見出し画像

親日国の台湾から学んだインバウンドのこと

2019年9月14日〜17日までの3日間、台湾に行ってきました。海外旅行は23年ぶりだという母を連れていき、普段は見ることのなかった楽しそうな表情を見ることができて、ほんの少しは親孝行することができたと思います。

目の前の仕事に奮闘しながら慌ただしく過ぎ去った20代が終わり、30代に突入して、改めて家族や周りの人たちと過ごす時間の大切さを実感しています。限られた時間の中で、これからも色んなことを共有していきたいです。

さて、本題に戻りますが、今回の旅行では台北市内と九份と十份を訪れました。台北市内では新しいビルやショップが建ち、街中が建設中な一方、路地には夜市の屋台が立ち並び、古さと新しさが同居していました。九份と十份は田舎街で、特に九份は「千と千尋の神隠し」の世界観が広がり、赤い提灯がどこか懐かしい神秘的な街でした。

台湾は本当に親日家が多い

台湾は親日家だとご存知の方は多いと思います。実際に、旅行中は台湾は親日だと感じる場面が何度もありました。特に印象に残っているのが、台北駅から十份へ向かおうと、各駅停車の切符売り場にいたら、知らない台湾人のお爺さんがいきなり日本語で行き先を尋ねてきました。すると、「特急の方が早く到着できるよ!」と言って、特急の切符売り場に案内して、わざわざ切符の買い方を教えてくれました。

他にも、観光地で働いている人が日本語で接客してくれました。日本人と認識して日本語で伝えようとしてくれる気持ちが嬉しかったです。こういった現地での交流の積み重ねが両国の友好関係を築き、世界平和に繋がっていくのだと思います。

そもそもなぜ台湾に親日家が多いのかと思って、理由や背景について調べてみましたが、どうやら日本統治時代と親の影響が大きいみたいです。1895年から1945年までの約50年間、中国が敗戦のために台湾を日本に渡しました。この50年間は日本統治時代になりますが、この長い50年、日本は台湾で様々な貢献をしました。この統治時代を生きた祖父母の世代、経済成長期を生きた父母の世代の日本という国に対する印象が次世代へ語り継がれているのだと思います。

台湾における日本企業の存在

台北市内を歩いていると、とにかく日本の飲食チェーン店が多かったです。日本の三大牛丼チェーン(吉野家、すき屋、松屋)や、回転寿司のスシローとくら寿司、定食屋のやよい軒、カフェのコメダ珈琲などはよく見かけました。やよい軒とコメダ珈琲には滞在中に行きましたが、値段は決して安いとは言えないものの、味が美味しいからか、店内は台湾人が多かったです。

こうやって、日本食が受け入れられていると思うと嬉しくなります。台湾ではどちらかと言うと、あまり高級なお店は好まれず、伝統的な日本食より大衆向けの日本食が人気のようです。やよい軒でも台湾人が好みそうな八宝菜や青椒肉絲の定食があったりして、その国の味覚に合うようにアレンジしてサービスを提供していて感心しました。

画像1

日本では見かけないセルフオーダーシステム。注文して、調理開始から完成するまでの過程を確認することができて便利。

台湾から学んだインバウンド

国・地域別の訪日客数のデータを見ると、台湾は、中国、韓国に続く3位が定位置となっています。親日家でリピーターが多く、2度目以降の訪日では定番ルートを避け、深く新しい日本の楽しみ方を求めるのも特徴です。

日本から台湾への旅行者はというと、人気旅行先ランキングでは台湾は海外部門で1位になることが多いです。相互に送客し合い、好意的な興味を持ち合う、理想的な関係が築けていると思います。

日本とは共通点も多い台湾からは学ぶ点もたくさんありました。印象的だったのは、台北101で購入したタピオカミルクティーのストローが紙ストローだったことです。マクドナルドやスターバックスなどの多くの飲食店が紙ストロー導入を発表しましたが、台湾でも使い捨てプラスチック製品の規制を強化していて、使い捨てのプラスチック製品全てを 2030年までに禁止すると発表しました。2019年7月から開始されている、使い捨てプラスチックストローの規制もその一環です。

台湾は日本と同じ島国ですが、島国にとって海は貴重な観光資源です。海洋プラスチックごみは世界でも問題になっていますが、観光に力を入れる島国として、未来を見据えて一歩先を歩き始めているのだと勉強になりました。脱プラスチックにおいて、世界から見ると、残念ながら日本の対応は遅れているので、この辺りの動きは見習わなければいけないと思います。

台湾は各方面においても進んでいました。例えば、レジ袋は有料でしたし、電車の切符はICトークンでした。レンタサイクルも普及していて、色々なところにレンタルステーションがあり、どこでもすぐに借りることができます。街中でも利用している人をたくさん見かけ、台湾人にとっては欠かせない生活基盤になっているようでした。

画像3

2012年にサービスを開始したYouBike。台北を中心として、桃園や新北などでも展開している、台湾最大規模のレンタサイクルサービス。


まとめ

台湾では空港や電車、カフェなど、FREE Wi-Fi設備が充実していて、とにかく旅行がしやすかったです。実はスマートフォンの所持数が約2,000万台で、Facebook IDの所持率も約1,500万人と世界で1番。そんなネット環境の整った台湾だからこそ、ネットの無い環境はストレスなのだと思います。実際に、訪日外国人が旅行中に困ったこととして「Wi-Fi整備」は上位にランクインすることが多いです。少しずつ改善されつつありますが、訪日外国人が快適な旅行ができるように環境を作るのも、日本のインバウンドの重要な課題です。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?