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高齢者の認知機能と感情問題

今朝、XではおなじみのMay_Roma めいろまさんこと谷本真由美さんが、高齢者の認知機能問題を鋭く分析されていました。

一昔前は、年寄りは子供返りするから、子供みたいな振る舞いをする。
そんな言葉として、語られていましたね。
核家族が増えたり、高齢者が活発に社会に出る時代になり。
子供返りするのは当然だから、仕方無いね。
そんな悠長な事を言えない事が多くなって来て、SNSで取りあげられる様になって来たのでは無いでしょうか。

実際、先日noteに書いたこちらの父の振るまいは、上記動画の男性を酷くした状態と言えると思われます。
耳も遠くなり、補聴器をつけていても、聞こえ難い状態ですので余計に僻みっぽくなり不平不満が爆発しているのが現状です。

要するに、感情が制御出来なくなって来ているのです。

実家は、祖父母同居の家庭でしたので、ピンピンコロリンした祖父は別として。長生きして、認知機能問題と難聴を抱えた祖母を見ていた関係で。
「遂に、父にも来たか」
これが、正直な私の感想でした。

しかし、ここで父は祖母の時と違う事に気がついたのです。
祖母は小柄で、自転車と公共交通機関を使って移動していた人でしたから。痴呆になっても、叫んで家族を困らせても大変でしたが世間様に迷惑を掛けるという所までは無かったように思います。

しかし、父は会社役員で定年無しでバリバリに働いてきた人で、自分に自信もあり、体も未だに鍛えている。いわゆる元々声の大きい人種です。

数年前から難聴になり、さすがに仕事に差し障りが出て引退。
ただ、体は丈夫で毎日1時間半程度の汗が滲む早足ウォーキング。
帰宅すれば、昔趣味だったバーベルを、ダンベルに持ち替えて筋トレ。
ですから、体は現役世代よりも丈夫かも知れないという状態。

しかし、寄る年波に勝てないのでしょう。
少し前から、コロナワクチンの接種票や、菩提寺からのお知らせ等。
多少込み合った事情が書かれた文章を、読む事が出来なくなりました。
日本語として、読み上げる事は出来るが理解は出来ないという状態。

幻聴なのか、耳鳴りなのか。難聴で、会話もままならないのに・・・。
お隣のエアコンの音がうるさいと、お隣に怒鳴り込む。
裏のお宅が建て替えて、その建築現場の音がうるさすぎると説教に行き。
家に面した駐車場の車の止め方が、気に入らないとクレームを入れる。

どうも、ここ数年怪しい行動が増えて来ました。

その上、母が少し咎める様な事を言うと、切れる、怒鳴る。
そういう状態になりました。

咎めるといっても
「昨日言って置いた〇〇、やっておいてくれたかしら」
などと聞くだけでも
「俺が忘れると思ってるのか、ばかにしやがって」
怒鳴る、気に入らないと部屋に戻っていく。こんな感じ。
何を言っても、気に入らないらしく母が疲弊し始めました。

主治医にも、耳が遠い上に話が通じないので
「奥様とご一緒に受診してください」と一人での受診を断られる始末。

しかし、今の高齢者は「これは昔から言われる、高齢者の子供返りで認知機能の低下では無い。普通だ」という認識しか無いのが怖い所です。

そんな中、半年前のこと怖い事に気がつきます。
帰省した際に、父が運転する車の助手席に乗り冷や汗をかきました。

最近多い、高齢者運転の事故。
ブレーキとアクセルの踏み間違い、パニックになって操作ミス等。
軽微な所では、ブレーキを踏むのが遅くて事故を起こす。

まさに、父の運転も相当危なかったのです。

父も、65歳くらいから毎年の様に自損事故や、相手(車)のある事故を起こす様になりました。それでも、何度も車を買い換えても免許返納を考えない。そんな恐ろしい状態になっています。

地方都市では、車が無いと生活しにくい。
これが一番の問題なのですが、何よりも母は運転免許を持っていないので足が無いと困る。公共交通機関では不便。
娘(妹)や、孫達が、都合良く父の運転を宛てにして生活している。
これも大きな問題なのです。

特に妹は、勤務先の異動により新幹線通勤を強いられており。
公共交通機関を使うと、早朝に家を出ないとならない為。毎日、父の送迎を受けて最寄りの駅まで移動し通勤しています。彼女は車は持っていますが、駅前に駐める場所も確保出来ませんし。便利なのでしょう。

ですから、遠く離れて暮らしている私や。
少し距離を置いて状況を見られる身内が、そろそろ免許返納を。
そう言っていますが、本人はその気は全く無い様です。

そんな中での、先日の免許更新時のお話。
後期高齢者の認知機能テストでの一幕をお話して、この記事を終えようと思うのですが。
警察の実施している認知機能テストは、本当に機能しているのかと思う出来事がありました。

ある日。母より電話があり、父が焦っているというのです。

父より数ヶ月誕生日の早い同級生が
「なあ、Mさん。認知テスト難しいぞ、ネットに試験問題が出てるらから子供さんに印刷して貰って必死に勉強した方がいい」
そう告げられたと言うのです。

こんな面倒な事を頼まれてやるのは、私くらいなので。
渋々、ネットを検索してみると。なんと警察庁が試験問題を公開しているのですね。正直驚きでした。内容を見たい方はこちら

これって、カンニング上等って言ってる様に思えました。
もしかすると、事前に試験問題を見てでも覚えられる人は認知機能は低下していないという判断かも知れません。
まあ、そう言うことなら頼まれてやろうかと印刷してレターパックで実家に試験問題を送付しました。

しかし・・・。
試験問題を手にした父の発言に、私は驚く事になります。
試験問題と、試験の方法が書かれた紙があり。
試験方法の説明の紙を見た父は「これはどういう意味だ!分からねえ!」と怒鳴りまくる。要するに日本語は読めても、認知出来ない状態になっていた。ということです。

仕方無く、説明を母が読み、父に説明しました。
簡単に言うと、幾つかの絵が並んでおり。それを決められた時間内に記憶し、絵を見ないで何が書かれていたか答えるという物です。

母の説明内容も、理解が不十分らしく
「分からねえ、この絵を覚えればいいのか!」
キレッキレで大声を挙げる。

その後、絵を見ても何が書かれているのかすら認知出来ず。
「おい、これは何の絵だ」
母に分からない物を聞き、鉛筆で名前を書いて朝から晩まで暗記していたようです。1ヶ月半程掛けて、何とか暗記出来たらしく。試験場では、満点に近い成績で試験官に褒められたとか。
※絵は単純な物で、りんご、ぶどう、などですが見ても分からなかったようです。

現在は、無事免許更新が出来。自信を持って運転し続けているという状態。
ただ、一言言わせて貰えるとしたら・・・。
絵を見て何が書かれているのか認知出来ない。
1ヶ月掛けて、何とか覚えられる。
これが、果たして認知機能が低下しておらず運転が安全に出来る。
と言う状態であるのか、これは甚だ疑問に思うのです。

誰もが、行く道ではあるものの。
いつまでも、自分は若いつもり。
頭がしっかりしているつもり。
では、困るのです。

父の様に、現役時代はそれなりの立場で働いていた人を納得させるのはとても難しい様に感じます。娘としては、問題を起こす前に運転を辞めさせたいのですが。いざ、高齢者を親に持つ身になると頭を抱える状態が次々と起きます。

せめて、運転免許更新時の認知機能試験は額面通り。
試験問題を前もって見られない状態で行ってくれれば、高齢者の認知機能が絡む交通事故も少しは減るのでは無いかと思い書き散らしてみました。
長々とお付き合い戴き、ありがとうございました。