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サステナブルの輪 Vol.002 メルカリ

こんにちは、ヤマト運輸公式note編集部です。

前回はヤマトグループが進めるサステナビリティの取り組みについて紹介させていただきました。Vol.002からはヤマトグループのパートナーさまのサステナビリティへの取り組みについてご紹介していきます。

第一弾はフリマアプリを展開するメルカリさまです。

日本最大のフリマサービス「メルカリ」を中心に、金融サービス「メルペイ」や「メルカード」、誰でもネットショップがつくれる「メルカリShops」、さらにビットコイン決済などの事業サービスを展開。「メルカリ」は、2023年3月現在、毎月2,354万人の方が利用しています。

メルカリでは「地球資源が限られているなか、より豊かな社会をつくるために何ができるのか」という課題認識から、物理的なモノやお金に限らずあらゆる価値がなめらかに循環する社会の実現に取り組んでいます。

サステナビリティ担当の山下 真智子さまと、事業開発担当の森嶋 涼子さまに、サステナビリティへの取り組みついてお話を伺いました。

ミッション達成に不可欠なサステナビリティ

経営戦略室 マネージャー 山下 真智子さま

2023年2月、創業10周年のタイミングでグループミッションを改訂しました。これまでのミッションは「新たな価値を生みだす世界的なマーケットプレイスを創る」、いわば「私たちは何を成し遂げたいのか」を明記したミッションでした。創業10周年を迎えるにあたって、「何をするか」よりも、改めてメルカリは「何のために存在するのか」を定義しようと、ミッションの見直し議論が始まりました。

私たちサステナビリティチームを中心に、経営陣と何十回もの議論や全社員を巻き込んだタウンホールミーティングを重ねるなかで、「私たちは何のために存在するのか」の共通認識を醸成させていきました。2年以上をかけてできたのが、今回のグループミッションです。

新しいグループミッション、「あらゆる価値を循環させ、あらゆる人の可能性を広げる」は、メルカリが「人」の可能性を広げる存在でありたいという強い思いを込めたものです。

世界中のモノやコト、そして「人」には、見出されていない価値がまだまだたくさんあります。その価値を必要としている人もまた、世界中に数多くいます。メルカリはテクノロジーで世界中の人々をつなぎ、あらゆる価値が循環するエコシステムを創ることを通して、「人」の可能性を広げていきたいと考えています。

サステナビリティへの取り組みは、私たちのミッションを達成するための基礎、土台となるものです。

もともとメルカリ創業のきっかけは、SDGsやサステナビリティの考え方に近いものでした。創業者が世界一周旅行中にさまざまな国を訪れるなかで、日本ではモノが溢れ、何不自由のない生活をしている一方で、途上国と呼ばれる国々では教育の機会が少なかったり、モノが不足していたりする現状を目の当たりにしました。

ちょうどその頃、スマートフォンが普及し始め、人々の生活にインターネットが身近な存在になりつつありました。こうしたテクノロジーを使えば、モノを循環させることによって、人々が豊かに暮らせるのではないかと考えました。それが事業の始まりです。

当時は「SDGs」や「サステビリティ」という言葉は、まだ一般に浸透していませんでしたが、メルカリの事業そのものがサステナビリティに直結したものでした。

2018年にサステナビリティのプロジェクトをスタートさせ、2021年には専門部署サステナビリティチームを新設し、取り組みを強化し続けています。

「捨てる」以外の選択肢に気づく取り組み

事業開発 マネージャー 森嶋 涼子さま

サステナビリティチームでは、事業開発チームとも連携し、モノの循環に関わるさまざまな実証実験を行いながら、限りある資源のなかで、サステナブルで豊かな生活を実現していくための仕組みついて、考えるきっかけとなるような取り組みを行っています。

具体的な取り組みとしては、「意識変容」と「行動変容」という二つの側面からのアプローチがあります。

「意識変容」面での取り組みは、まずは捨てる以外の選択肢に気づいてもらうことに主眼を置いています。

メルカリでは2021年7月に「捨てる前の意識」についてアンケート調査を実施。「使わなくなった“モノ”、捨てる」という選択肢をとる人が約75.6%、そのうち82%の人が「もったいないと、感じている」という結果を得ました。

「捨てる前」の意識を変えることで、サステナブルな行動を人々に定着させることができるのではないかと考え、「メルカリエコボックス」を開発しました。「まだ使えるが不要になったモノ」に対して、「捨てる」以外の選択肢に気づいてもらう試みです。

この「メルカリエコボックス」の取り組みは、2022年5月30日の「ごみゼロの日」に、愛知県蒲郡市・新潟県加茂市で実証実験として開始。市民の皆さまにリユース意識の定着と、サステナブルな行動変容を促すことができるかどうかを検証しました。その後、2023年4月には愛媛県と岡山県でも開始、2023年11月には23自治体での同時配布を実施しています。

メルカリエコボックス

こうした自治体と連携した取り組みでは、「メルカリShops」を活用した粗大ゴミや廃校になった学校備品などの販売、「ゴミカレンダー」へのリユース促進を図るための記事の掲載、全国の小中高での「循環型社会を伝えていくための教育プログラム」の提供、自治体主催の「メルカリ教室」の実施なども関連チームと協力しながら推進しています。

11月第4金曜日に行われる大規模セール「ブラックフライデー」と同じ日に、サステナブルな消費を訴える「グリーンフライデー」というものがあります。メルカリでは、地球環境に優しい持続可能な消費を啓発する目的に過去4回取り組みを実施しています。2023年度では、「サステナブルにファッションを楽しもう」というテーマに共感をいただいたアパレル企業と共に、グリーンフライデープロジェクト2023「新作ゼロのサステナブルファッションショー」を開催。リユースアパレルを活用し、新しいスタイルを生み出すことで、ファッションをより楽しんでもらおうという試みです。

グリーンフライデープロジェクト2023

また、捨てられるはずだったモノに新たな価値を与えて再生させる、アップサイクル施策にも積極的に取り組んでいます。 2021年には、鹿島アントラーズとのコラボにより、鹿島アントラーズ30周年を記念してつくられたアニバーサリーウォール横断幕を使ってトートバックやポーチなどを作成し、「メルカリShops」で販売。また、オフィスで使用していた古くなった椅子や汚れてしまった椅子で、エントランス用の椅子とメルカリロゴマークを制作。アート作品として再生させることで、モノの価値をアップデートする試みも行っています。
2019年6月には繰り返し利用可能な梱包材「メルカリエコパック」をリリースし、試験的に約10,000個を配布。2022年6月には改良版もを試験的に3,000個配布しました。あらゆる梱包材をリユースする習慣・文化がお客さまに受けいれられるかを検証しました。今後、検証結果を踏まえ、梱包材をリユースすることに抵抗がある人の不安や課題をどう解決できるか、リユースが当たり前になるためにどのような仕組みが必要かなどについて、検討していく予定です。

メルカリエコパック

事業の成長がサステナビリティの推進へ

「捨てる」以外の選択肢に気づいてもらうことで、不要になったモノを「メルカリ」に出品してもらったり、リユース品を「メルカリ」で購入したり、実際の行動に移してもらうことがサステナビリティの推進につながると考えています。

私たちの事業は「メルカリ」の利用者が増えれば増えるほど、サステナビリティの推進につながる構造になっています。「メルカリ」でモノが循環すれば、新品の生産や大量廃棄を抑制することになり、生産や廃棄にかかるCO2などの削減につながります。

あらゆる価値が循環する社会の実現

実際、「メルカリ」を利用することで、環境への意識が高まったという調査結果も出ています。 CO2の削減につながる施策としては、「らくらくメルカリ便」の置き配について見直しを進めています。置き配のメリット・デメリットを検討し、利用者や配送業者にとって、より効果的な仕組みを構築していきたいと思っています。 「メルカリ」の利用者に対して、サステナビリティへの関心・賛同を促すような仕組みをつくり、サステナビリティへの意識を伝えていくことが、今後の取り組み目標です。

こうした事業と直結したサステナビリティへの取り組みは、私たちサステビリティチームだけではできません。事業開発チームなど他部署との連携が不可欠になってきます。 メルカリでは、サステナビリティへの意識が高い社員も多く、企業風土として社会に貢献したいという思いが強くあります。実際、当社のサステナビリティへの取り組みに共感して入社する社員も増えています。

またサステナビリティへの取り組みは、自社だけでは限界があります。「メルカリ」の利用者はもちろんのこと、製造・生産から販売、物流まで、さまざまな企業との連携が不可欠です。こうしたサステナビリティの輪を広げていく取り組みも重要だと思っています。

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今回は、「サステナブルの輪」の第一弾として、メルカリさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介しました。

次回からも引き続き、パートナーさまのサステナビリティへの取り組みをご紹介し、「サステナブルの輪」を広げていきたいと思っています。

次回の配信もお楽しみに。

編集・著作:ヤマト運輸株式会社

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