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Unity用ビジュアルノベルツール「宴」を使用して簡単なクイズゲームを作ってみた

今回作成したゲーム「ずんだもんの兵庫県クイズ」

製作する経緯

兵庫県に住む友人から「子供のためにゲームを作ってくれないか」と言われました。どうやら友人は、お子さんが作った子供のサークルの世話をしているらしいです。お子さんが書いたキャラクターの画像を送ってもらい、「これを動かせないかなあ」と。

ゲーム制作の練習にもなるし、二つ返事で受けました。
しかし、子供はどんなゲームならば喜んでくれるでしょうか。アクションゲームやパズルゲームは(自分のレベルでは)作成するのが難しいですし、できたとしてもショボいでしょう。

大人なら作った凄さを解ってくれるますが、子供は市販のゲームと比べるだろうから、面白くないという印象しかないと思われるでしょう。
かといって、子供に気を使わせて「面白かったです」と言わせるのもかわいそうです。

万が一、いや億が一、傑作ができて子供がドはまりしてしまったら、それはそれで問題。友人が、他の子供の親から文句を言われる可能性もあります。

ジャンルはクイズに決定

クイズゲームであれば、問題さえ考えればできるし、過去に一度リリースしたこともあります。操作も簡単だし、ゲームが苦手な子でも大丈夫です。出題されるクイズがためになる問題であれば、子供がハマっても大人が文句を言うこともないでしょう。

ためになる問題とは?

教科書の中からクイズを出せれば一番ですが、子供の年代もバラバラでしょうし、今はためになったとしても月日が経ってしまえば、簡単すぎるようになります。小四用、小五用、小六用みたいなこともできますが、自分が潰れます。ゆっくちできなにゃい。

次に雑学クイズを考えましたが、子供に刺さる雑学ってイマイチわからないですよね。その雑学を理解するのに、必要な知識がすでにあるのかがわからないですからね。

そうだ、地元のことを知ってもらおう

サークルの子供たちは、学年、性別、学力、知識、ゲームのうまさ、親の考え方…色々な差があるでしょう。
しかし、兵庫県に住んでいるということは共通しています。ならば、兵庫のクイズを作って、兵庫について知ってもらえばいいのでは?地元に愛着を持ってもらうことはいいことだし、知らないことがあれば大人でも楽しめます。

さあ、クイズゲームを作ろう!

あとは子供をどうやって喜ばせるかです。
自分たちが作ったキャラクターが動けば、喜ぶとは思いましたが、それよりキャラクターが話せば、子供たちが驚いてくれるのでは?と思いました。声は初めてずんだもんを採用しました。
なんで、ゆっくりを使わないかって?
だって、子供からしたら、あの声はメカメカしすぎでは…。
ずんだもんは普通に声優さんが喋ってるのに近くて、子供も喜ぶと思いました。

ずんだもん、いいですよね。
本当に自然に言葉を喋ってくれますし、とにかくかわいい。
VOICEVOXのずんだもんは、最近YouTubeやニコ動を席巻していますが、理由の一つに、クレジット表記すれば、無料で商用利用が可能なことが大きいです(四国めたん、九州そらも同条件)。
そのうち、ずんだもんの解説動画や実況動画いくらで請負いますみたいな輩が湧いてくるんやろなあ…。

早速ダウンロードして、使ってみますが、結構直感的に使えます。1キャラにつき、様々な声色もあるため、感情表現もしやすいです。さらにテキストファイルからの読み込みにも対応しており、複数のセリフを一括で音声ファイルにすることもできます。テキストファイルは以下のようにつくります。

四国めたん,おはようございます,こんにちは
ずんだもん,こんばんは
四国めたん(あまあま),さようなら

//よって全てずんだもんに喋らせる場合はExcelでセルA1に
=B1&&C1
//B1に
ずんだもん,
//C1に喋らせたいセリフを入れて、以降C2、C3というようにセリフを入力していく。
//C列にセリフを入力し終わったら、A列、B列をC列が入力されている行までドラッグし、揃える。
//A列をコピーし、メモ帳などのtxtファイルにペーストする。
//改行されているところに「"」が入っているので、置換で消して、VOICEVOXに読み込ませる。

これでゲームの声は問題ないですね。
なお、キャラクターグラフィックは、サークルの子供たちが作ったキャラクターをずんだもんに差し替えています(オリジナルキャラクターのほうはサークル内の限定公開)。

以前のクイズゲームのプロジェクトを見てみたが難しい。

以前の自分はどうやって、これを作ったのか謎です。
問題用のcsvを読み込んで、その中からランダムに10問選び、さらに選択肢の順番もランダムにするということをやっているのはわかるのですが、今みたいに備忘録を付けていないので、その他一切のことはわかりません!
他のゲームも作りたかったので、このプロジェクトに関しては、パパパっとやって 終わり!にしたかったのです。

ビジュアルノベルツール宴を使おう

セールでなんとなく買ったけど、放置していたアセットです。
しかも入門書まで持っているのに放置するダメ人間っぷり。

参考書とか買うだけで満足して、昔から大して読まないんですよね…。
そうか、そうか、つまりきみはそんなやつなんだな。

宴は日本製のアセットで、公式ページのチュートリアルとリファレンスもしっかりしているので、前からチラチラ見てたんですよね。
そういえば、チュートリアルで簡単なクイズゲームを作ってたなあと思い出し、購入してからウン年後の今回初めて起動しました。

↓はじめからをクリック

もうすでに、こんな感じになっていて、絵とシナリオさえかければ、ギャルゲが簡単に作れそうです。絵とシナリオさえかければ。

シナリオの管理はExcelで行います。プログラミングの知識はほぼ不要です。
公式ページを読めば、誰でもすぐにできると思います。絵とシナリオさえかければ。

↑こんな感じ

簡単にゲームの流れ説明すると、
1.まず導入でずんだもんに少し喋らせる
2.クイズの難易度「かんたん」「ふつう」「むずかしい」でルート分岐
3.クイズは4択問題。正解の場合は問題Xの正解ルート、不正解の場合は問題Xの不正解ルートに分岐する。正解ルートはパラメータ正解数を+1する。
4.3を20回繰り返し、正解数パラメータの数で結果発表の演出を変える。
演出終了後、パラメータ正解数を0に戻し、2の分岐点に戻る。

Excelをいじるだけでゲームシステムは簡単にできるので、外出先でもゲームが簡単に作れるし、仕事場でもExcelで作業しているフリをしてゲームが作れます。
以下にちょっと手間取ったところや便利テクニックを記して終わろうと思います。

背景やキャラクターグラフィックを、一括で登録する

背景やキャラクターグラフィックはExcelにファイル名と場所を登録しなければなりませんが、一つ一つ場所をコピペするのは、時間かかりすぎなので、以下の方法を参考にサクっとコピペしましょう。
ゲーム作成以外でも役に立つパソコンのテクニックだと思います。

メニューボタンを消す

今回は単純なクイズゲームなので、メッセージウインドウの下にデフォルトでついているメニューボタンは要りません。

Skip、Auto、Save等は要らない

シナリオ用のExcelシートに以下の文言を入力すると、その行以降はメニューが消えます。

HideMenuButton

集めた画像をリサイズしたり、文字を入れる

今回クイズゲームということで、画像を大量に用意したのですが、大きさがマチマチだったり、トリミングが必要だったり、文字を入れたかったりと色々ありました。ペイントソフトやグラフィックソフトを使ってもいいのですが、以下の2つのサイトで間に合わせました。
非常に優秀だと思います。

↓まず画像を一括リサイズ

↓文字入れ、トリミング等の加工

キャラクターを反転させる

キャラクター画像の左右反転はよく使う表現だと思うのですが、詳細に書かれている箇所が見つからず、戸惑いました。

CharacterシートのScaleの列にx=-1と入力すると、キャラクターの大きさはそのままで左右反転します。左右反転しつつ、通常の0.5倍の大きさにしたいときは「x=-0.5 y=0.5」と入力します。x=-0.5しか入力しないと、yは1のままなので、キャラクターが細くなります。

タイトル画面を差し替える

デフォルトでは、タイトル画面は上のようになっていますが、今回はゲームをはじめる「はじめから」とクレジットを表示させるボタンの2つしか必要ではありません。

Canvas-AdvUIのTitleでタイトル画面を編集できます。

StartGameは「はじめから」ボタンなので、そのまま生かし、テキストだけ変更します。
クレジットボタンはGalleryを作り変えます。
あとのボタンは非アクティブ化します。

背景画像はCanvas-AdvUIのTitleのimageコンポーネントのソース画像を入れ替えると、変更されます。

galleryは今回、クレジット画面として使用するので、ソース画像をクレジット画面用の画像にし、戻るボタン(ButtonBack)以外は非アクティブ化します。

↑クレジット画面用画像

タイトル画面の差し替えについては、以下の記事を参考にしました。

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