映画レビュー「ラ・メゾン 小説家と娼婦」
2023年に観た最後の作品。
昔の表現でいえば成人映画。
今はR18+という。
R18+作品がマイナーな映画館でなく、
イオンシネマで上映されることで興味が湧いた。
18歳以上の作品でもシネコン上映だからかなり一般向けなのかと。
案の定、この手の作品としては珍しく、
夫婦ずれもいれば、女性一人客も鑑賞していた。
本作にはこんな解説が書かれている。
「作家であることを隠して高級娼館に潜入したエマ・ベッケルが、
その体験をもとにアンダーグラウンドで生きる女性たちのリアルな姿を描き、
フランスで賛否両論を巻き起こしたベストセラー小説「La Maison」を映画化」
映画コラムニストとしては気になるのは当然のこと。
(純粋な映画ファンとして・・・)
テーマや描き方を変えればR18+にする必要はないかもしれない。
しかし、本作は観る側が恥ずかしくなるほど過激。
一人でこっそり観るならいいが、映画館ではそれなりの緊張感が伴う。
それが評価され日本に輸入されたわけではないだろう。
テーマ自体は新しいわけではない。
その世界を描く作品は日本でもある。
もしかしたら日本の方が辛辣かもしれない。
それが国や場所が変わることで印象も変わる。
イヤらしい意味ではなく、惹かれる面もあったり(笑)。
ただ言えるのは万国共通で、男も女も抱える悩みや闇や変態性は大差ない。
そんなふうに思ったり・・・。
日本でも体を売る女性の問題が取り上げられるケースは多い。
いろんな事情があるのは理解できる。
どちらかといえば環境面で描かれることが多い。
その育ち方とか不幸な家庭環境が・・・。
そこは僕も理解できる。
本人に原因があるわけではなく、周りの影響であることが。
しかし、本作の焦点は異なる。
描き方がこれまでの僕がイメージする内側と。
女性の内側ではあるが、これまでの内側とは違う。
女性の感覚がその世界に浸かることで変化するのは本作が教えてくれた。
どちら側から体験するか。
それは体験した者しか分からないんだろうね。
映画を観ないと分からないこと。
そして、映画を観ても分かりえない世界があることも。
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