メダカを卵から育てる:その1.準備編【自分用メモ】
※見出し画像は現在飼育している「サファイア」という品種。背中が青みがかったキラキラして美しい人気品種の一つ。写真のブレはご容赦願う。
近年、メダカの飼育が盛んだ。
みなさんが想像するメダカはどんなものだろうか? 茶色で地味な小魚? ホームセンターとかで売ってる黄色や白いやつもいるよね~って感じ? 川で群れになって泳いでるのをイメージしたり、実際見たことある人は少なくなったかもしれない。
今回は自分が去年、失敗しまくったうえで一年育てたメダカ飼育に関するtipsをまとめておこうと思う。未来の自分が読んで、またやりたいなって思うような記事になるようにしたい。
てか書いているうちにすげー膨大な文章量になった。やべえ。ってわけで今回は飼う前にはじめる準備編です。
はじめに
メダカを飼育したい! そう思った人の動機は様々だと思うが、今だと「こんな綺麗な魚が簡単に飼えるのか」というところが大きいと思う。
改良メダカと呼ばれる、突然変異などで色がついたり、背中に光が乗っていたりするメダカは見目麗しく、ヤフオクなどで売られる写真は購買意欲をそそられる。
皆さんにはできるだけ失敗しないように案内したい。
まず、特定の品種を鑑賞目的で育てたくて、金に糸目をつけない人。
そういう人は通販ではなく、実際のメダカ販売店に赴いて、自分の気に入った個体を買うことをおすすめする。
水槽は特に「これじゃなければダメ!」というものはなく、さらにすでに成魚になっている個体はかなり頑強で、極端にひどい環境ではない限り死ぬこともそうそうない。
ネットで軽く調べた情報や、販売店に軽くアドバイスを聞いて実践する程度で問題なく飼育できるだろう。寿命だけはどうにもならんが。
また、自分の好きな品種、好きな柄に似た子供を累代できるという特大メリットもある。ぶっちゃけ卵から育てるよりこっちのほうが時間も金も最終的にはかからないかもしれない。こればかりは目的にもよるので断定はできないが。この記事の存在理由が怪しくなってきた。でも生体売ってるところ少ないし、通販は送料含めてめっちゃ高いのよね。
次に、私のように変わった品種のメダカを何種か育ててみたいものの、金はそんなにかけられないという人。そんな人におすすめなのはヤフオク等で卵を買って育てることだ。この記事の趣旨である。
ヤフオクで親魚の写真を確認し、本当にそんな個体が生まれ育つのかドキドキしながらポチる。ガチャだ。ガチャ以外のなんでもない。
対応は出品者によるし、どのように送ってくるのかもそのとおり。恐ろしい話だと思いませんか。楽しくなってきた。
それと前述の感じでわかると思うが、めちゃめちゃヤフオクを多用するのでアカウントを用意しておくように。
とにかく、この記事は卵から育てる方法について書き残していく。その1である。
良ければスキ!やシェア、コメントをくれるとテンションが上がって筆が早くなるかもしれないのでお願いします!
1.必須の道具を先にそろえる
この品種が飼いたい!と決まったら即ポチる前に(そもそも品種選ぶ前に)道具をそろえましょう。
今回紹介するのはあくまで卵からの飼育に必要な道具であり、鑑賞に必要な道具とは異なります。飼育するだけなら水槽らしい水槽はいりません。
必須なもの
・容器複数(孵化用のものと飼育用のもの)
・PSB(光合成細菌)
・餌(人工飼料)
・稚魚も掬える網、プラカップ、取っ手付き計量器的なやつ
・スポイト
・メチレンブルー(もしくはその代用品)
・一方コック、チューブ、ぶくぶくのストーンを組み合わせたもの。(可能であればチューブを通す吸盤も)
・セリアで売ってる黒いメダカ用ボウル
あれば便利なものは後述。
では一つづつ解説していく。
・容器複数(孵化用のものと飼育用のもの)
私は孵化用にイチゴパック(のようなもの)と、百均で買ったバケツ数個、そしてモノタロウで取り寄せたNVBOX#13と#22を使っている。もちろんもっと大きな容器を使ってもいい。
NVBOXとはなんぞや? と思われる方も多いと思うが、検索すれば一発ででるのでそれを参考にしてほしい。
NVBOXでの飼育は長期間外に置いておく想定なので半透明より青や黒のほうが劣化しづらいらしい。
完全室内飼育でいくならNVBOXでは幅が大きいと思うので、水槽を用意してもらうか、最悪適当に百均でタッパーみたいなのを選ぶでも良い。
でも覚えててほしいのは水面が広ければ広いほど、水中に溶け込む酸素の量が多くなるってことだ。酸欠には注意したい。水草放り込んだり、ぶくぶく入れるなら別だけど。
まーメダカは酸欠に強いのでそこまで神経質にならんでもいい。
バケツは複数用意したい。水替えや一時避難なんかにも使うし、ぶっちゃけ今私の環境だとほとんど全てのメダカをバケツで飼育している。楽。
自分が使っているのは色々調べたけどキャンドゥで売ってる茶色いやつ。金属が使われておらず、取っ手の部分も丈夫でそうそう壊れない。
公式ページになぜか写真がなかったのでツイッターで使っている人のツイートを引用する。このバケツ、マジで人気で結構品薄になりがち。
なお容器は買ったら使う前に絶対に中性洗剤で洗うこと。油(ロウ)や薬剤を落とさないと、そのせいでメダカが死ぬことがある。
いいか? 忘れずに洗えよ! 絶対だぞ!(自戒)
・PSB(嫌気性光合成細菌)
ナニソレ? って人向けに軽く説明する。
PSBは主に水質浄化作用のある微生物として売られているものだ。赤茶色の液体で、一応ホームセンターやペットショップでも売られているが、今回の目的にそぐわないのでそれは買わないでいただきたい。
ヤフオクで「和香 PSB」で検索をかけて出てきたやつが、私の使っている大本のものだ。
PSBで調べたとき「増やしてPSB」というアイテムが目に入った人もいると思う。そう、PSBはタネ菌があれば増やすことが可能だ。やり方は後述するが、ホームセンター等で売ってるものは増やすのが激ムズ&もったいないので勧めないのだ。
上記理由で自分で増やしたPSBを販売している人は多い。玉石混交なので、その筋では信頼のある「和香」さんのを勧める。
で、このPSB。水質の浄化作用がある。餌の食べ残しやフンを分解してくれる。その上、PSBそのものがメダカの栄養源となり、餓死を防いでくれる。
メダカの死因のトップは餓死だという話もあるのだ。(個人的には水質悪化だと思うが)
とにかくこれがあるだけで孵化直後から幼魚までの死亡率が下がり、育成難易度も劇的に下がるので絶対に用意してほしい。
他の人はこのPSBを「あれば便利」もしくは「あってもなくても良い」くらいに考えている場合があるが、卵から育成するのには必須だと私は思っている。
あと嫌気性細菌なのでなるべくはやく使い切るか、小分けにして空気を抜いたペットボトルに入れておくのをお勧めする。
それと今回必須には入れず、あれば便利枠にいれたミドリムシだが、彼らの餌としてもPSBは使える。どうなってんねんPSB。万能か?
あと今回おすすめはしないけど幼魚用の生エサとしてちょっと人気のあるゾウリムシの餌にもなるし、ミジンコにも良い。
とにかく最低1リットルくらい買って、半分はPSBの自家増殖してもらい、安定したメダカ飼育を楽しんでほしい。マジで。
ただ欠点がある。
くっっっっっっっせえ!!! ウォェッ!!
・餌(人工飼料)
メダカの餌は百均でも売っているが、稚魚・幼魚には非常に不向きである。あとホムセンやペットショップで売ってるやたら安い餌はおすすめしない。
おすすめできる餌は「ライズ1号」「キョーリン メダカの舞ベビー」。
「ライズ」は日清丸紅飼料から出ている業務用・プロ向けの配合飼料で、その中の1号は稚魚用に分類される粉末。
「キョーリン メダカの舞シリーズ」は一般販売されているメダカの餌の中では高級の部類で、「ひかり菌」が配合されているのが特徴だ。
「ライズ」は普通に買おうとするとキロでしか買えない。一般家庭ではそんな量とてもじゃないが使い切れないので、ヤフオクで小分けにして転売されているものを買おう。
似たもので「おとひめB2」というものもあるが私は使ったことがない。そちらも業務用のものだ。どちらも評判の飼料で、ライズを使っているが確かにその辺の餌より食いが良い気がする。
メダカの舞もyoutubeで調べた限り評判が良い。が、ひかり菌がどこまで作用しているのかなどはわからず、もはやおまじないだと思ってたまに使っている。
メダカの餌は成長段階に合わせて使い分けたほうが良いと書いてあったりするが、ぶっちゃけ私はこのベビー用だけで全然飼育できているので眉唾。ただ、食い残しがあってもなくても水を汚しやすい気がする。
・稚魚も掬える網、プラカップ、取っ手付き計量器的なやつ
孵化したばかりの稚魚は針子と呼ばれ、もうマジで針の先くらいの何かいるな? くらいの大きさである。もちろんその状態のメダカを網で掬うことはまずない、というかやったら死なせてしまう。
極論を言えば針子サイズから稚魚・幼魚までは水替えもしないほうがいいのだが、そうも言ってられなかったりすることがあるので、そういった際に使うのがプラカップや取っ手付きの計量器だ。それで周りの水ごと掬ってしまう。
稚魚も掬える網はホムセンや通販で手に入るのでそれを買ってほしい。メダカ用ってなってると思う。通常の金魚向けなどで売られているものより網目が圧倒的に細かいため、メダカを傷つけることなく掬えるだろう。
いいか、稚魚だぞ。針子はだめだぞ。
・スポイト
メダカを飼育している最中、スポイトはよく使われる道具だ。
与えすぎて沈んだ餌の回収。水カビにやられた卵の回収。死んでしまった針子の回収。なんなら針子の移動に使ったりする(使うな)。
アマゾンやほか通販で大きめのスポイトを買っておくことをお勧めする。安いもので良い。
ただ飼育に使ったものを太陽光に晒しっぱなしにすると、中で藻が生えたりするので注意すること。
・メチレンブルー(もしくはその代用品)
薬である。その名の通り真っ青な液状の薬。
主に生体の白点病、水カビ病の治療に薬浴させて使われるものだが、メダカの場合めったに病気になることがない気がするのでそっちの目的で使った ことはない。
じゃあ何で使うかといえば「卵の保護」のためである。
メダカの卵はひっじょ~~~~~~~~にカビやすく、カビの生えた卵はそのまま死んでしまう。
水道水にうっすら色づく程度に薄めたメチレンブルーの薬液(2リットルに1滴とかそんなもん)に卵を入れて、そもそも水カビが生えるのを防ぐのがこの薬の役割。
問題点は売ってないこと。って書こうとしたら再出荷されてた。
材料の輸入だったか何かの問題で、一時期マジで各メーカーから出荷が止まってた。
私が使ってるのは【GEXのグリーンFリキッド】。
なお、薬液につけた卵から針子が孵ってもそのままでOKだが、PSBはたぶん死ぬのであらかた卵が孵ったら次に紹介する道具を使って水替えをしてほしい。
・一方コック、チューブ、ぶくぶくのストーンを組み合わせたもの。(可能であればチューブを通す吸盤も)
この道具の名前は知らないが、主に水替えや足し水の際に使われるもの。
サイフォンの原理を使って、点滴のようにやさしくゆっくりと注水することができる。
使い方はバケツなどに新しい水を用意し(カルキ抜きして、注水先と同じ環境、室内や野外にしばらーく置いて温度を合わせたもの)の中にいったん全部沈めて空気を抜き、コックをしめたあとコックだけバケツの外に出す。
ストーンは水中に入れた状態でバケツの水面より下にコックがある状態でコックを開けるとチューブを通り水がバケツより上がってだーっと流れる。そういうもの。詳しくはサイフォンの原理を調べてくれ。
コックの締め具合を調整して水が「ポタッ、ポタッ」くらいにしたら、それを注水先に垂らす。吸盤があると便利。
特に針子、稚魚は温度変化や水質変化に弱いため(人間の子供と一緒)、こうやって優しく注水する必要がある。
ある程度(1.5cmくらい)まで育てば、温度さえ合わせればだいたい大丈夫なので水ドバーでも良し。
・セリアで売ってる黒いメダカ用ボウル
セリアで売ってるものじゃなくてもいいけど、セリアのメダカ用黒ボウルはマジであると便利なのでお勧めする。見出し画像の撮影にも使った。
バケツの水替え時など、一時的に避難させて、そのあとそのまま新しい水に浮かべて温度合わせにも使える。
以上が絶対にメダカの卵を買う前に揃えてほしいものである。
次は「まぁあったら便利かな?」くらいのものを紹介する。
あれば便利
・グリーンウォーターの素(ミドリムシ)
・カルキ抜き
・ぶくぶく
・水温計とヒーター
・セリアで売ってるメダカ用産卵床
・観賞用水槽
・グリーンウォーターの素(ミドリムシ)
グリーンウォーターと呼ばれるもの。金魚の飼育水槽で緑色の水の中で育ててるのを見たことがある人もいるかもしれない。アレ。
植物プランクトンが大量にいる状態の水のことである。
これは野外飼育なら風にのって運ばれてきたプランクトンがメダカの飼育容器内で勝手に繁殖する場合もある。
グリーンウォーターはPSB同様、水質浄化やメダカの餌としての役割があり、あればさらに育成難易度が減る。なんなら人によっては最強のアイテムと謳っている。ただしPSBがあること前提な!と個人的には思う。
ミドリムシの繁殖したグリーンウォーターもヤフオクで売ってたりするので、それを種に増やすのがおすすめ。
野外で勝手にグリーンウォーターになったものの中には、「藻」があったりする。藻はそれに稚魚が絡まって死ぬときがあるのでやばいと思ってほしい。藻だけは許さん。
・カルキ抜き
基本的にメダカの飼育に使う水はバケツに汲み置きした水道水だ。浄水である必要はない。浄水のほうが楽だけど。
バケツに水を汲み置き、それを日光に当てておくことで紫外線の働きで水中のカルキ(塩素を含んだ成分)が抜けるので、特別カルキ抜きは必要ないのだが、急に水が必要になることもあるだろう。
ぶっちゃけ浄水器があればだいたいそこでカルキが抜けてるのでそれ使ったらええやんって話にもなっちゃうのだが、ともかく急ぎでカルキ抜きしたい時に使うものだ。
てかカルキがあると何が悪いの?って話だが、第一に針子、稚魚のエラにダメージが行って弱る(最悪死ぬ)ことがある。
第二にメダカの飼育水のなかにいるバクテリア群にダメージを与えてしまう。バクテリア群は水質浄化サイクルに一役買っているのでそれを壊滅させてしまうのはなるべく避けたいところだ。
ちなみにPSBは水道水のカルキで死なない。なんなんだこいつは。
・ぶくぶく
説明不要。ぶくぶくです。水中に酸素と水流を供給します。夏場の高温期だともしかすると必要かもしれませんが、メダカは基本的に酸欠に強い生物なのでやっぱりいらないかもしれません。
それより口の広い容器で飼育しているかどうかかなと思います。
・セリアで売ってるメダカ用産卵床
もしあなたがメダカを飼育していて、卵を採取してもっと増やしたい! と思ったらおすすめなのがコレ。百均でしょ? ってバカになんて全くできない叡智の結晶。素晴らしい商品。
・水温計とヒーター
もしあなたが室内飼育していて、寒い間も採卵したい! と思っているなら必要なのがこの二つ。
私は冬の間は餌すら与えずたまに水を足すだけだったので使ってないです。
・観賞用水槽
一応書いたけど、書くまでもなかった。
以上!
いや長いわ!!!!
よくここまで読んでくれた。マジでありがとう。書くほうも大変だった。最後のほう投槍になってるのは勘弁してほしい。
ともかく、これで卵からメダカを飼育する道具がそろった。
次回はヤフオクで卵を入手する流れの解説になると思う。
なるべく簡潔に書きたい気持ちと、楽しく読んでほしい気持ちがある。
どうしよ。。。
How to 卵からメダカを飼育する方法 次回以降は
2.卵入手の流れ
3.卵ふ化の流れ
4.飼育の流れ
5.繁殖の流れ ※卵の採取と判断、糸の除去
6.越冬の流れ
7.最後に心構えを
こんな感じになると思うのでよろしく。ではまた次回
書き忘れた。
良ければぜひスキ!やシェア、コメントを残していただけるとテンションが上がります! よろしくお願いします!
追記:PSBの増やし方
youtubeで「PSB 増やし方」で検索かけたほうが早いが、ざっくり文字でまとめる
1.ペットボトルの1/5くらいまでPSBを入れる。
2.1リットルあたり4錠ほどエビオス錠を入れる。
3.水道水(飼育水はダメ)をめいっぱいまで注ぐ。
4.空気が入らないようにすこしペットボトルを抑えながら蓋を閉める。
5.よく振ってエビオス錠を溶かす。
6.ひなたに置いて一日一回くらい振ってやる。
以上。
日差しの強さによって培養速度は違うが、元になったPSBと同じくらいの色になったら完成。
youtubeの【B型おやじ】さんのチャンネルで詳しく紹介しているので参考にリンクを貼っておきます。
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