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ダイレクト系損保の台頭
(Twitterはこちら → @yanagi_092)
5年目になりました。東京海上は年収のうち賞与の占める割合が多いのですが、前年はリーマンショックによる有価証券の減損の影響もあり、この年の年収は相当落ちています。なお、2000年代中盤まで賞与の業績連動は無かった(常に満額)ので、業績連動を期に実質的な年収カットが行われたと言えます。
あと、これよりも前の2004年の日動火災との合併時に給与テーブルの引き下げもありましたね。
更に、2010年以降も若手総合職の昇給を遅らせたり(主任になるのが1年遅くなる)、人事制度改定による年収引き下げ(&裏で退職金ポイントの引き下げ)があったり、実はずっと給与の減額が続いています。
そして、近年では「みんな活躍! 〇〇の活躍推進!!」の名のもとに、より給与の低い一般職へのシフトを図っていることから、2000年代以降はずっと給与の削減を続けている訳ですね。
とはいえ、これは他の金融機関も同じ状況だと思いますが・・・
ご参考:総合職と一般職
大手損保 vs ダイレクト系損保
損害保険ビジネスは、昔から代理店さんを通した保険契約を行う慣例になっています。以下の図のように、代理店さんが仲介を行って、保険会社は代理店さんに対して「代理店手数料(保険料の20%弱くらい)」を支払います。
※細かな話をすると、代理店さんは法律上の「代理商」なので仲介ではなかったりするのですが、話が難しくなるのでこのまま進めます。
この構図は、お客様が「保険料の20%弱」の代理店手数料を負担している構図とも読めます。
そして、この頃(2000年代後半)から上記の構図に着目をしたダイレクト系損保が台頭するようになります。ダイレクト系損保とは、代理店さんを通さずに、保険会社とお客様がダイレクトで保険契約を結んでいる保険会社を指します。ソニー損保、アクサダイレクト、SBI損保等が有名ですね。
代理店さんを通さない分だけ代理店手数料が浮くのですが、更に事務拠点を大都市に絞る(例えば東京&大阪だけ等)ことで、事務コストも大幅に削減し、大手損保に比べて格安な保険を提供しています。
では、肝心のサービス品質、特に損害サービスについてはどうでしょうか。この点、ダイレクト系損保は大手損保から従業員の引き抜きを行っていることもあり、私の経験上、損害サービスレベルは大手損保と変わりがないように思います。
むしろ、地方の農協(農協の自動車保険)や共済(〇〇共済とかの自動車保険)の方が、素人レベルの高齢者が損害サービスを担当していることもあり、本当に話にならないことが多々あります…
ぼく「ダイレクト系損保って保険料は安いけど、損害サービスも大手と遜色は無さそうだ。大手損保と比べて、損害サービスで何か違いがあるんだっけ??」
遠くから電話?近くから電話?
この頃、大手損保はダイレクト系損保への対抗策として「全国の安心のネットワーク」を宣伝していました。確かに、大手損保はどの地方にも支社がある一方で、ダイレクト系は大都市(東京&大阪のみ等)にしか拠点を持っていません。
ぼく「全国に支社があるのは良いんだけどさ、損害サービス事案のほとんどは電話だけで終わってない?」
結局のところ、大手損保が全国にネットワークを持っていたとしても、ほとんどの事故案件は電話のみで終結していることから、大手損保とダイレクト系損保の違いは「遠くからの電話(ダイレクト系) or 近くの支店からの電話(大手)」の違いしか無いのではないかと思っていました。
また、たまに苦情案件等で面談をすることもあるのですが、ダイレクト系損保も必要に応じて面談に行くらしい(遠い場合は飛行機を使って!)ので、電話以外の面談が必要な事案についても、大手損保とダイレクト系損保で大きな差異が無いように思いました。
自由研究論文の検討
前回記事のとおり、東京海上の損害サービス部門では、5年目になると自由研究論文を作成する必要があります。上記のように、従前から「大手損保とダイレクト系損保」の構図に興味を持っていましたので、これを自由研究論文のお題にすることとしました。
ぼく「今後、大手損保は保険料が高い分だけの付加価値が求められる時代が来るだろう。情報化の進展によって、『大手は高いけど、高い分だけの価値は無い』と言われる将来が来るかもしれない。この辺りを深掘りしてみようか・・・」
(続く)
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