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2022年2月に聴いた新曲3つ

 どうもヤンです。ちょっと遅れちゃったけど今月分も書いていきますよ〜!


米津玄師「POP SONG」

 全世界が待ち望んだ、米津玄師さんの渾身の新曲。今回はPlayStationのCMとのタイアップ曲となっています。「POP SONG」、つまり広く大衆に受け入れられることを目指したタイトルをつけていますね。PlayStationと「POP SONG」でイニシャルが「PS」と一致しているのもポイント高い。
 しかしながら、その中身はなんとエレクトロスウィングであることが、米津玄師らしいひねくれポイントだなぁ、って思います。エレクトロスウィングとは、ジャズミュージックとEDMをミックスさせたような音楽ジャンルのことを指します。ボカロ音楽だとすりぃジャンキーナイトタウンオーケストラ」や柊キライラブカ?」などが当てはまりますね。これらの曲の影響でエレクトロスウィングの音楽って世間的にかなり普及した印象はありますが、昨今のJ-POPにおけるメインストリームの音楽ジャンルではないと思うんですよね。
 また、CMで使われている1番のサビ部分の構成が、2番以降一切出てこない、というのも最高にひねくれています。このサビのメロディはとても親しみやすくてまさに「POP」の象徴的な部分となっていますが、このサビが二度とこないという、ある意味裏切られるような曲構成にするとは、非常に攻めていますよね。
 しかし、Lemon」の特大ヒット以後、数多の金字塔を打ち立て続けてきた米津玄師だからこそ、この曲は見事に「POP SONG」として大衆に受け入れられているのでは、と感じております。むしろ彼にしかできないことですね。日本で彼の名前を知らない人はいないであろう世の中になった今だからこそ、エレクトロスウィングというお茶の間で一般化されていない音楽ジャンルを作り、奇天烈な曲構成で人々を魅了しよう、と考えたのかもしれません。画一化されたJ-POPに対して一石を投じつつ、「ゲームのように音楽は自由に楽しむものなんだぜ」という、メッセージのようなものを感じました。


DECO*27「パラサイト」

 3月9日、ミクの日に8th Album「MANNEQUIN」の発売を控えるDECO*27から、アルバム収録の一曲を先行公開。
今回はもう、DECO*27さんお得意の「メンヘラ歌詞」ですよね〜。過去の曲でいえば「乙女解剖」とか。そもそも他人に依存する人のことを指す「パラサイト」っていうタイトルから、メンヘラ感がマシマシでお届けされています。め、メンヘラは嫌われるぞ〜()
そんなメンヘラ曲なのに、私たちの心に刺さる曲を書けるのは、なんなんでしょうかね…。歌詞やサウンドから滲み出るゾクゾク感とか、メンヘラな人の気持ちがちょっと理解できるような歌詞とか、そういう類の話なのかなとは思っていますけれども…。
 今月はこの曲の魅力がよく分からないまま、だけど不思議と取り憑かれるようにループ再生しちゃってました。もしかしたら曲のタイトル通りこの曲に「パラサイト」されていたのかもしれません。あ、ちなみに私自身は別にメンヘラ気質とかそういうわけではないので悪しからず。
とにかく、僕から言いたいのは「一度聴いてみな、飛ぶぞ。」ってことだけです。DECO*27さん本当にすごい。

ちなみに今月に起こったとあるVTuberと歌い手の事件を彷彿としながらこの曲を聴いていたのは内緒のお話


SLAVE.V-V-R / konoco「その花は生涯で最も忌々しく邪魔だった──。」

 今月のタイトル長すぎて覚えられない曲。そして、以前にも紹介した「『んっあっあっ。』」の作者であるSLAVE.V-V-Rさんが、歌い手のkonocoさんを巻き込んで「引退」した曲です。
 SLAVE.V-V-Rさんは本当にかっこいい曲を書きますよね。今回は英語のパートやポエトリーの箇所でウィスパーボイスを使って不気味にかっこいい雰囲気出してきてます。ボカロPでウィスパーボイスを使わせたら、この人の右に出る人はいないんじゃないでしょうか
 その上で、konocoさんがSLAVE.V-V-Rさんの特徴的なアレンジを汲み取りつつ、さらにアレンジを加えて大胆に歌っているのも高評価です。失礼ながら、今までkonocoさんのこと知らなかったんですけれども、とてつもない歌唱力の持ち主ですね…。
 また、サビAとサビBという二つのサビを用意して、サビBのインパクトを強めている手法を使っているのも興味深いなと思いました。これは、SLAVE.V-V-Rさん自身がツイートしていたのでそのまま引用しますね。

 あまり見ない技法のサビ構成で、私も初見の時は「ん?」と思いました。しかしながら、このツイートを見たあとに意識して聴いてみると、激しく怒れる「王」を彷彿とさせるノリノリのサビA(「本能が息を欲してる」から「重厚なバベル」までの部分)が、どこか不敵で雄大に立ち塞がっているようなゆったりめのサビB(「涙が出るほど美しいのに 生涯でお前ほど邪魔なものはない」の部分)をうまく引き立てているな、と感じました。サビBだけだと短すぎてインパクトがないし、かといってサビAだけだと王の力強さを表現しきれないのでは、と予想されます。SLAVE.V-V-Rさん、意外と考えた曲構成で毎回「引退」されるので、とても唸らされる。


 今回は以上です。3月もいい音楽との出会いがありますように!

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