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オーディオブック:未来

湊かなえさん作、未来
朗読はのんさん

私は聴いている最中、何度か顔を覆い、気付けばぎゅっと唇を噛み締めていた
あまりにも辛く、悲しく、苦しい気持ちになったからだ

子供の頃を思い出す。
中学の時のいじめや不登校、貧困。虐待。
当時は分からなかったが、思い返してみるとそうだったのではないかという事がいくつかある。
朗読を聴いている最中ではなく、合間のふとした時に、蓋をしていた記憶が蘇り、どうしてもそういった事を考えずにはいられなかったのが辛かった。

当時の自分に何か行動出来たとも思えないし、
本質的な部分は巧妙に隠されて、なんとなくの噂や表面的な事しかわからなかったので、今となっては真実は分からない。
全部がそうだったとは思わないが自分ですら思い当たるのだから、今現在も現実に当事者の子供がいて、それは私が子供だった頃よりもっと深刻になっているはず。

子供たちに、未来は明るい、希望を持てと言える程、世の中の状況は楽観的ではない。
でももしもこの作品の彼女たちのように助けを求める子供が居たら、そこがどんな場所であってもせめて真剣に話を聞ける大人でありたい。

のんさんの朗読は素晴らしかった。
あとがきまで含めて、最後まで、途中で投げ出さずに聞く事ができたのは、彼女のおかげでもある、感謝したい。

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