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私に貼られるラベルは何枚

旦那が唐突に、「女子力って言葉はあるけど、ママ力って言葉は聞かないよね」と言った。

確かに、あんまり聞かないかも、と思った。
女子力も最近は言うのかどうか知らないし、かなり使う人の匙加減でニュアンスが揺らぐ言葉だよなあとは思うけど。
そこで何でかな、と少し考えた。
料理がすごく上手なママとか家事が完璧なママは沢山いると思うけど(私は残念ながら違う)、“母親が料理や家事をするのは当たり前、上手だからと言ってその能力の高さを評価する言葉は特に必要無い”という考え方が根底にあるのでは、と思った。

勿論母親、特に私のように専業主婦なら尚更、家事や育児が“仕事”なのは全くその通りで、やるのが当然と言うのも全くその通りだとは思う。
けれど“仕事”の割にはその労力を正当に評価され辛い事も多い気がする。
母親あるいは主婦が家事育児をするのが当たり前というのが考えのベースにあるために、仮にママ力みたいな言葉を打ち出してもあまりセンセーショナルなものにならないという面もひょっとしてあるのかもしれない。一時「イクメン」なんて言葉が流行った(流行ったのかは知らないけど)のも、そういう事なんじゃないだろうか。男性も育児をする事が当たり前なら、そんな言葉は使われない気がする。
(ちなみにママ力というワードを検索してみたら、タイトルにこの言葉が入った本が出てきたが、どうも自己啓発本的なものみたいで私が想像したママ力とはちょっと違った)

こんな事を考えたものの、別に私はママ力的な言葉を流行らせて欲しい訳でも何でもなくて、旦那に言われてそういえば何でかな、と考えただけだ。
旦那は「まあ俺はイクメンとか〇〇系女子とかああいう言葉死ぬほど嫌いだけどな 笑」と言っていた。
私も死ぬほどではないけど、まああまり好きではないかも。
単純な職業や肩書き以外の、人を何かに分類する言葉って分かりやすく目に留まりやすいものも多いけどちょっと危険だなと思う事もある。
仮にその分類に当て嵌まっていたとしても、ひとりひとりは違う人間なのにあたかも全員が「こういう人間だ」と一括りにされかねないからだ。例えある特徴にその9割の人が該当していても、残り1割の人はそうではない事もあるのに。
SNSという、そうした誤解を瞬時に拡散してしまうものがあるから余計に危ないなあと思う。自分自身も、表面だけを見て決めつけないように気を付けたいなと思う。

ちなみに私が死ぬほど嫌いだなと思った言葉は「子連れ様」って表現。こんなに皮肉の籠もった嫌な言葉ある?
(世の中には本当に周りの迷惑を顧みない子供連れの人も存在するであろう事も分かってはいるけど、こうして自分と立場の違う人にやな感じのラベルを貼っつけて理解しようとしない事ほど無益な事は無いと思うのです)

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