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天地真理「レイン・ステーション」の話

白雪の姫

むかしむかしあるところに、白雪姫とも呼ばれた天地真理というそれはそれは美しい国民的アイドルがいました。
1972年度にはオリコン年間アルバムチャートで1位を獲得しました。
時は流れ、天地真理は元国民的アイドルなってしまいました。
バラエティ番組でふっくらとしてしまった容姿をからかわれたりデフォルメされた歌まねをされたり決して良いとは言えない待遇の中、それでも笑顔を絶やさいその姿はかえって視聴者を辛くさせましたとさ。

おしまい

セピア色の偶像

半世紀前の昔話でした。
僕の知っている天地真理は元国民的アイドルになってからの天地真理で見るのが辛い存在になっていました。
人気絶頂のときの映像を見る機会もありましたが、その白雪姫にも当時の僕は魅力を感じとることが出来なかったので、今後自ら天地真理の作品に触れることなどないと思っていましたとさ。

つづく

黄金の二人

ところが、好きな作家が誰に曲を書いたか簡単に調べられるようになり、またアルバムの中の一曲でさえも手軽に聴けるようになった現代。
作詞松本隆、作曲筒美京平の黄金コンビの作品で太田裕美等にもカバーされたことのある隠れた名曲があるとなれば聴かないわけにはいけません。

それがこの曲。


レイン・ステーション
天地真理
作詞:松本隆 作曲:筒美京平 編曲:林哲司
9thアルバム「小さな人生」(1975/12/21)に収録


黒が似合う女

まずはアートワーク。
そこには笑顔の白雪姫ではなく、少し悲しげな、でもしっかり前を向いたモダンな黒のジャケットできめた女性がいました。
その僕の中の(勝手な)天地真理とはあまりに違う表情に姿にすぐに惹かれてしまいました。

そして曲自体も黄金コンビに編曲が林哲司と、80年代以降ではありえないだろう豪華なトリオで悪いものができる訳がありません。
透明感のある天地真理のファルセットによく似合う、それはそれは上質なシティポップになったとさ。

めでたしめでたし

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