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#テレビドラマ感想文「帰らないおじさん」
ドラマ「帰らないおじさん」は、仕事帰りに公園で待ち合わせて遊ぶ3人の中高年男性=「おじさん」を描いた25分程のTVドラマだ。
3人の遊びは、投げた棒切れの先を進路として散歩するだけ、公園で昔の野球ボードゲームをする、近所のコースを走る罰ゲーム付の自転車レースなど、子供のような遊びだ。因みに次回は秘密基地を作るらしい。
まるで下校後の昭和の小学生のような遊びを楽しむおじさん3人。楽しそうだ。童心に帰って無邪気に遊ぶ。大人だってそういう意味での遊びがあってもいいのに、と思う。けれど、なかなかその遊び相手がいないのが現実。だからドラマとして成立しているのだと思う。
このドラマを視聴しようと思ったきっかけは、以前はまったドラマ「柴公園」を彷彿とさせる内容かと思ったから。けれど視聴してみたら趣が違った。
「柴公園」は柴犬を飼っている中年男性3人が、犬の散歩コースの公園で居合わせた時に、あれこれ「だべる」井戸端会議の内容がメイン。日常のあれこれを考察したり、皮肉が込められていたりが面白かった。
一方「帰らないおじさん」は「柴公園」のような皮肉めいたものは見受けられない。そのせいか初回を観た時は、期待と違って”だしの入っていないスープ”のような物足りなさを感じた。ところが2回、3回と視聴を重ねて、特に面白くはないけれど何となく見続けている。
おじさんが無邪気に遊ぶ姿を見て、疑似体験をして楽しんでいる。そんなところだろうか。人が美味しそに沢山食べる姿を見るのが楽しいのと似ているかもしれない。
このドラマには、ドラマがおこらない。今のところは。
自転車レースのゴール間近で奥さんからタイムセール品の買い物依頼が入ったり、優勝者のおじさんが出した罰ゲームが“仕事で肩コリが激しい自分への肩もみ”だったり、といった仕事や家庭に関わる話はちらっと出てはくるものの、ほぼ3人のおじさんが遊ぶ姿が映し出されているだけだ。
毎回、おじさん3人とよく出くわす営業職らしき若い女性が1人登場する。3人を見かけて観察する程度の関わりで、今後何か展開があるかは微妙。最終回まで、3人との関わりはこのままの距離感が続くかもしれない。けれど、おじさんたちを見ているうちに段々と、彼女の考えや気持ちにだけ変化が生じていくパターンかもしれない。
とにかく今のところは、ドラマに夢中になりたい気分の時にはお勧めしない。何も考えずに、癒やされたい時に観るのがお勧めだ。
”だしのないスープ“ではなく、”白湯“と思えば味わいもかわってくる。
ドラマ「帰らないおじさん」は、Tverで配信中。第1話も見られます。
因みにこれが女性3人だったら?と考えてみた。
ドラマ的には性別がかわったところで、違う遊び方になるのだろうなぁ、と思った。リカちゃん人形とか、おままごと的な遊びが描かれるような気がする。けれどそれをやると、ジェンダー云々のつっこみが入る可能性もある。そういうものは避けたいから、「帰らないおばさん」は制作できないのかもしれない。
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