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フィギュアスケートはじめました #12 冬休み特別教室

 神宮のLINEアカウントから「冬休み特別教室」のお知らせが来ました。2日間の初心者向けの教室です。本当はスクールに入る前に通うべき教室ですが、2019年の冬は存在を知らず、その後存在を知ったのですがコロナ禍で教室が開催されず……といった状態でした。いかんせん「友達の家の近くの川の上」で「伯母のおさがりのスケート靴」で「なんとなく」滑っていた私です。そもそも何が初心者向けなのかは理解できていません。すぐに申し込みました。
 そして、前日の夜に、スクールに通っている人は本来この教室に申し込めないことを知りました。なぜ申し込めたんだろう……と思いつつ、ダメだと言われたら帰ろうと思って神宮に向かいました。
 当日は受付にいらっしゃった方に正直に事情を話しましたがNGにはならなかったので(おそらくその裁量権もなかったのかもしれません。本当に申し訳ないです)靴を履き替えて集合場所に向かいました。
 冬休み特別教室はラジオ体操から始まりました。特別教室を担当される先生たちがリンクでラジオ体操をしていたのですが……このなかにオリンピアンが何人いらっしゃるの!? とびっくりしました。
 高校生以上のクラスを担当している先生は3人いらっしゃいました。そのうちの1人の先生は、私の記憶が確かであれば、赤坂サカスのリンクがあった頃に大人向けの無料レッスンを受けたことがある先生でした。あのときはじめてきちんとスケートを習って、楽しいなぁと思ったことも、神宮のスクールに申し込んだきっかけになったのでした。

 冬休み特別教室は、手すりにつかまり、勢いをつけて手を放す練習から始まりました。いままで止まり方を意識したことはなかったのですが(こどものときは混んでいるリンクで滑ったことがなかった&いま通っているスクールの課題は難しくて止まってしまうため)、ハの字ストップも教えていただきました。これで激混みの一般滑走で「こわいな」と思っても止まれるようになる……はずです。すべてが新鮮で、楽しかったです。このレッスンを土日祝日にやっていただけたら、リンクのなかで手すりにつかまって移動している人が楽しめるのに、とも思いました。なので申し込んでしまってごめんなさいとも思いました。神宮にはサブリンクがないので、自立して滑ることができない人がつかまれる手すりが少ないのです。
 一方、初歩的なことから始まった練習は、さりげなく難易度が上がっていきました。ひょうたんで前進しましょう、となったときに、ものすごく上手な子がいたので、休憩時間に話しかけてみました。大学の集中講義で野辺山に4日間行って、みっちり練習したとのことでした。うらやましい……!
 彼女以外にも、私より上手な人は数名いらっしゃいました。この人たちがスクールに通ったら稼げるでしょうに……。平日の夜に一日だけでも社会人向けのスクールがあればいいのに。毎週通うのは難しくても、たとえば隔週だったら通える人もいるだろうに。とも思いましたが、すべてはリンクが増えないことには難しいことでした。そもそも場所がありません。

 2日間の冬休み特別教室は、いろいろなことを少しずつ体験させる方針だったのでしょうか、バックで滑ったり、スリーターンやスピンの練習もありました(私はほぼ回れませんでした)。先生方のサイドバイサイドのデモンストレーション、何気ないポジションの美しさ、フリーレッグの美しさ。冬休み特別教室と、週一回のスクールの、いちばん大きな違いは「美しさとは何か」ということだったように思います。
 冬休み特別教室の目的は、スケートを楽しんでいただくことだと感じましたが、週一回のスクールの目的は、「滑れるようになること」ではなく「美しく滑れるようになること」なのかな、と強く思うようになりました。もちろん意識しただけでできるようになるようなものではないのですが。でも、数年かけて私がいま通っているスクールのみなさんと同じように滑れるようになったときに、美しくあることを意識していたかどうかで、美しさを身につけられるようになるのかなぁ。
 

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