行きました。

 奈良先端の場合、公式HPに「いつでも見学」といったフォームがある為、名前、学校名、見学したい日程などをフォーマット通りに記載して送信すれば、研究室側から連絡がきます。後は日程を調整して行くだけです。

因みに、オンライン見学か、実際に現地で見学か選べました。私は通うことも考え、現地に行きました。

 他の大学院にあるような、研究室の先生のメールアドレスを調べ、きちんとしたメールを書き……といった手順は必要ありません。この点は楽で良かったです。さすが先端大学(?)
 見学の時、実際に使用している実験装置などを見ることが出来て良かったです。研究室の雰囲気も分かるので、現地に行って損は無いと思います。

 また、研究室の学生さんから、実際に書いた小論文を貰えました。とても参考になったので、合格された方の小論文が欲しい方は、見学に行って「小論文ください」と聞いてみると良いかもしれません。

小論文

 小論文は、内容が「大学にて取り組んでいる研究」と「入学したらやりたい研究」でした。

 大学にて取り組んでいる研究に関しては、学部時代の卒論を要約して書きました。A4サイズ2枚分だったので、2枚目の1/3くらいを「入学したらやりたい研究」を書きました。

「入学後にやりたい研究」の内容は面接では聞かれませんでした。ですが、面接は「小論文についての発表」の為、面接の5分間の中では発表した方が良いと思います。

 研究内容に関しては卒論を要約するだけなので、3日くらいで書き終えました。特に誰かに見てもらうこともしていません。
 基本的に、①背景・目的、②実験方法・手順、③結果、④考察、の順で書けば問題ありません。たまに改行が多かったり、行と行の間の隙間が多い方がいますが、書くことないのか?と思われる可能性があるので、文字稼ぎはしない方が良いです。

 書き終えたら、5分で説明出来る様に練習し、文字数や図表を調整したりとしました。
 実際に声に出して読んでみると、ここの文章が変!とか思ったりするので、声に出すのは大事。

 面接では基本的に小論文に記載したことを聞かれる為、「こんな風に書いたらこのような質問がくる」と言ったことを想定し、ある程度質問内容を誘導するような小論文にすると良いかもしれません。

面接対策

 面接では小論文に記載したことから質問される為、書いたこと全てを説明出来る様にしました。

 例えば、「水素結合で〜」と書いたら、水素結合の説明は出来る様にする、といった感じです。公式などを使っていたら、公式の説明も出来る様にしました。

 後は、実験結果で「A,B,Cのうち、Aの結果が1番良かった」と書いたら、何でAが良かったか、その原因や考察も聞かれると思います(実際に聞かれました)

因みに、よくある「志望動機」や「研究で苦労したこと」などは一切聞かれませんでした。とにかく小論文の内容に関しての質問がされます。

出願

 必要書類を揃えて郵送で送るだけです。

 働いている方は、「出願承認書」が必要です。働きながら通うことを承認してくれ〜〜!と言った内容の書類です。様式自由ですが、調べれば他の学校のものが出てきます。そちらを参考にして作成すると良いかもしれません。
 因みに、春入試(7月)は秋入試などに比べて合格者数が多い為、迷ってるなら春入試を受けた方が良いです。

英語

 英語はTOEICのスコアを提出しました。過去2年間分が有効なので、早めに受けておくのがオススメです。

TOEICは回数を重ねる毎に点数が上がっていく傾向があります。慣れは重要。

 対策としては、リクルートの「スタディサプリ TOEIC」がオススメです。これさえやっておけば、TOEICは何とかなります。半年か、1年間か選べますが、半年で十分です。

 私はTOEICを1回しか受けることが出来ず、過去最低点(ギリ400点くらい)の点数で提出することになり、正直よく受かったな〜と思いました。何事も早めの行動が吉です。

 因みに、研究室の学生さんで、400点台だったけど研究室の優先権を貰えた方がいました。英語の配点はそんなに高くないのかも知れませんが、高いに越した事はないので、早めに勉強した方が良いです(もしかしたらその方は小論文がよっぽど良かったのかも…)

面接本番

 コロナ対策として、全員オンライン受験でした。時計(タイマー)は画面に写るように準備してありました。

 カンニング対策の為、机の下もカメラで写すように言われます。上はワイシャツだけど、下はジャージ…みたいな人は、写る可能性があるので気をつけた方が良いです。

 聞かれた内容としては、

  • 水素結合とは何か

  • 芳香族化合物とは何か

  • 化合物A,B,Cの内、Aの収率が1番良かった理由と考察

  • 略語の説明

  • 置換位置(o- オルト,m- メタ,p- パラ)についての説明

などです。

 沈黙が1番良くないです(時間ももったいないので)分からなかったらさっさと「分かりません」と答え、次の質問に移った方が良いです。

合格発表

 正直、面接が終わった後、「これはダメなやつだ…」と凹みました。

 春入試でダメだった方が秋入試で合格した、といった事はよくあるそうなので、秋入試に向けて頑張るかーと思いながら発表日を迎えましたが、無事に合格していました!

 これにて大学院受験は無事に終了です。後は入学までにTOEICの勉強を頑張ろうと思います。

 少しでも受験を考えている方の役に立てれば幸いです。



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