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初北海道2日目 1989年7月25日-⑥ 網走〜サロマ湖

網走湖と能取湖に挟まれたR238号線をサロマ湖に向けて走る。網走という街には刑務所しかないのかと思っていたらこんなに大きな湖があってとても驚いた。ただ水があまりきれいではなかったのが残念。能取湖は水も青く輝きとても印象が良く、明日のルートでちょっと寄ってみようかなと走りながら考える。

道は常呂の市街地に入ってきた。もう間もなくサロマ湖が見えてくるはずだ。時間は16時。そうだ、そろそろ今日の宿を決めなきゃと思い、電話ボックスを見つけ目星をつけていたサロマ湖東急リゾートに電話をかけ予約完了。前日の虫虫ホテルで大量に発生した虫に悩まされた夜を反省して、宿についてはケチらないことに決めた。

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サロマ湖は海だった。ただただデカかった。さすがはニッポンで三番目の大きさを誇るだけある。対岸なんか全然見えない。せっかくの夕方だ。このバカでかい湖を一望できるらしい幌岩山展望台から夕日を眺めよう!このチャンスを逃したらいけない!!地図を見ると展望台入口までおよそ10キロ。僕はジェミニのアクセルを踏み込んだ。

その案内板は見つけられたくないのかと疑ってしまうくらい控えめ過ぎる小さいサイズだった。左に曲がると幌岩山展望台。左折してほどなく始まったダートの山道を急ぐ。なるほど知床林道は確かに整備された林道だったってことが、この幌岩山林道を走ると理解できた。子供の頭ほどの大きさの岩も転がっていて、走りにくいことこの上ない。しかも夕闇迫る林の中で薄暗くヒグマ出没の看板もあって心細さが急上昇だ。ただ引き返すためのスペースもないのでひたすら前に進んだ。

だから少し道幅の広がった場所に1台の車が停まっているのが見えた時の安堵感。車の中で「良かった〜!人いるじゃん!」と思わず呟いてしまった。

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多分あの車が停まっていなかったら、僕は展望台まで歩いていかなかったと自信を持って言える。車の中でも心細かった自分が、薄暗い山道を歩いて行けたとは思えない。あの車の運転手さんには本当に感謝だ。そのおかげであの最高の景色を見ることができたんだから。

車を停めた場所から約10分。

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今にも壊れそうな年季の入った展望台から見えたサロマ湖は、本当に地図で見る形通りで眼下に広がっていた。そして西には今まさに落ちはじめている夕日が湖面を鮮やかに照らしている。しつこいけど心細さをガマンして登ってきた人だけが味わえる絶景だ。

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幌岩山展望台。大好きな場所になった。

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