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おじいちゃんとおかしなおかしな家(西美音)


いつもの喫茶ドロシーで読みました

「おかしの家」ではなく、「おかしな家」です。お菓子の家は、おじいちゃんではなく、お婆さんの担当ですよ(違うって)。
おじいちゃんは魔法は使わないけれど、大工としての腕をふるうと不思議で面白いものができてしまう。ただし不器用なのか、何を作ったのかわからないものができあがる。イモかと思ったら鯉だったり。
仕上げの下手な左甚五郎みたいな人ですな。

この本には何度も予想を裏切られました。そして、そのたびに笑わされました。
ええ、そう来るか!?
おお、そっちだったのか!?

こういうのを、ぶっ飛んだストーリーというのでしょうか。
エンタテインメントとしては、これくらい箍が外れていても、というよりは箍を外してもいいんだなあ。
ぼくが福島正実SF童話賞の選評でいただいた、パンチの不足というのは、こういうことかと感じます。

なお、作者の西美音さんは、第26回福島正実SF童話賞で大賞を受賞された方。
う~ん、先輩から「面白いお話とはこう書くのさ」とお手本を見せていただいた気分ですね。