活字中毒の話


 あなたはそこに文字があったらとりあえず読む派でしょうか? 

 シャンプーの成分表示、コンビニおにぎりの原材料欄、電車内の吊り広告……。こうしてnoteを読んでくださっているということは、程度の多少はあれど読む派の方なのかなぁと想像していますが。そこに文字があっても別に読まない派の人との隔絶は激しいものだと聞き及びます。

 それにしても奇遇ですね、何を隠そう私も“そこに文字があったらとりあえず読む派”なんです。
 それで最近、気付いたことがありまして。
 私、“そこに文字があったらとりあえず読む”どころではなく、“常に文字を視界に入れていないと情緒不安定になる”のではないだろうかと。

 そのことに気付いたきっかけは家で夕食をとっている時。普段の夕食時はテレビで野球や、オフシーズンの間はMリーグなんかを観ているのですが、その日はたまたま何もつけていませんでした。
 あ、Mリーグが始まってもう6年目になりますが、年々盛り上がってきていてオススメです。ABEMAで無料で見れますのでぜひ。

 それはさておき、ふと気付くとご飯を咀嚼しながら無意識に、テーブルの上に目を走らせて何か読めるものがないか探す私……。その時はたまたま置いてあったたこ焼き屋のチラシを手に取ったのですが、いや今なんか読むもの探してたな?! とめちゃくちゃ衝撃を受けたのでした。

 それからしばらく考えていました。どうしてさっきは読むものを探してしまったんだろう? と。目の前のご飯に集中すればいいのに。
 どうも無の時間が耐えられなかったようです。何か文字情報を頭に入れたいんでしょう。
 ご飯を口に運んでもぐもぐしている時って暇じゃないですか? お風呂でお湯に浸かっている時とか、電車に乗っている時とかとだいたい同じ。
 なんなら夜、布団の中で寝落ちる寸前まで文字を読んでいたい。お布団に入ってもスマホ見るのやめられないのはそのせいだ。私が悪いのだろうか? いや、悪くない。(反語)

 ここで大事なのは“文章”ではなく“文字”であること。その中身は割とどうでもよくて、脳が文字情報と認識することが大事っぽい。

 と、ここまで書いてこれが活字中毒ってやつか! と気付きました。思ってた活字中毒の100倍、中毒だった。

 文字ならなんでもいい。とにかく文字を読まないと気が済まない。
 そんな人間とTwitter改めXは非常に相性がいいと思いませんか? それはもう、非常によろしくないことに。

 だって24時間いつでも延々と文字が流れてくるんですよ。特に“おすすめ”タブが現れてからは酷かった。TLに誰もいなくてもひたすらに誰かのツイートが流れてきて、本当に読みたいのかどうかもわからないままそれを読み続けてしまう。そして気になった人のホームに飛んでツイートを遡る。ある程度下のほうまでいくと、ある時びよーんって一番上に戻ってしまう。そうなると諦めてTLに戻る。
 何回かリロードしていると同じツイートが何度も出てくるようになるので、今度はトレンドを片っ端から覗いて……。
 そのうちに読んでいるのか読まされているのか、やめたいのにやめられない、苦行のようになってきて、いよいよ中毒感が出てきます。本当は寝たいんだけどな。
 それは活字中毒じゃなくてネット依存症だろという声は聞こえません。布団の中で眺めるのはTwitterじゃなくて本でも全然いいんですけど、一応寝ようという気持ちはあるので部屋の電気は消しているから暗くて本読めないんですよね。
 あぁ罪深きTwitter。でもあいしてる。

 この文章も、そうやって文字の海を彷徨っている誰かに届けばいいなと、そう思います。

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