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ロバ、はちみつ、タタール人


ロバについて


夫が最近知り合った人はロバがものすごく好きらしい。
それを聞いて(おそらく人生で初めて)ロバについて少し真剣に考える。

暇つぶしに(本当に暇だったのだ)wikiで調べてみる。
それによるとロバの性格は「新しい物事を嫌い、唐突で駆け引き下手で、図太い」らしい。

妙に味わい深い文章だ。
微妙に失礼でそれぞれが微妙に噛み合わない感じ。
ただなぜか納得感がすごい。
「うんうん、ロバってそうだよね」って感じがする。
ロバのこと何も知らないのに。

ロバは新しい物事を嫌い、唐突で駆け引き下手で、図太いのか。なるほど納得。

ただ何事も決めつけはよくないと思う。
だからロバの知り合いができたら確かめてみようと思う。

実は新しいものが大好きでChatGPTをフル活用し、用意周到で駆け引き上手で会議前には根回しを欠かさないタイプかもしれない。
そのくせ心の奥底はガラス細工のように繊細でMBTIで言うとinfpとかかもしれない。

勘で本を選ぶ

初台にある「fuzkue」という読書カフェに行く。

https://fuzkue.com

「休日は予約したほうがいい」というネットの情報を見て念の為予約した。
初台駅に着いて、手持ちの本2冊では頼りない気がした。
予約の時間まであと15分しかない。
最寄りの書店に走る。

あわあわしながら本を選ぶ。
『タタール人の砂漠』と『えーえんとくちから』の2冊。

どちらも本当に素晴らしい本だった。
本を買う時は適度に追い詰められた状態の方がいいんじゃないかとさえ思う。
そんな時にしか働かない勘があるのかも。

いつもの「本屋での私あるある」

・気になったタイトル手に取る
・目次を見る
・スマホで検索
・amazonレビュー読み始める
・悪いレビューも一応チェック
・¥2800か…今月いくら使ったっけ…
・リュックが重くて肩痛いな…
・もうだめわからない…
・一回カフェで休んでからもう一回来よう…
(そのカフェ代を本に回せ)

そんなプロセスを踏むよりあわあわしながら15分で選んだ方がいいんだな。

「決断にかけた時間」と「決断の妥当性」って比例しないのかもしれない。
そういえばそんな話を前どこかで読んだ気もする(読んでない気もする)。

とにかく、今日は読書をするのだ。
なぜ『タタール人の砂漠』か?
タイトルだけは知ってて、妙に頭に残っていたから。
あとなるべく現実を忘れて本に没頭したかったから。

「タタール人」も「砂漠」も何だか私の生活とすごく遠い感じがするではないではないか。

内容もすごく良かったけど今日は割愛。
書評など書ける気がしないから結局書かないかも。
プロフィールに「読書とか」って書いてあるのに(メタ発言失礼)。
(こういう括弧内ツッコミってほぼ消滅したよね…。でも私は使う。なぜなら古のオタクだから。)

はちみつを味わう


fuzkueはとても良い場所だった!!
トータル4時間滞在した。
こんなに読書に集中するのは何年ぶりだろう。

その時間スマホから離れられるだけでも価値があるな。
そういえば映画館、プール、サウナでも同じことを思った。

スマホから離れることに価値があって、それがお金になる時代なんだな。
安くないお金を出してスマホを買って、それから離れるためにまたお金を使う。
原始人が聞いたら意味わからないだろうなと思う。知らんけど。

fuzkueではレモンスカッシュを頼む。
たっぷりしたグラスに、レモンスライスとアイスピックで削った大きな氷が浮かんでいる。
オーガニックレモンとはちみつを使っているらしい。
思ったより甘くて濃厚なはちみつの味がする。はちみつという食べ物についてふと考えた。

ロバに続いて、はちみつについても人生で真剣に考えたことなかったなと思う。
世界には知ってるつもりで真剣に考えたことがない物事ばかりだ。
スマホはカバンに閉まってあるから(読書カフェだもの)調べられない。
だからフワッとしたことしか思いつかない。

蜂蜜の正体……蜂の唾液?花の蜜?……女王の為?子の為?……蜂の労働の搾取……花によって味違う?……「はちみつ」と「honey」って味違う気がする……

フワッとした疑問が頭を駆け巡りつつはちみつの味を味わう。
舌の上で、蜂たちの労働の痕跡を探ってみる。
わかるわけはないんだけど、雑に口にしてる時より色んな味がする気がする。
はちみつに含まれるすべての要素を感じてやろうと目を閉じて味に集中する。

本を読むのに疲れるとグラスを覗き込む。
大きな氷は透明度が高く、氷の下にあるレモンスライスがはっきり見える。
氷がレンズのような役目をするのか、レモンスライスがやたら美しく見える。

はちみつを味わったりレモンスライスを覗き込んだりする時間。
数秒が永遠のように感じる。
スマホでTwitterしてるときは1時間など一瞬なのに。

どっちが良いとかわからない。
でもはちみつを味わう方がTwitterより虚しさも無い。
あと単純に休日が長くなって嬉しい。
レモンスライスと氷がきれい。
きれいだからちょっと世界が良い場所に感じる。

思えば子どもの頃ははちみつを味わうように生きていた気がする。
木の根っこを眺めたり、地面に顔を近づけてひたすら砂粒を見たりしていた。
蟻を観察したり自転車に乗って知らない町に行って(とはいえ隣町だけど。所詮子供だから)知らない町の匂いを全身で嗅いだり。

あ、そうだ、いいこと思いついた。
大人だけどもっとそういうことしよう。
そして休日を長くしよう。
ライフハック!!

fuzkueに行ったのに本のことあんまり書いてないな。
でも読書も本当に良かった。

書評ってどうやって書くのかな。
読書感想文の時代からよくわからん。

でもそのうち書いてみるかも。
どうせ大して誰も読まないし。

最後に、fuzkueは良い場所です!!!

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