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「欧州、黒人難民に冷淡」

  2022年3月5日付『毎日新聞』2面「焦点」。現場にいてこそ書ける素晴らしい記事だと思う。欧州の(日本も含め)ロシア人嫌いが「いじめられるウクライナ人かわいそう」感を増幅させているのに加え、ウクライナ人が白人で青い瞳で金髪だから余計に「かわいそう感」が膨らんでいるのではないかと思っていた。その難民となったウクライナの人々に手を差し伸べるヒロイックな欧米諸国と日本、ということになっているが、しかしその人々はできれば白人でいてほしいというレイシズムが見え隠れしている。

    アフリカ諸国からウクライナに留学したり就職していた難民が国境で差別されたと訴えている。特派員がその声を伝えている。つい最近までイスラム系移民希望者を国境で足止めさせていたポーランド政府。「今回はこれまで見慣れてきた難民とは違い、ヨーロッパ人だ。知的で教養がある」といい放ったブルガリア首相。それこそナチの人種選別だ。

    弱いものいじめは許さない、人類みな兄弟という。しかしそこにもダブルスタンダードが隠されている。あるいはもはや隠されもしない。そういう世界に私たちは生きている。

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