インドの俳優さんたち(男性編) atクラハ[20211113]
※clubhouseでの発表用メモの加筆修正です。
※広瀬公巳さん主催のclubhouseのroomで発表しました。clubhouseでもらったコメントも追記しています。
※記述内容の誤りや著作権的な問題がありましたらツイッターのDMまでお知らせください。
今回のテーマは”インドの俳優さん”主に南!ご贔屓をご贔屓のままに紹介していますので、どうか悪しからず(笑)。それぞれの俳優さんについてより詳細な情報を知りたい方は是非ググってください。また、発表時からまとめまでの間にやや時間が経っていますが、当時のメモをベースにしています(一部追記あり)。
インド映画カテゴリ
○○ウッドとは?
ハリウッドの「ウッド」に由来し、南と北の地域と言語からそれぞれの地域によって○○ウッドと呼ばれています。言語だけではなく各地域ごとに作風にも違いがあり、特に南インドは土着の風習がより色濃く反映されているのが特徴で、またそれが評価が高まってきている理由の一つです。
北インド
ボリウッド=ヒンディー語『きっと、うまくいく』『パッドマン』
南インド
トリウッド=テルグ語『マッキー』『バーフバリ1・2』
コリウッド=タミル語『ムトゥ、踊るマハラジャ』『囚人ディリ』
モリウッド=マラヤーラム語『ウスタード・ホテル』『グレート・インディアン・キッチン』
サンダルウッド=カンナダ語『ベルボトム』
テルグ映画・トリウッド
プラバース
1979年10月23日(生) チェンナイ出身
内気な性格だったため俳優になるつもりはなく、食べることが好きなのでホテルで働くつもりだった。レストランにいたところをスカウトされて映画界へ。実はRebel Starクリシュナン・ラージュの甥っ子だったことがわかり、Young Rebel Starと呼ばれるようになる。また愛らしさを称えてDarlingの愛称も。
デビューは2002年『Eeswar』、2015年『バーフバリ 伝説誕生』、2017年『バーフバリ 王の凱旋』が公開され、世界中で大ヒット(日本公開はともに2017年)。この作品は4年間の撮影期間だったが、その間は他の作品をすべて断り、バーフバリだけに専念。作品への敬意とS・S・ラージャマウリ監督への厚い信頼がわかりますね。2019年『サーホー』は日本では2020年3月27日から公開され10か月のロングラン上映となりました。2022年1月には『Radheshaym』、他5作品が予定され撮影中。(追記:Radheshaymは2022/1/14にインドで公開予定だったがコロナ禍のため延期、公開日未定)
アッル・アルジュン、ラム・チャラン
アッル・アルジュン 1983年4月8日(生) チェンナイ
映画プロデューサーのアッル・アラヴィンド、祖父はコメディアンのアッル・ラーマリンガイアー
ラム・チャラン 1985年3月27日(生) チェンナイ
テルグ俳優メガスターチランジーヴィの息子、祖父はコメディアンのアッル・ラーマリンガイアー
経歴通りからわかるとおり、この二人は芸能一家の三代目でいとこ同士です。ラム・チャランは『マガディーラ勇者転生』が日本でも公開されました。S・S・ラージャマウリ監督の最新作『RRR』にNTRJr.と出演、2022年1月公開予定。アッル・アルジュンは『DJ』や『 Ala Vaikunthapurramuloo』他多数。いとこ同士の二人を一緒に楽しむ映画は『Yevadu(誰だ?)』、オススメです(youtubeで視聴可)。
ナヴィーン・ポリシェッティ
1989年12月26日(生) ハイデラバード
大学卒業後にエンジニアとして働くも、俳優の夢を諦められずに演劇活動(「きっと、うまくいく』の舞台版)を行う。またyoutubeのコメディ動画で人気を集める。両親ともにサラリーマンで映画界に縁はなく、たたき上げ俳優。
日本公開作品は2019年『きっと、またあえる』(ボリウッド)のアシッド役、同じく2019年のIMW『お気楽探偵アトレヤ』はやまうちイチオシ。2021年IMW『Jathi Ratnalu』は彼のコメディアンとして鍛えた話術が冴えわたります。語学が相当得意とのことで今後パン・インディアで撮影が多くなるインド映画では有利かと。えくぼが可愛らしいこれから期待の若手俳優です!
N・T・ラーマ・ラオ・ジュニア(NTRJr)
1983年5月20日(生) ハイデラバード
俳優また、政治家としてアーンドラ・プラデーシュ州首相も務めたN・T・ラーマ・ラオの孫。 父親も俳優もやったようですが、主に政治家として活動。愛称は『Jr. NTR』『Tarak』、クチプディ舞踊(古典舞踊、舞踊劇)のダンサーでもある。
正直、やまうちが知る作品はまだ少なく、『Yamadonga』(S・S・ラージャマウリ監督)、また日本での『バードシャー テルグの皇帝』(2013年シュリーヌ・ヴァイトラ監督)に限られていますが、実際のキャリアは長く出演作品数も多いです。2022年1月公開予定 S・S・ラージャマウリ監督の『RRR』にラム・チャランとダブル主演。
タミル映画・コリウッド
ヴィジャイ
1974年6月22日(生) タミルナードゥ州チェンナイ
両親ともに映画界(父:映画監督、母:歌手、プロデューサー)小さなころから子役で出演をしていた。若いころは「イライヤ・タラパティ(若大将)」と呼ばれていたが、2017年公開『Mersal』(2018年ICW、2021年IMWで上映)で名実ともに「タラパティ(大将)」へ。
毎年1作品というペースで発表。“タミル人としての誇り”を大事に、そして社会問題を真正面からとりあげる作品が多いです。タミル映画の魅力としてのダンスシーンやドーティ姿に力をいれているとのことで、やまうち的にも大変に萌ゆる!2021年IMW『マスター 先生が来る!』では貧困と教育の問題をとりあげ、またヴィジャイセードゥパティとの共演やローケーシュ監督(『囚人ディリ』)の作品ということも話題に。最新作はBEAST、公開日はいつかな?
ダヌシュ
1983年7月28日(生) チェンナイ
父、兄ともに映画監督で兄に誘われてデビュー、妻はラジニカーントの娘。とにかく多才で俳優、プロデューサー、映画監督、脚本家、作詞家、プレイバックシンガー。タミルだけではなくボリウッドやヨーロッパの映画にも出演。
出演数も40を超え、役の幅がとても広い俳優さん。例えば2021年に日本で上映されたIMWの『マーリ』はチンピラゆるコメ、IDEの『カルナン』はダリット差別問題。日本ですぐに見れる作品は「クローゼットに閉じこめられた僕の奇想天外な旅』やNetFlix『トリッキーワールド』、im-o『無職の大卒』、『マーリ』などがあります。(追記:とうとう『ラーンジャナー』のDVDが発売になりました!)
ヴィジャイ・セードゥパティ
1978年1月16日(生) タミルナードゥ州ヴィルドゥナガル
もともとはさまざまな職を転々としていた。ある日、有名な劇団のスタッフとして就職し、主に裏方をやっていたがたまにちょい役で出演し演技に目覚める。下積みが長く、ブレイクしたのは2012年。
2012年「Pizza』はカールティク・スッバラージュ監督(『女神たちよ』『ペッタ!』『ジカルタンダ』他)。ホラー物ですがこれはホントにいい脚本なので見てほしいです(youtubeで視聴可)。2017年『ヴィクラムとヴェーダー』はフィルムノワール的ギャング映画、2013年『’96』では初恋をこじらせた純な男の話、とこちらも役の幅がとても広い俳優さん。2021年IMWでは『MASTER(ヴィジャイ主演)』『女神たちよ』『俺だって極道さ』などの主役級からカメオ出演まで様々な作品が公開されました。im-o『危険な誘拐』、Netflix『ペッタ!』『ナヴァラサ』など日本で見れる作品も多いです。
アジット・クマール
1971年5月1日(生) マハーラシュトラ州ムンバイ
最近急にやまうちのハートを打ち抜いた俳優さん、だから全然知らないです…。どうやら若いころからバイクに乗っているようで、バイクアクション=アジットさんという評価もあるようです(追記:若いころはバイクレーサーを目指していたが事故で大けがを負い1年かけて復帰、レーサーは断念して俳優へ。その時の経験が今の生き方に反映されているとのこと)。スーパースターなので作品数もとても多いです。アミターブ・バッチャン(後述)の『Don』のリメイク2007年『Billa』を見ました。ほぼプラバース版と一緒だったのでプラバース版Billa(2009年)の元がわかりました。今度は話題の笑いながら殺す映画を見ようと思います。(追記:とうとう見ました!『Vedalam』、確かに笑いながら殺しているのですがそれも込みで人の絆など大事なことがテーマになっていてとても面白いです!youtubeで視聴可)
カマル・ハーサン
1954年11月7日(生) タミル・ナードゥ州パラマクディ
こちらもまたまたほとんど知らない俳優さんで恐縮なのですが、活躍も長くファンも多い!「カマルさんも是非」と推薦を頂きましたので、やまうちが調べられた範囲で紹介しました。日本でも公開されている作品もたくさんあるのですね。ラジニ様(後述)の好敵手らしく俄然興味がわきました!これから見たい俳優さんのひとりです。(追記:この直後に『インドの仕置き人』を入手、しかしまだ見てない!積盤してます!)
日本でも(多分)有名なインド俳優
「インド映画と言えばこの人」「インド映画とは知らなかったけど見ていた」「またハリウッドで活躍しているインド俳優さん」などなどです。
ラジニカーント
1950年12月12日(生)
ラジニ様ことラジニカーント。おそらく「インド映画=踊って歌ってハッピー」なイメージを植え付けた人、1995年公開の『ムトゥ・踊るマハラジャ』で日本のインド映画ブームの牽引者です。スーパースターやタレイバー(リーダーの意味)と呼ばれ、いまだに第一線で活躍の第一人者。最近の作品ではは2018年の『カーラ 黒い砦の戦い』がやまうちオススメです。ザ・ラジニ歌舞伎は健在で2021年11月の ディワリに公開されたAnnaattheも話題になりました。
アミターブ・バッチャン
1942年10月11日(生)
他の作品で名前だけが語られたり、またスーパースターとして本人役で出演などすでに生きる伝説。やまうちはこの世代の姿になってからの作品しか見たことはないけれど、画面に出てきただけでその場をすべてかっさらう存在感、まさに輝くスターです。息子のアビシェーク・バッチャンはまた違う味のあるスターとして活躍中でそちらも大好きです。Netflixでいくつか見ることができます。『ピンク』『真実を知る者』『パッドマン(本人役)』『ボンベイ・トーキーズ(本人役)』。若いころの作品は何を見たらいいのかなぁ。
三大カーン
押さえておきたいのはこの3人ですね。同い年でムスリムという共通点があります。(追記:ムスリムというのはインド映画では時に主テーマとして取り上げられます。宗教観が薄い日本社会と比べると大変に印象が残りますね)
シャー・ルク・カーン(キングカーン)
1965年11月2日(生)
Dilwale Dulhania Le Jayenge『勇者が花嫁を連れてゆく』(邦題『ラブゲット大作戦』は1995年~2015年と20年間公開していたという凄まじい記録を持っています。とにかくこの人は映画の中では最高にちょっとずるいくらいカッコいい。Netflixで見れる作品も多いです。『勇者は再び巡り合う』 『ライース』『ハッピーニューイヤー』 『ディアライフ』
サルマン・カーン(タイガー)
1965年12月27日(生)
『バジュランギおじさんと、小さな迷子」で涙を誘ったけど、もともと肉体派とのこと。アニキ映画の『ダバング」が個人的に大好きです。どうやらプライベートもやらかし系らしいですね(苦笑)。
アーミル・カーン(国宝)
1965年3月14日(生)
『きっと、うまくいく』『ダンガル』『PK』など日本でも作品を知っている人が多い。『きっと、うまくいく』は座右の銘に挙げている人もよく見かけますね。本人も役や作品へのこだわりたつくり込みが凄くアート系の人なのかなという印象です。
イルファン・カーン
1967年1月7日~2020年4月29日(享年53歳)
ムスリム(イスラーム教徒)の藩王国太守(ナワーブ)の家系に生まれる。国立演劇学院(National School of Drama)にて学ぶ。
『巡り合わせのお弁当』『その名にちなんで』など名作多数、NHKドラマシリーズ『東京裁判』ではパール判事役で出演したので日本で知っている人も多いかと。ハリウッド『ジェラシック・ワールド』では人の好いリッチな社長役を演じています。2018年3月に神経内分泌腫瘍とロンドンで診断されました。2019年2月にインドに帰国して『イングリッシュ・ミディアム』の撮影に参加しました。2020年4月28日にムンバイ市内の病院に搬送されましたが、翌29日に亡くなりました。2021年IMWで『イングリッシュ・ミディアム』が上映されました。娘への愛情も思い込みも激しいパパ役、コミカルな中に愛がたっぷりの素敵な作品でした。
後述
もともと自分の友人にインド映画を紹介するにあたって、俳優さんを知っていてもらおうと考えてまとめた資料が基になっています。自分自身もインド映画ファン歴が短い(2年)ので、まず導入編として網羅的に抑えてどこかにひっかかりがあったらいいなと思っています。このあとは女性俳優編へ続いたのですが、あまりに長くなってしまったので後編に分けました(note.の分けます)。さらに言うと実は上記リストに入っていないのですがリティク・ローシャンも大好きです。いつかリティクの作品も紹介したいですね~(BangBangは紹介すみ)
用語紹介
IMW インディアンムービーウィーク
im-o インディアンムービーオンライン
IDE インド大映画祭
Netflix 上記では主に日本語版を指す。英語版では見れる作品が増える
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