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憲法九条による【平和】とは

・憲法九条とは

日本には憲法九条があります。

憲法の中で紛争の軍事的解決を否定し平和を謳っているものは日本以外にもいくつもありますが、戦力の不保持・交戦権の否定を持つ日本にしかありません。

軍隊を持たない小国ですら同盟国への委任を行い、軍隊を持たないコスタリカでも有事の際は再軍備する事にしているのです。

昨今、憲法九条は自衛戦争を許容するという説があり、最近では護憲を謳う人がウクライナの件もあり、憲法九条は戦争を抑止するのではなく他国を責める事をできなくするために意義があるのだと発言しています。

しかし、自衛戦争を許容するというのは政権による解釈変更の末にこじつけたものであり、憲法の条文通りに解釈すれば自衛のための交戦も不可能です。

それは「1946年9月13日、貴族院帝国憲法改正案特別委員会における大河内輝耕議員に対する金森徳次郎国務大臣の答弁」にある通り、自衛行動はとれるとしても憲法九条は一切の戦力の保持・行使を禁じているわけですから”攻めてこられても武力で対抗する事は不可能”というのが本来の憲法九条なのです。

また交戦権も認められないわけですから停戦・講和の提案といった交戦国のふるまいも勿論できません。

本来、自衛隊は違憲であり、もし他国(正義と秩序を希求する)に攻撃されるような事態になれば”汚らわしい日本人は悉く死すべし”というのがGHQがこしらえた憲法九条本来の企図する所なのです。

つまるところ憲法九条による【平和】とは、「他国が一方的に日本人を蹂躙できる状態」を指します。

おおげさだと思われるかもしれませんが、GHQは1947年まで食料・燃料輸入の制限や工場・工業機械の破壊・撤去など、飢餓や産業破壊による民族浄化のような事をやっています。

冷戦が起きなければ、もっと早期に日本が降伏していたら、GHQの日本無力化政策によって、日本人は再起不能にまで追い込まれていたかもしれません。

(ちなみによく知られる米国の食糧援助なるものは、日本の食糧生産が回復した後に、傷んだ脱脂粉乳などの自国の売れ残りを日本に売りつけたもので、日本は不要かつ質の低い商品に多額の費用を払っています。またこの時のアメリカの安い小麦により日本の小麦農家が壊滅する被害がでました)

・解釈変更による国防の限界

今のところ、冷戦期に無力化から有効活用へと転向したアメリカ様の意向、それに忖度する解釈変更によって、かろうじて自衛隊が存在している状況です。

しかし、それでも憲法九条の呪縛からは逃れきれず、基地の日用品が隊員の自腹、装備の偏り、部隊規模の小ささ、”防衛出動発令前に侵攻してきた敵を撃った兵士が殺人に問われる可能性がある”など、

日本の防衛は様々な面で真っ当な状況とはいいがたく、今回のウクライナのような状況に陥ればウクライナ以上になす術がなくなります。

にもかかわらず憲法九条を残そうとするのは、”自分が住む場所が銃弾飛び交う最前線になることがないと思っている”か、あるいは”自分や自分の近しい人が惨たらしく死ねばいいと考えている”かのどちらかでしょう。

・憲法九条があるからイラク派遣でも安全だった?

またイラク派兵で戦死者が出なかった事を指して、”憲法九条があるおかげで戦地に出向かず後方任務に徹したから”だとする言説も見られます。

けれど、非対称戦をやってる地域での後方任務はゲリラやテロが後方を狙う性質上、結局のところ戦地での活動そのものです。

イラク派遣の際、自衛隊員は憲法九条で両手を縛られた状態でロケット弾やらIEDの脅威にさらされながら任務に付いていたわけです。

これで死者が出なかったのは幸運と自衛隊の練度のおかげであり、憲法九条はむしろ彼らの生命をさらなる危険に曝していたのでした。

・憲法九条がもたらす隷属

さらに憲法九条による国防能力の欠損は現代日本が外国への隷属を強いられる原因にもなっています。

これは”国民の生命と財産を守ってもらう”という口約束のために援助や譲歩を重ねざるを得ないためです。

それは年次改革要望書などによる他国に都合がいいようにする制度改変のみならず、過去には朝鮮戦争への非公式な派兵や民間人徴用なども行われ、戦死者まで出しました。

朝鮮戦争でもイラク派兵でも、日本が拒否権無く外国の意向のために人命を賭さなければならなかったのは憲法九条があるがゆえだったのです。

憲法九条が無ければ、同じ出兵するにしても自国の判断でそれを行うことも出来たでしょう。

しかし、憲法九条のために自己の生殺与奪を他国に明け渡している日本人には、同胞を死地に送る事すら自分たちではなく他国の意のままにせざるを得ません。

憲法九条は徹頭徹尾、日本人の生命と尊厳を軽んじ、他国のために日本人を犠牲にするという条文でしかないのです。

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