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#寄稿

なるほど納得政経塾⑫ 「資本主義の精神について」

 中華人民共和国という一党独裁の共産主義国で、古来権謀術数を重用し、欲しいものは他人の物でも執拗かつ強引に奪い取る、世界の災禍とも災厄とも言うべき国が日本の隣にある。この国の経済破綻はかなり前から噂されながら、自意識過剰で誇大妄想の嘘八百が功を奏しているのか、その発展と拡張が止まらない。この国は共産主義国なのに、資本主義的な企業制度を取り入れて発展してきた。    そこで、本稿では資本主義の精神と言うことについて考えてみよう。このテーマについては、ドイツの社会学者マックス・ウ

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なるほど納得政経塾⑪ 「マイナス・バブルという現象」

 前回「バブル経済の真相」と題して、バブル経済の発生メカニズムについて説明した。普通バブル経済というと、株価や地価などが実体的な経済状況から遊離して、高騰を続ける現象を意味する。しかし、このバブルなる現象は価格や人気の上昇局面のみならず、下降局面においても発生するということは、是非知っておかなければならない。 すなわち、経済や技術などの実情から遊離して、意味不明な不安と疑心暗鬼から異常に価格や人気が暴落する現象である。

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なるほど納得政経塾⑩ 「バブル経済の真相」

 前回、消費における収穫逓増、すなわち消費が増えるに従って各消費者の満足感が増大する現象について説明した。一種の流行が摸倣的消費を生み、消費の増大と消費による満足の増大が相互累積的に増大する現象である。バブルとは泡のことだが、つまり実体的な経済価値と遊離してある財やサービスが過大評価されるとき、いわゆるバブル経済が発生する。

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なるほど納得政経塾⑨ 「自由主義経済の限界2」

 前回は、自由主義的な競争市場による需給調整の限界、いわゆる「市場の失敗」について、外部効果と公共財について説明した。今回は消費における収穫逓増的な現象と、摸倣的消費について説明しよう。  一般に生産活動においては、収穫逓減といわれる法則が成り立つ。収穫逓減とは、投資規模を大きくしてゆくと収穫も増えるが、次第にその増加率が減少する様子を意味する。収穫逓増というのはこの逆で、投資規模を大きくしてゆくに従って収穫の増加率がどんどん大きくなる現象を意味している。 今この現象を消費

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なるほど納得政経塾⑧ 「自由主義経済の限界」

 前回、自由な競争が行われている市場経済においては、何らの意図的な政策がなくても、価格による自動的な調整機能によって、社会的に望ましい資源配分が達成されてゆくメカニズムを説明した。 しかし、この自由主義的な市場経済にはいくつかの限界がある。最も端的な事例は、市場を経由しない外部効果と呼ばれる現象や公共財における事例である。またその他にも、収穫逓増といわれる現象に基づく事例や、単なる流行のような現象など、価格による自動調節がうまく働かない事例がある。こうした、自由主義的な経済市

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なるほど納得政経塾 第七回 「自由主義経済の合理性」

 自由主義経済、つまり自由な競争が展開される市場の方が、中央政府によって統制された経済社会よりも、むしろ合理的な資源配分を実現できる可能性が高いことを前回説明した。その合理性実現の秘訣は価格にある。この価格による需要と供給の調整機能については、すでに18世紀後半にアダム・スミスによって論及されており、価格の自動調節機能としてつとに有名である。これは古典派経済学を形成し、さらに19世紀以降のマーシャルやワルラスを中心とした新古典派経済学に引き継がれてゆく。本稿では、この学説につ

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なるほど、納得政経塾 第六回「合理性の限界と自由」

 前回、我々人間の合理性には、極めて厳しい限界があることを説明した。自分がとり得る選択肢にどんなものがあるかを知るための情報収集能力にも、その選択肢がどのような結果をもたらすか、そしてその結果が自分のどのような満足感や不満足感をもたらすかを知ろうとする計算能力にも、大きな限界があることを述べてきた。だから我々は、例外的に単純な場合を除いて、最も良いものを選ぶ最適決定はできないと論じた。 さて、そのような限定された合理性しか持ち得ない人間が織りなす人間社会において、少しでもより

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なるほど、納得政経塾 第五回「合理性の限界ということ」

 我々人間は、行動に先だって意思決定をしている。何かを選んだり、何らかの問題を解決したり、その行動に先立つ意思決定はどのように行われているのか。以下では、1978年にノーベル経済学賞を受賞したH. A. サイモンの理論に基づきながら、人間の意思決定と合理性の限界について考えてみよう。 何かを選択する場合、誰でもできるだけ良いものを選びたいと思っていることは間違いない。例えば、いま目の前に3種類の定食メニューがあるとしよう。A定食は刺身と煮物の和食、B定食はハンバーグとエビフラ

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なるほど納得政経塾 第四回 「公式組織内における人間観」

 第2回以降、経済人仮説と情緒人仮説について説明してきた。人間の管理について考えるとき、人間をどういうものとして捉えるか、その人間観が決定的に重要となる。間違った人間観から正しい管理論は、決して生まれないからである。経済人仮説では、人間を極端に経済動機だけで動くかのような単純化が見られたし、情緒人仮説では感情や仲間との調和が重視されていた。これらはそれぞれ、人間行動の重要な一面を説明してくれるが、今回はC. I. バーナードが提唱した「全人仮説」を紹介しよう。 

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なるほど納得政経塾 第三回 「集団内における人間観」

 前回、経済学における人間観として「経済人仮説」を説明した。利己心に基づき完全に合理的な行動をするものと仮定される人間観で、かなり現実離れした単純化がなされていることを論じた。この人間観に基づいて、人間行動を観察的に分析しようとしたのが、ホーソン実験と呼ばれるものである。1924年から1932年まで、ハーバード大学のE. メイヨーやF. レスリスバーガーが中心となって、ウエスタン・エレクトリック社のホーソン工場で行った観察実験である。 実験は、大きく3つに分類される。第一の

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なるほど納得政経塾 第二回 「経済学における人間観」

  人間観とは、人間をどういうものと見なすかに関わる仮説である。人間社会の成り立ちや運営に関して、それを理解したり説明したり、あるいは予測したりする上で、この人間観は前提的な仮説となっている。 早い話が、床や階段などの設計をしている人は、何人ぐらいの人が入るかによって、人数×体重で強度計算をする。この場合、設計者にとって人間は重量の単位と見なされる。あるいは、伝染病の伝播を防止する防疫学の観点からすれば、人間は病原菌の媒体と見なされるであろう。また、小説家は人間を複雑な感情を

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なるほど納得政経塾 第一回「経済学はむずかしくない」

多くの人にとって、経済学は難解だというイメージが強い。それは経済現象が複雑で変化が激しく、なんらかの経済政策が功を奏したのか否か、あるいはどのような現象がどこまで経済政策の結果なのか、見方によって幾通りもの説明が可能であることに由来しているのかもしれない。しかしこれは経済現象が複雑なのであって、経済学が複雑なわけではない。経済学理論ではよく数学が使われ、専門の文献などで数理モデルがたくさん出てくることも、経済学をむずかしいものとイメージさせる原因の一つであろう。  しかし意

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