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友人と山に登ることになった話

少し前、学生時代の友人と山に登ってきた。
電車で行けて、山頂でご飯つくってゆっくりしても余裕で日帰りできるような近場の山なのですが、とても楽しかったのです。

標高900mぐらいの山


きっかけはその一週間ほど前、一年振りの私のツイートに彼女がリプライをくれたことだった。
幾度となく交わされた、今度ご飯行こうね~、の“今度”がようやく、満を持してやってきた。
そんなに遠いところに住んでいる訳でもないのに。すべて私が不精なのが悪い。

数年振りに会った彼女は変わらず元気だった。メニューにトマトソースのパスタがあったので、
トマト苦手だったよね? と聞くと、
食べられるようになったんだよ! とあの頃と同じテンションで笑う。

そこはおしゃれなイタリアンのお店で、私たちがご飯を食べたのは平日の夜だった。どの料理もとても美味しくて話が弾み、そして思いの外ガーリックが効いていた。
私は翌日が在宅勤務だったけれど、彼女は出社日だろうかと心配になって問い掛けた。

「明日、朝早かったりする? 大丈夫?」

すると、彼女はさらっと答えた。

「あー、今ねーわたし、仕事してないんだ」

そう言って話してくれたのは、新卒で就職した会社の先輩に酷いパワハラを受けて休職をしていたこと。復帰して部署異動もしたけれど少し前に退職していたこと。
今は回復していて、これからについて考えているところなのだそう。

彼女が話してくれている間、私はと言えば
それは酷い、とか、それはそうだ、とか、それは会社がヤバい、とか、
相槌を打って、ピザを食べていた。
一番大変だったであろう時期に何も知らず、何もできなかった申し訳なさを噛み締めながら。

彼女がこうやって事も無げに話をできるようになるまでに相当な時間がかかったことは想像に難くない。辛い状況の真っ只中にいる時は、しんどいと言えないものだ。
でもいま、目の前で笑って話してくれている。ならば私は必要以上の心配を表に出すことなく、最後にこう言おう。

「生きててくれてありがとう。そしてその会社は滅びろ」

それからもいろいろな話をして、翌週には一緒に山に行くことになった。
私が前職をやめた時の話は友人を通して知っていたようで、梁田も大変だったもんね、の一言が沁みる。もっとTwitterでいいから近況報告をしろ、そして連絡してこいと怒られたけれど。

数年間会っていない間に彼女にも私にもいろいろあって。
それでも、お互いに生きていて、こうして一緒にご飯を食べ、山に登る。充分だ。

そして登山の翌日、大変な筋肉痛に見舞われたことは言うまでもない。
いくら気持ちが満たされても痛めつけられた筋肉は癒されないのだから。2023年の目標は筋トレと体力づくりにしようと決めた瞬間だった。

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