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「客単価をあげるために」は、禁止します

飲食店の売上の仕組みは、意外と単純です。

客数 × 客単価 × 月の営業日数 =月間の売上

1日に来てくれたお客様の数が、客数。そのお客様が使ってくれたお金が、単価。この2つの数字をいかに上げれるかを考えています。

だから、飲食店を経営していると、ついつい「お客様に一円でも多くのお金を使ってもらうこと」を考えてしまいがちになります。こう考えるのが当たり前で、これが「正解」だと思い込んでしまう。

でも、それは違う気がするんです。「売上や利益を増やすこと」を目的にしたくない。そうではなく、売上がそのとき小さくなったとしても、「お客様がちょっとでも嬉しく感じること」を続けていけば、お店はちょっとずつ、前進できるはずなんです。

たとえば、いろんな種類のお肉を食べたいけど、全部食べきれないという老夫婦がいました。そういう時は、ハーフ&ハーフを提案しちゃうとか。(ほんとはメニューにないけど。)

〆の麺を人数分注文としている学生グループがいたら、「ちょっと量が多いかもしれないので、シェアしてみて、足りなかったらおかわりする感じにしませんか?」と提案してみる。お店の売り上げは、少なくなっちゃうけど、お客さまの食べきれないで残しちゃう罪悪感をなくすことができます。

もちろん、「嬉しく感じてもらえるようなこと」をするのも簡単じゃないです。いろんなお客様がいて、それぞれの「こうして欲しい」を敏感に察知し、それを叶える方法を、短い時間で考えて、実行する。でも、そっちのほうがワクワクする。

客単価をあげるためにサービスしにいくのは、ワクワクしないし、やる気も出ない。それよりも、どうしたら目の前のお客様に嬉しいと感じてもらえるかを必死に考えてみる方が、俄然やる気になるし、そっちの方が楽しい。

お店に「正解」があるんだとしたら、それは「目の前のお客様にちょっとでも嬉しく感じてもらうこと」それだけなんだと思います。

お客さまがちょっとでも嬉しくなるなにかができるように、頑張ります。
今日も、ご来店お待ちしております。


このコラムは「企画でメシを食っていく」4期生の合同コラム企画「コラム街」の1つとして書かれています。他の執筆者のコラムは、こちらから!

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