私と創作
あなたの創作活動のテーマは何ですか?
私は、「焦らないこと」
これにつきます。
時折、自分の絵を見失うことがあります。
無気力になったり、急発進して空回ったり。
結局詰まるところ、迷子になってしまうのです。
自分の豊かな発想を形にする喜び、それを誰かに伝えたいという想い。それらを楽しむための、余裕のある心。
そして、独りよがりにならず、誰かに見てもらうことを意識した向上心。そして制作物をより良いものにと突き詰める面白さ。
この「楽しむ心」と「技術力」は、私の創作において重要な軸です。
しかしこれらを同時に、100%の出力で重ね合わせることには恐怖心があります。
つまりは、自分の作りたいものを全力でつくること。これが怖いのです。
反面、とっても憧れていて、理想郷のようにも見えています。
これを昔から、夢みていたんです。
なぜ、怖いのか。自分を見失ってしまうのか。その原因は幾多もあるでしょう。
でもやっぱり、自分のその「軸」だけは見失ってはならないと分かりました。
創作は私の人生の喜びであり、人生を狂わしかねない落とし穴でもある。
真剣になればなるほど、現実が段々と辛くなってしまうのです。
しかし、その時間は無駄ではありませんでした。
創作をしていなかったら見えなかったであろう、色んな喜びや感動、そして自分自身についての多くの発見があったのです。
私を成長させてくれたのは、絵を描くことそのものでした。
中学生になった辺りからつい最近まで、自分には魅力がないと思っていました。
形だけ何かを作れても、大して魅力的ではない。そんなふうに思っていました。
それは自身に対しても同じで、自分には、愛されるほどの魅力はないと、どこか遠くで思っていました。
そんな訳だから、自分の考えや感じていること、それらを人に伝えることにも抵抗がありました。
自分を好きになれませんでした。
特別好きなものもないし、はっきりとした世界観もない。
実際に見えていたものにも、そこまで華やかな感動はありませんでした。
でも、ここ一、二年では色眼鏡を外したように、色んなものが自分の中に見つかりました。
世界にはもっと面白いものがあるのだと、とても感動しています。
自分の中にどんな変化があったのか。
それはただ、自分に素直になることでした。
好きなことをして、好きなものを見て、考えて、集めて……そのことについて、誰かと語らうのです。
初めは周りがとても楽しそうにしている様子を、ただ真似ているだけでした。
しかしそれしていくうちに、段々と自分のことが見えてきたのです。
そしていつしか、自分の言葉や感情にも素直になれるような気がして、本当の意味で「自分らしさ」を見つけたように思えるのです。
かといって、カサブタを無理やり剥がしても、血しかでません。
もともとその辺りが繊細で、自信がなかったのです。
だから今すぐに、自分の世界観を作らなきゃ!
なんて思わなくていい。
ゆっくりと時間をかけて、ただ素直な気持ちに任せればいいのです。
どんな時でもその「軸」だけは忘れないで。
返るところがあると人間、どんなに辛くてもそれが拠り所なのです。
だからこそ、自分のやっていることに自信が持てる。
そんな調子で今日も、自分に問いかけるのです。
「焦らないで」
From:
yamato
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