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大東京カワセミ日記128 20220612 その3 午後の部後編 ハードボイルド父ちゃんの巻。

ヘタレ末っ子を見届けたあと、そろそろ17時になったので家路に。
帰りがけ、1羽のヒナが餌取りを。。。
こいつもまだへたっぴ。。。。

大通りの橋の下。
長男か次男か。ひなが一羽でたたずんでいた。

じっとしてる。「今日の練習はおしまい!だって紐しかとれないんだもん!」・・・多分次男んのほうだ。。

と、反対側の橋のたもとにおちた自転車の車輪のうえに、おとうさんが。

めちゃくちゃハードボイルドだ。

水はきれいになった。だからエビも魚もいる。ただし、エビは中国由来のカワリヌマエビの可能性が高い。アメリカザリガニも海の向こうからやってきた。巨大な鯉は、放流されたものだろう。たくさんいるミシシッピアカミミガメも。
スッポンは? わからない。。。
1970年代80年代前半まで公害と家庭排水と開発で生き物がほとんど住めない場所になっていたこの川。
水がきれいになって、戻ってきたのはいわゆる「外来種」が目立つ。
カワセミの餌は、こどもはもっぱら捕まえやすいヌマエビ。大人の餌は、そして狩をして子供に与える餌は、ボラの子、モツゴ、アメリカザリガニの3つがメインディッシュだ。
水は綺麗になったけど、たぶんまだこの川は「ドブ川」で、「水に流して捨てていい場所」と思っている人はけっこういる。だから、自転車がやたら落ちている。
高さ10メートル近くあるから、夜中に放り投げて捨てているわけだ。弁当箱もたくさん落ちているし、コンドームが浮かんでいることもある。

でも、カワセミの環世界は、おそらくそんな自転車もふくめて、巣穴がつくれる水着な壁と穴と、1キロほどの餌の魚介類がいる川の流れと、周辺に別の魚介類がいる池がおそらく全てだ。それだけあれば、カワセミはどこでも暮らせる。

ほぼハードボイルド映画の主人公ヅラのお父さんである。

「おい、兄ちゃん。たいがいにしとけよ」

たしかにそう言われた。

夕日がきらめく川面に溶けながら、かわせみ父ちゃんの今日が暮れる。

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