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病院で検査までの道のり

思えば、不正出血などは良くあった。生理はきれいに正常だとおもっていたが、生理痛がとてもひどく、腹を抱えて起き上がれないときもあった。
でもそんなもんだと思っていた。
不正出血も、よくあることだと思った。
健康だけが取り柄だったから、疑問にも思わなかったし、ネットで検索してみても、都合のいいところだけを切り取って信用していた。

その日は、友達と夕飯を一緒に食べ、よく行く銭湯に行く予定だった。そろそろ銭湯にいこうかと思っていた矢先、突然、ドバっとなにかが漏れた感覚が。
まさか、この歳でもう失禁か・・・と思い、絶望の思いで急いでトイレへ。
トイレで脱いだ自分のパンツには、真っ赤な血が。その血はパンツから溢れて太ももにまで流れていた。
一瞬頭が真っ白になる。
生理は数日前に終わったばかりだった。今までの不正出血はおりものに血が混ざったような程度のもので、排卵日のような日に来ていた。
前回の生理の前もまとまった出血があったりしたけど、生理前だったし。よくあることなのではと思い込んでいたけど、生理の終わったすぐ後に、この量の血がでたのは初めてだった。

血、というものは、人を不安にさせるんだと思う。
女は一ヶ月に一度、定期的に股から大量に出血することがあたりまえだなんて、今思えば本当に不思議だ。当たり前でしかないのかもしれないけれど、男の人は想像できるだろうか。大量のあたりまえの出血を。

一気に不安になり、銭湯に行くことにも不安を感じた。友達には、不正出血がやばくて、お風呂無理かも。とそのままを告げる。
その友達は、40代の男だったが、適当になんでも話してしまうことができたため、前から不正出血の話はしていた。また、この友人は温泉友達のようなところもあったため、普段から生理という言葉は普通に使っていたし、別に男相手であろうが、生理は生理だし、大好きな温泉に行けない理由など生理ぐらいしかないので、なにも考えずに生理の話はしていた。
ま、この友人についてはいつかゆっくりとお話ししたいところがたくさんあるし多分この先も少し話題に登ると思うが、わたしは「どうしょもない40代男」という認識で。まあ、信用性も薄いし、ギリギリのところを生活しているという印象。
なのでわたしは年下だったけど、この人の人生を私なりに心配していたし、なにかできることがあれば、助けてあげたいと思う友人であった。
超偉そうだな、わたし。

そんな友人に、突然
「やばいよそれは。いいかげん病院に行った方がいいよ。」
と言われたのだ。

え。そんなですか。そんなやばいのわたし。

その一言で一気に今まで適当ボックスにぶち込んでいた、わたしの体の不安が飛び出てくる。

生理痛
不正出血
大量のおりもの(超悪臭)
下半身の痺れ
今さっきみた大量の出血
エトセトラ

その友人をバカにするわけでは決してないが、そいつに言われなかったら、わたしは今も病院になんか行かず、体の不安はとことん適当ボックスにぶち込み、今頃すくすくと「ガン」を体の中で成長させていたことだろうと思う。ほんとに。
だって女友達とかに言われても(実際よく注意を受けていた)なにも響かなかったのだ。はいはい、そうですよね、あなたから見ればね、みたいな。
わたしは結構適当なことが多く、都合の悪い言葉は、ホイホイと捨てまくっていたんだと思う。

そうしてズボラなわたしは、そのどうしょもないおじさん友人に心配され、「やばい」と言われたことから、自分の症状に危機感を感じ、病院へ行くこととなった。

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