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再び、ランチの女王 私が勇ニ郎を好きな理由

この前ランチの女王について書いたばかりだけど、全然書き足りないのでまた書く。
今回は、キッチンマカロニを経営する鍋島家の次男、勇ニ郎への偏愛を語らせて下さい。

ランチの女王がリアルタイムで放送されていた時、私は小学5年生だった。
友達はみんな、山Pが好きだった。もしくは妻夫木か山田孝之。
小5で「江口洋介が一番良いと思うー」なんて、とてもじゃないけど言えなかった。渋すぎでしょ。
しかも、当時から確実にわかっていたのは、私は江口洋介が好きなのではなく、彼が演じる勇ニ郎が好きだった。その辺の違いを、誰かに話した所で絶対にわかってはもらえないだろうと思っていた。

勇ニ郎ほど繊細で、弱くて、分かりやすい人はいないと思う。

彼は繊細すぎるが故に、制約のある人ばかり好きになってしまう。人妻だったり、兄の婚約者だったり。
いつか別れてしまう事が恐ろしすぎるのだ。アイドルばかり好きになる人と一緒。

そして彼は、好きな人の瞳を真っ直ぐ見ることが出来ない。秀美やなっちゃんといい雰囲気になっていても、ちょっと見つめてフッと視線を逸らす。私はその瞳の演技が大好き。

妻夫木聡演じる真っ直ぐすぎる男・純三郎は、絶対に目をそらさない。地獄の果てまで着いていきそうな目線で、なっちゃんの事を見つめる。わかりやすすぎるでしょ。
デミグラスソースが好きでデミグラスソースを継ぎ、なっちゃんが好きでなっちゃんを追いかける。

真っ直ぐなのも素敵だけれど、あっちこっち道草をくってしまう勇ニ郎が大好きだ。
きっと、思わず言ってしまった言葉よりも、言わずに心にしまいこんだ言葉のほうが多い人だろう。
マカロニの経営はこのままで良いのだろうかと常日頃から悩み、このままではみんな幸せになれないぞ、と気づいている。 
色々な視点から考えられるからこそ、彼は勝手に悩み勝手に傷つく。なんて人間臭いのだろう。

勇ニ郎と言えばうさぎのシールだ。
なっちゃんが鍋島家に居候する事に大反対だった彼は、「3回失敗したら出ていってもらうからな!」とうさぎのシールを渡す。なっちゃんが失敗する度に、それを貼っていくシステムだ。
いや、3回だったらシールなんか貼らなくても覚えておけるでしょ?
なんてかわいい。なんて真面目なんだ!!

恋愛禁止の貼り紙も良い。勇ニ郎は、字が良い。決してキレイではない踊り狂ったような字を、わざわざ筆で書いている。良い。

好きすぎて、なっちゃんの事を名前で呼べない。
ずっと「おまえ」とか「あんた」呼ばわりしていて、なっちゃんに「名前で呼んでください」と言われたら、「麦田さん」と苗字で呼ぶ。麦田さん!!

勇ニ郎に問いただしたいのは、秀美のことは何故名前で呼べていたのかということだ。最初は苗字だったのだろうか。それとも、DV夫の苗字で彼女の事を呼ぶのを躊躇したのか。

どっちにせよ、「なんて呼ぼう…」とひとりしきり悩み考え抜いた結果なのだろう。「麦田さん」だって、ただ照れくさいだけではない。きっと彼女の婚約者の健一郎に対する配慮もあったのだと思う。
好きに呼べば良いのにさあー!

考えすぎて何故か変な方向へ行ってしまう勇ニ郎。
恐らく10代前半の一番多感な時期に、母親を亡くした勇ニ郎。
ぶっとんだ兄の尻拭いをし続け、自分を犠牲にしてきた勇ニ郎。
いつの時代のどの勇ニ郎も良い。あなたはそのままですばらしい。悩んだり迷ったり、いちいち立ち止まるから素敵なのだ。

「迷いながら進むより引き返せ」と、彼が引いたおみくじは助言する。父親亡き今、長男が放置した家族や店を、その重みをさらに何倍も重くして、彼は背負い進む。

全く勇ましくないのに、自分を奮い立たせるために勇ましく振る舞う。男だって大変なのだ。

頑張れ、勇ニ郎!私はずっと味方だからね!


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