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余白の美 #43

書の余白

書道は、墨で文字を書きますから、
黒が主役になりますが、
作品として大切なのは、
墨がのっていない余白の部分です。

余白をどう生かすかで、
作品全体の躍動感や文字の線の
美しさが引き立ちます。

初心者の間は、墨の黒にばかりに
目が行くので、
白の部分まで目が届きません。

だんだんと、白に意識を
向けられるようになり、
紙全体の中で、黒と白の
バランスが見えてきます。

時間の余白

コロナ禍で予定がキャンセルになり、
スケジュール帳からどんどん予定が
消えて行きました。

会議も遊びもすべての予定が
消え去りました。
予定に追われていた時は、
予定を埋めることで満足感を
得ていましたが、それがなくなると
虚無感に襲われました。

すべてが余白となり、
予定の間の貴重な余白の意味が
なくなってしまい、
生活のメリハリがなくなって
しまいました。

不要不急の用事があるからこそ、
時間感覚が生まれ、
その間の余白時間も生きてきます。

心の余白

ぼーっとしている時、
心は真っ白で、リラックス
してます、
いつも、心をときめかせ、
感覚を研ぎ澄ませていると
疲れるので、心の内に余白を作って、
ぼーっとできる余裕を持つことが
大切です。

心を無にするのは難しいですが、
少し余白を持つことは可能です。
心を100パーセント稼働させると
無理が来るので、ほどほどに
働いてもらいましょう。

会話の余白

しゃべりっぱなしでは、
これも疲れますので、
会話の間に余白を持つことで、
じっくりと会話ができます。

この間の取り方がうまい人と話す
と楽に話が進みます。
機関銃のように話す人との会話は、
一方的で、会話のキャッチボール
ができません。
自分が話すときも、
注意する必要があるでしょう。

人生の余白

何かに追われるように生き急ぐ人
がいますが、急がずとも、
年とともに時間スピードは
速くなっていきますから、
忙しい年もあれば、のんびり
した年もあっていいじゃない
ですか。

無理をして、同じスピードで
走り続ける必要もないでしょう。
人生にも余白は必要です。

いずれも、きっちり埋めてしまったり、
間がなかったり、余裕をもたないと、
自分自身がすり減ってしまい、
人生そのものも消耗してしまいます。
せっかくの貴重な人生を、
じっくりと味わいながら、
過ごしましょう。
(和尚の独り言)

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