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【The Case of the GOLDEN IDOL】人を選ぶけど間違いなく名作な推理ゲームの紹介と感想

こんにちは、ピーター・バトレーです。

みなさんはThe Case of the GOLDEN IDOLというゲームをご存じでしょうか?
最近遊んだゲームではかなりお気に入りになった推理ミステリゲームです。
Twitchで配信していたのでこちらにアーカイブがあります。

ご存じなければ是非、非公式日本語化ModのあるSteam版を遊ぶ事をおススメします。ちなみに僕は未プレイですが、DLCも日本語化されているようです。


導入方法について

本作はとても面白い推理ゲームなんですが、残念ながら公式で日本語化されていません。ですが有志による日本語化Modが公開されていますので、PCで遊べる方はぜひ導入して遊んでみて下さい。Mod製作者のYupikaさんに感謝!

非公式日本語化Modのページ


ゲームの紹介

システム

本作は、ある時代ある場所のできごとを再現した捜査画面を調べ、重要な単語を探し出して推理画面を埋めていくゲームです。

捜査画面
推理画面

発言・所持品・状況証拠などから人物や出来事を推理して、そこで何が起きたのかを穴埋めしていきます。風変わりなテストのような独特のゲームシステムに驚くかも知れませんが、解答は間違いが2つほどに絞られた時点で「1つか2つ間違っている」と教えてくれるので、ゴリ押しもできない事はなく難易度は意外とマイルドです。ヒント機能もついています。
逆に完全に解き明かして解答したい人は1発クリアを目指すのも粋ですね。なんならそっちのほうが難しいかも!?

ここが面白い!

このゲームの魅力は何と言っても場面を跨いで繋がる謎があるところで、過去のある場面がヒントになる事もあるし、後から見て「これはそういう意味だったのか!」と気づく事もあります。推理が当たっていたらドヤ顔できるし、なんとなく解いて「ああ、そういう事だったんだ!?」と楽しむ事もできるので、万人にオススメのゲームかも知れません。

ここが好き!

登場人物が全員個性的でひと癖もふた癖もあるので、それを考察するのも魅力の1つです。表面的な発言と所持品を見比べてみて「ああ、ホントはこういう人なんだ…」と分かるとキャラに愛情が湧いてきます(少し悪趣味ですが)
また個性的なグラフィックもお気に入りで、察するに作者は90年代初期くらいのPCゲームが好きだったんでしょう。こういう雰囲気の海外のゲームが沢山あったので懐かしさを覚えました。

以上がネタバレなしのThe Case of the GOLDEN IDOLの紹介となります。
気になったら今すぐSteamストアと日本語化Modのページへ行くんだ!
ここから先はお気持ち全開のネタバレ感想となります!






ゲームの感想

ワンシーンのインパクトがヤバい

人が燃えてんねんぞ!

とにかく不気味なのがとんでもない事が起きているのに平然としている人がいるというシーンの切り取り方で、悪趣味な宗教画のような趣がある。

誰か死んでますけど!

それ自体がとても風刺的だし、音楽も不穏だったり不協和音が混じってたりして作者は狙ってやってるのが良く分かる。めちゃくちゃセンス良い。

イカれたメンバーを紹介するぜ!

全員モブみたいなビジュアルなのに、なかなかどうしてクセのある人物が多いのがこのゲーム。

借金まみれのギャンブル狂
ピーター・バトレー

我らがリーダー。金の無心をするためならプライドに糸目をつけない男。
恋敵のおじさんに手を引けと言いながらお金は貰おうとするハイレベルなクズ。ルパンかお前は。

偏屈で尊大
エドモンド・クラウズレー

本作のラスボスにして主人公(?)黄金像で若返って世界征服を企む。
しかし若い女性に本気で恋焦がれるピュアな一面も持っており、それが彼の運命を大きく左右するのであった…きっしょ!

見た通りのクソガキ
リトル・ピップ

ガキ使のガースーにそっくりな子供。あまりにも顔がおっさんなので小人病なのかも知れない。こんなツラで態度も悪いけどエドモンドには気に入られていたらしい。

意外と乙女なお局
ルシア・スミス

「ふん、あたしゃ知らないね」と言いながら色恋沙汰が大好きなルシアたん。誰かルシアの二次創作頼む。R18でも構わない…いやゴメンやっぱキツい。

他にも魅力的なキャラがいっぱい出てくるのでキャラ推しの人にも勧められるのがこのゲームの奥深さかも知れない。

エドモンドの秘密いつ気づいた?

ハゲとるやん!

これが結構人によるらしいです。僕は箱に隠れてたのに死ぬわけないから、デビッド・ゴランに裏切られない限り生きてると思ったので、わりとすぐ本人だと気づきました。そもそも箱のハゲが誰か気づかないパターンもあるのかな?ハゲモンドの時点で成り代わりの可能性があると思ったハゲよ。でも気づかずにプレイしたらそれはそれで最終章でビックリできるのかな?さすがに前章の手紙で気づくハゲか…

王子おまえ何なん!?

エルギン・プトゥ王子(年齢不詳)

チャプター3で最大のミスリードがこの王子。なんで印章を1つだけ奪おうとしたのだろうか…じっちゃんの形見だった?彼がちゃんと証言していれば秩序党の台頭も阻止できたのに…と思うと少し恨めしい人物であるが、彼にとってはこの国の事はどうでも良いんだろうな。しかしギデオンが可哀相!

若さという概念について

ちゃんと姿勢が良くなってるのが細かい

このゲームで疑問だったのが「若さ or 時間」を一種のエネルギー?として吸収したり放出したりしているんだけど、それって何なんだろうね…
吸い取られると歳を取るのは逆に言えば時間を得ているんじゃないかと思うし、生命力を奪ったとしてもそれを与えられたら時間が遡るのか?というのはわりと疑問が残る。リトル・ピップが何年も成長していないように見えるから、彼も党員の若きメンバーとして不老を享受していたと言う事なんだろうか…じゃあ逆に与えられすぎると赤ちゃんになっちゃう!?

エドモンド・クラウズレーの皮肉な最期

砲弾をおじさんのゴール(デンアイドル)にシュート!超エキサイティング!

多分、彼は誰も信じないし好かないし見下しているだろう。権力と永遠の命を得ても孤独な彼がつまらない恋心に執着した結果、見下していたピーター・バトレーに全てを奪われたのは皮肉であり痛快である。
ピーターはどうしようもないクズだけど少なくともエドモンドのような悪人ではない。人としては彼のほうが愛されている人物なんだろうな。
それを考えるとますますエドモンドは哀れな男なんだろう。

史実に基づく話なのか?

変な新聞

まあ聞いた事もないような国とか島とか政党とか魔法が出てくるので史実でないのは確かだけど、1790年代のイギリスという舞台は明確なので何かモデルがあるんじゃないかと思ったけど誰か分かる人いませんかね?ちょうどフランス革命の時期だけど関係ないと思うし、新興宗教の政党が政権を得たという記憶はない。なんなら服装やら腕章やらはナチスをイメージさせる。世界史に詳しくないので誰か教えてクレメンス。

アルバート・クラウズレーについて

問題のシーン

この事件に何か裏があると思っていたのでちょっと肩透かしだったかも知れない。オベロンの子孫が復讐するとか、裏切った理由が明かされるとか。
何も報いがないからねぇ…まあセバスチャンの事故やエドモンドの最期がその報いと言えなくもないのかな。
そもそもこのゲーム、プレイヤーはあくまで歴史の傍観者なので事件の真相を知ったところで歴史は変えられない。お粗末な企みも暴かれる事はなかったわけだ。それが面白い点でもある。
DLCにアルバートがいるので何かスピンオフがあるのかも?


総評

人によっては地味で不気味な画面で敬遠しそうな本作ですが、謎解きやミステリが好きな人はぜひともプレイして欲しい作品です。願わくば公式翻訳が入ってNintendo Switch版でも日本語で遊ぶ人が増えて欲しいものです。


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