和尚のつぶやき #348(自分事で考える)

私たちは自分に直接降りかからない
出来事は他人事として受け止めます
災害ひとつとっても
ニュースで見ても自分事として
受け止めるのがとても難しいです
逆に言えばすべてを自分事として
受け止めてしまうと
しんどくなり不安と恐怖に
耐えられないでしょう
人の心はすべてを自分事として
受け止められるほど
強くはありません

すべてを受け止めるのは
神様、仏様の世界です
人間世界は他人事の世界です
自分の死すら自分事として
受け止められません
自分もいつか死ぬと
頭ではわかっていても
今の自分にとっては
不老不死に近い思いで生きています
それだけ自分のことを
ありのままに受け止めること
世界で起こっていることは
自分にとっても起こり得ることだと
言う事実を受け止めることが
難しいのです

周りの出来事を
他人事だからと片づけるのではなく
今の自分がこうして生きているのは
本当に恵まれていて
綱渡りのように
奇跡的に生かされているのだと
言うことに思いを
馳せることが大切です
自分の命さえ他人事のようにしか
受け取れないのが自分の姿であり
人間はとても弱い
生き物であることを
知ることで
日々の生き方が
少し変わるのではないかと思います
そして当たり前なことが
ありがたいことに
変わるのではないでしょうか