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褒められた時のリアクションが下手くそ

子を連れて駅のエレベーターに乗った時、親子(ひょっとしてお姑さんとお嫁さんかも分からないけど)と思しき女性二人と一緒になった。何と無く視線を感じて、お母さんが娘さんに何か言っていた。エレベーターに乗るとたまにある、子を見て「かわいいですね」と言ってくれるパターンかしらとぼんやり思っていると娘さんが私に「お母さんきれいな髪の色ね」と言ってくださった。自分に対しての言葉が来ると思っていなかった私は驚いてしまい、とりあえず「ありがとうございます」と返した。続けて「色んな色が入ってるのね」と言われたのだけど、「そうなんです〜」と曖昧な返事をするだけで何も気の利いた事を言えなかった。

私の髪は一度美容室でブリーチとカラーをした髪にカラートリートメントで色を入れていて、今は青っぽい色の中にところどころ紫が入っている。青と言っても原色みたいな鮮やかな色ではないし徐々に色落ちしてくるので今は青みがかったグレーっぽい色だけど。めちゃくちゃ派手ではないけど、まあまあ派手な色だとは思う。年配の方に髪の色を褒められた事が自分としては結構意外で、しかしそういう風に思う自分の方こそ了見が狭いのかもなぁと思った。職場の規定とかそういう縛りが無いのをいい事に好き勝手しながらも、心の何処かでは「子供がいるのにあんな派手な髪して」とか思われていたりするのではないか、とかたまに思っている。まぁそう思う人も中には居るかもしれないし、それ以前にみんなそんなに他人の外見に興味無いと思うので甚だ自意識過剰だとは思うのだけど。

話が逸れたけど、私は自分の何かを褒められた時のリアクションが非常に下手くそだ。実はこの間預け先の先生たちにも髪の色を褒められたのだけど、その時もあんまり上手く返せなかった気がする。
勿論褒められた事に対してお礼は述べるし訊かれた事には答えるのだけど、後になって思い返すと何だか上辺だけの返事をしてしまったような気がしてしまうし、社交辞令も入っているにしてもスルーせず触れてくれたという事は興味を持ってくれているという事だと思うので、もっと話題を広げれば良かったな、などと思った。こんな風に考えるのも自意識過剰なのかもしれないけれど。

ちなみに大好きなヤマシタトモコ先生の「裸で外には出られない」というファッションに関するエッセイ漫画で、この「褒められた時の反応の正解が分からない」というテーマの回があって、私はめちゃくちゃ頷きながら読んだ。
服や持ち物を褒められた時って、「褒められたのは自分というより物なのでは?」と思ってしまって返す言葉に困ったり、あんまり謙遜し過ぎても褒めてくれた相手の言葉を否定するような形になってしまうし…と気になったりしてしまう。

そんな風に色々考えてしまうけど、勿論褒めて貰えるのってとても嬉しい。自分がいいと思っているものや好きなものを肯定して貰えるという事だから。そして、人に対して褒められる人って素敵だなとも思う。私は褒められた時のリアクションが下手であると同時に、人を褒めるのも多分あまり上手ではない。何だかいまいち良い言葉を言えないなと感じたり、それどころか「私なんかに褒められても嬉しくないのでは…」と黙ってしまったりする事が多い。

どちらも下手くそだけど、なるべく人の事を素直に褒められて、自分が褒められた時は素直に受け止められる人間で居たいなぁと思う。


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