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:人間不信

最近いやなことがあった。
ここ最近の大雨で原付のラゲッジスペース(座面下の収納)の中にグローブやタオルやら、入れっぱなしにしていたものが雨水の侵入によってずぶ濡れになって、なまがわきの酷いにおいを放っていたのだ。

そういったものを取り出し取り出して、外に並べ干していたら、通りがかった小柄の白髪のおじいさんに突然はなしかけられた。

最初はこのバイクは何ccか?などという質問から始まったが、それに答えてしまったのが運の尽きか。
自分の若いころのバイクの話や、世の中や日本に対しての鬱憤、国際情勢
日本はおしまいだ、むかしと比べてぜんぜん働かなくなった。残業もしなくなった。テレビもろくなもんじゃない。あいつがダメだ、日本はこどもみたいな国になったとか。

口の中に唾をため、きたない言葉を使い、エネルギーを発散するかのようにヒートアップしていく。
見開いた目がやたらぎらぎらしている。まるで言葉の通じない全く別のいきもののようにさえ感じられた。
僕はそうですね~などとてきとうに合いの手を入れながら、内心誰か助けてくれないかな、と周りの通行人に目線を泳がせ、ひたすら時間をやりすごしていた。
通行人は興味深げにチラリとこちらをうかがいつつも目線が合うと顔を背けて足早に去っていく。

ながくなったわ、それじゃもうそろそろいくわ、おじゃまさま。
言いたいことを好き放題語り、そう言って歩き去っていった。
その老人の後姿はまた小さく萎んで見えた。

ようやく解放されたと、干していたタオルやグローブを家の中に片づけて、ひる飯を食べ、じわじわと後からダメージを受けていることに気付き、しだいに落ち込んだ。

きっと彼は会話がしたかったわけではないのだろう、こちらの意見や反論があったとて、捲し立てるようにぶつけてくる言葉は余りにも品性が無かったし、関係性というものが断たれてしまっていた。
二人の間には余りにも深く大きな隔たりがあった、のだ、たぶん。
初対面というのを差し引いても恐ろしかった。

この先、僕のようにダメージを被る第二、第三の被害者が出てしまう前に、
そういう話は初対面の人にしない方がいいですよ、それよりもおいしいごはんの話をしませんか?と注意した方が良かったのかもしれない。
想像の中では最もフィジカルで最もプリミティブな方法で悲しきモンスターになるまえにとどめをさした方がなどと心の中のハリソンが思ったり思わなかったり。

おじいさん、世の中もおかしくなってるかもしれないけどね
アナタで最近二人目なんだわ……毒属性ダメージを与えてくる老人

私は厭人家なのでしょうか。
さいきん語りかけてくる人が恐ろしいのです。


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たまに書いたと思って読んだら愚痴っぽい日記でスミマセン

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