【OW2】アビリティの使い方に関する諸問題
アビリティに関していろいろと。
◯Spiloコーチの動画
私がよく参考にしているSpiloコーチの、「ヒットスキャンの基礎」という動画から。
(紹介がないからよくわかんないんだけど、)LoLのコーチをしてる人をOWでコーチングしてるっぽい。
動画・コーチングの内容自体は、ダメージ(主にヒットスキャン)の基礎として、「オフアングル」「得意距離」「タイミング」「メカニクス(フィジカル)」が重要ですよということなんだけども、この記事の主旨とは逸れるんで割愛。
以下では、動画序盤のアビリティに関することを要約。(かなり雑だし、都合のいいように書いてる部分もあります。)
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「アッシュのダイナマイトでキリコの鈴を使わせるようにプレイしてるんだけど、それっていいの?」
「良いトレードだと思う。CTはダイナマイトのほうが短く(12秒vs15秒(執筆時点))、鈴のほうが重要なアビリティだ。ULTも貯まる。
トレーサーのブリンク一つで避けられるようなトレードなら、それは良くないが。
さらにダイナマイトと鈴の違いは、ダイナマイトは相手を殺す脅威になることだ。鈴では誰も殺せない。
キリコがミスを犯したなら、ダイナマイト+射撃で死ぬ。
鈴は(この場合)アビリティのためのアビリティだが、ダイナマイトは相手を殺すためのアビリティだ。
それは相手のミスを誘うことにもなる。」
ーーー
「アビリティを攻撃的に使ってプレッシャーをかけたいわけだけど、相手にソンブラとかゲンジがいたらどうすりゃいいの?相手本陣にダイナマイト当てたほうがいい?」
「まず、基本的にアッシュ対ゲンジは、ポジションがとれているならアッシュのほうが脅威は大きい。
(※以下の図は動画でのフリーハンド図をもとに私が作成したもの。)
ゲンジはそこに近づくことにより、ゲンジのほうが脅威は大きくなる。
さて、ここでダイナマイトが活躍する。
ゲンジはアッシュにダイブして多くの脅威を与えようと思っているだろうけど、アッシュはダイナマイトを持っているんだ。
これにより、比較的安全に相手の脅威を拒否することができる。
これにより相手のゲンジがダイブしてこないなら、それはアッシュの勝ちだ。もともとの脅威はアッシュのほうが上だから。
なので、アッシュはダイナマイトを使わなくていい。
ソンブラでも同じ。(ソンブラはダイナマイト食らうとハックもステルスもできない。)
ダイナマイトを使わないとアッシュの脅威は80%かもしれないが、ゲンジ・ソンブラは60%の脅威にしかならない。総合的には勝っている。
なので、シートベルトとしてダイナマイトを保持するのがいい。
ただし、ゲンジやソンブラが自分に絡まないような遠くにいることがわかっている場合は、もちろんダイナマイトを攻撃的に使っていい。」
ーーー
(翻訳・要約はここまで。)
◯理想と現実
さて、上の内容はいわば教科書的な理論である。
「それを受けて実戦ではどうか」っていう話もあるんだけども、私の場合はもっと初歩的な段階の疑問がある。
ゲンジにダイナマイト当てられるかな、と。
「まず高台とかから撃つ。ダイナマイトも使う。ゲンジが来る、コーチガンで弾く、詰められて死ぬかもしれないし、味方のケアとかあって助かるかもしれない。
ゲンジには殺されても、それまでの高台から撃ってる分と相手にダイナマイト入れてる分の活躍はしてるから、後は味方頑張ってくれ。」と。
対ゲンジをダイナマイトで有利にする自信がないのならば、それが目一杯のプレイかもしれない。
ちなみに私自身は「当てられるかな?」とかいうレベルじゃない。私はライバルプレイでアッシュを出したことがない。
(追記:コーチガンでダイナマイト爆発させられることをさっき思い出した。そのレベル。)
問題はそこじゃあないんだ。私ができるかどうかじゃない。
私が何に対して、記事タイトルでいえば「諸問題」を抱えているかといえば、例えば「『アッシュはダイナマイトによってゲンジを追い返す』ということを前提として、例えば私がタンクをやるときのプレイングに反映させたり、あるいはその前提で私が記事を書いていいのだろうか」、というようなことである。
以下は、それら「諸問題」についての雑記。
◯『初級~中級者向け』において
私は、初級~中級者向けということで記事を書いていることが多い。
記事の中で、「上位帯・競技シーンならともかく、一般の野良マッチではーー」と記述することも多い。
んで、私の記事が参考になるレベルの初級~中級者には、そもそもアビリティによるリソース交換の有利・不利なんてのは関係なく、もっと別の要素から学んでいくべきだと思っている。
というか私も知らんし。
そのような上級レベルのことは必要ないとしても、自分自身はアビリティを使って戦っていくわけなので、それを自分がどのように使うかというのは初級~中級者でも非常に重要である。
なので私も単純なアビリティの使い方に言及することはあるが、それは何を前提とすればいいのだろうか。
◇例:ウィンストンとバリア
ウィンストンがジャンプしてバリアを置く。よくあること。
私だってガチの初心者に向けてなら、「ウィンストンはジャンプしてバリア置いてビリビリ。やばくなる前にジャンプで逃げようね」と示すと思う。
「敵陣のど真ん中じゃなく横とか高台の弱そうなやつを狙おうね」とも付け足すと思うが。
しかし、だ。
自分ではそんなこと言うくせに、もしも他人が「ウィンストンはジャンプしてバリア置いてビリビリ」とか言ってたら、「違うんだよなぁ~」とか言う。
「遮蔽物を利用しなきゃいけなくてぇ~ そもそもバリアを置かなくていい状況に対して跳ぶべきでぇ~」とか言い出す。私は。
例えばルート66の第一。ガソリンスタンド上に跳ぶことが多いわけだが、
ここでバリア置いてるウィンストンがいたら、「お?ちゃんと考えて置いてんの?」「すぐバリア置いちゃうか~」とか思う。
「ジャンプしたらバリアも使っちゃう癖がついてるなら直したほうがいいよねぇ」とか思う。
これらの指摘は、別に間違ってはいないと思う。バリアの使い方に気をつけましょうってのは、そりゃあそう。
なんだけども、私はウィンストンでジャンプしてバリア置いてることが多い。
もちろん置いたほうがいい場面はたくさんある。
それ以外で、例えば遮蔽物を利用できるように跳び(上のルート66みたいな。)、置かなくてもいいと判断することもあるんだけど、それでも置く。
様々なことを信用せず、安定行動のために。
まず、自分自身の能力を信用してない。
「バリアを使わなくていい状況へ跳ぶ」ということを自分ではやってるつもりだけど、それは本当にバリアがいらないのか。
自分では状況を判断してるつもりだけど、見落としがあるかもしれないし、相手のアビリティ等を正確に管理できているわけでもない。自分では大丈夫だと思って跳んでも、即死するかもしれない。
あるいは、行けると思ったタイミングで跳んでるわけだけど、それは自分の勘違いで、実際は味方がついてこれないタイミングかもしれない。
なので、バリアを置く。自分でもいいバリアだとは思っちゃいないよ。
でも自分を信用してないから、置く。死ぬよりはバリア無駄遣いのほうがマシ。
いや、置かないことも多いけど。
また、味方を信用してない。
ウィンストンがジャンプしても、キリコは付いて来ずに地上で御札投げてるし、アナはどうせそこにヒールを通せる位置まで前に出てない。
なのでバリアを置かないとキツい。
(※これらについてはこの記事も参照。)
もちろんある程度レートが上がればこういうのは減っていくんだけども、少なくとも私の記事が参考になるような初級~中級者向けという話ならば、サポートは来ないことを前提としていなきゃならない。
これはウィンストンのバリアに限った話じゃない。
よく言われることだが、味方を頼ってちゃダメで、自分がキャリーしなきゃいけない。
「ヒールが来ないから」「味方が助けてくれないから」とか、そんなのじゃいつまでたっても勝てないし上手くならないんだ。
「何を前提とするのか」という話だった。
もちろん高レートや競技シーン、チームでやってるなら別だが、一般的な野良のマッチ、特にレートが高くないのなら、味方からの援護が来ることを前提としてはダメだ。
もちろん程度問題だけども、特に8割以上のサポートのEキーとQキーは壊れているので、無いものとしてプレイしなければならない。
ーーー
だけれども、それではいつまで経っても上のレベルのプレイはできない。
「安定行動のために一応バリアを置くか」では、一生そのレベルのアビリティの使い方にしかならないんだ。
参考:Super
元トップリーガー・アメリカ代表。優勝経験も豊富な、OWといえばこの人、Super。
の、前回のワールドカップ代表選考会でのワンシーン。
ヒーローはウィンストン。混戦の中、相手のトレーサーがパルスボムを使用。
自分のライフは292、プライマルレイジが溜まっている。
プライマルレイジを使わない。
これを見たときはマジでSHOCKを受けた。
たしかにSTUCKの文字は出てないけども、爆発範囲ダメージはあるわけだし、そもそも相手のウィンストン・トレーサーに絡まれてる。
それでも使わない。もちろん溜まってるのを忘れてるとかじゃない(レイジあるよと自分で言ってる)。
動画は↓。時間指定してあります。
世界最高峰のプレイヤーと比較するのも烏滸がましいんだけども、私だったら絶対使ってる。
別に使っていいと思う。なんだけども、Superは使わない。
そういうこと。
ーーー
◇とはいえ。
「自分が信用できないからバリア置いとこう」「味方が信用できないからそれを前提に動こう」というのは、現実的・実戦的にはそれでいいかもしれないが、理想・理論としてはそれが正解な訳がない。
とはいえ、「上手いプレイヤーはこうしてるから」というのは、初級~中級者がそのまま真似ていいわけでもない。
パルス使われたら厳密には死なないかもしれないけど、レイジ使っていいよ。
理想と現実が異なっているとして、そうならば、自分はどのようにアビリティを使えばいいのか?
そして、私は記事に何をどのように書けばいいのか?
それが、諸問題の一つだ。
もちろん、0か1かの話じゃあない。全くアビリティが使えないわけでもない。
だが、「いくらなんでもそれぐらいは…」と思うようなこともあるし、はじめに紹介したアッシュとゲンジのリソーストレードのようなことに関しては、「いやそれは初級~中級者には…」という話になる。
話は変わって。
◯アビリティによる相性
ヒーローの対面相性だとか、マップの相性なんてものがある。
が、そんなのはアビリティ一つでひっくり返る。
ザリアは最強だけども、バリアを一つ浪費しているだけでひっくり返る相性なんていくらでもある。
あるいは、前にレッキング・ボールの記事でも書いたのだけども、確かにアビリティが相手に対してアンチになっていたとしても、それが全体として最適かというと話は別だ。
例えば、ドゥームフィストがパワーブロックしてたらシグマの岩やオリーサの槍を当てたくなる。
だけども、それは本当に最適だろうか?当ててどうするのか?むしろ、こちらもアビリティを使わされたんじゃないか?
岩や槍はガードしてるドゥームよりも、キルの脅威になる後衛に当てたほうが有効なんじゃないか?
もちろん、ドゥームがパンチもスラムも使ってたりライフが少ないならば、ドゥームに岩を当てたほうがいいかもしれない。
それらの正解は、やはりドゥームのアビリティ状況に依存する。
さらにこれらは、はじめのアッシュvsゲンジでも触れたように、本人の技量にも依存する。
アビリティを当てられるのか?その対象・タイミングは適切なのか?
シグマの岩は割と簡単な方で、ガードしてるドゥームにはまあ当たるだろう。
他にも例えばシグマの盾とかオリーサのフォーティファイのような、押しとけば効果が現れるアビリティならば、それらは使える前提で語っていいだろう。もちろん対象やタイミングの話もあるが。
一方で、例えばジャンカークイーンのギザギザブレードやオリーサのエナジー・ジャベリン、アナのスリープダーツのような、当てるのも若干難しくタイミングや対象も比較的シビアなアビリティに関しては、効果的に使えることを前提にはしづらい。
「相手がこうしてきたらオリーサはやり投げで対抗すればいいから」というのは、簡単とは言えない相性の話になってくる。
あるいは、アナのスリープダーツなんてのは最強だ。一部ヒーローの一部状態を除けば、誰でも眠らせることができる。
もちろんトレーサーやソンブラやゲンジに当てることを前提にはしないが、大きめのタンクには当てることは前提としてもいいのではないか?
これらのアビリティの前提は、ヒーローの相性や立ち回りに大きな影響を与える。
過去に記事をいくつか書いているけども、例えば立ち回り・エリア展開の内容を書くとして、「アナは相手のタンクを眠らせてこっちに移動しましょう」と書いていいもんだろうか。
上にも述べたように、ヒーローの相性なんてアビリティ一つでひっくり返るため、アンチピックだとか、Tier表のようにヒーローが強いだの弱いだのいうのは、慎重によく考えなきゃならない。
◯アビリティの使い方
ここまで書いてきたようなことにより、私はあまりアビリティに関して、「何が正しいか」というようなことは言及できない。
「アビリティの使い方がー」とか「このアビリティがあるからヒーローの相性がー」のようなことは、上述のように様々なことが前提となっているため、一概には言えない。
「初級~中級者はこうしとけばいいよ」と書くことはできるけど、もちろんそれが正解だというわけでもない。
ヒーロー相性だって、アビリティひとつでひっくり返ることも多い。
なので私は、あまりそれに対して示せない。もしかすると「正解」というものはあるのかもしれないけど、現実としてその通りに事が運ぶことはない。
ーーー
しかし、「アビリティは色々あって難しいから、わかんないよね」で終わってしまっては何にもならない。
では、初級~中級者に向けては、アビリティに関してどのようにアプローチするべきか?
それは、やはり基本に立ち返ることだ。
小難しく込み入っていることではなく、オーバーウォッチというゲームの基本に忠実に。
その基本とは何か?
今までの私の記事を読んでいただいている方なら熟知しているだろうが、「相手を殺すこと」だ。
あらゆるプレイは、戦って・交戦をして相手を殺すために行われる。
盾を出すのも、防御アビリティを使うのも、エリアを広げるのも、遮蔽物を使うのも、照準を合わせてクリックするのも、そして味方をヒールするのも、それらは全て交戦して相手を殺すこと・その脅威を与えることが目的だ。
はじめに紹介したSpiloコーチの動画でも散々述べられていることだが、相手にプレッシャー=キルの脅威を与えることが最重要なんだ。
その基本を忘れてしまってはいけない。
使ったアビリティが、リソーストレードとしては不利かもしれない。そのせいで死んでしまうかもしれない。
そこはどうでもいい。重要なのは、「自分が相手に脅威を与えられるか」だ。そのプレイが正しいかどうかなんてのは、もっと上級者になってから考えればいい。
アルティメットの使い方が正解かどうかなんてどうでもいい。まず、使うことだ。
もちろんただQキーを押すだけじゃない。どの位置からどのタイミングでどの対象に対して使うのか。
それを、自分でヒーロー選んでるんだから、自分ではできるようにならなきゃ。
ーーー
キリコの鈴はどうやって使うのか?ライフが減った味方の緊急回復じゃあないよ。
相手にクナイ当てて、自分が死にかけたら自分に鈴使って一瞬無敵になって、もう一発ヘッドショットを当ててキルをとるために鈴を使うんだ。
相手を殺したら味方が受けるダメージが減るから、そもそも味方はピンチにならない。
バティストのイモータリティフィールドは何に使うのか?
置いてたら死なないから、その間に相手のウィドウを撃ち殺すために使うんだ。
あるいはルシオのサウンドバリア。基本はカウンターULT。
こう使う(↓)。時間指定してあります。
繰り返すが、これらが正解って言いたいわけじゃない。
いかに相手を殺すか・その脅威となれるか、そのためにはアビリティをどう使えばいいか。
その基本をおろそかにしてはならない。
ーーー
上でも述べたが、アンチピックと呼ばれるもの。それは様々な要因によるが、アビリティは確かに大きな要素だ。
だが、たしかにアビリティで相手にスタン・嫌がらせをできたとしても、それが相手を殺す脅威になっているのか?試合に勝てるのか?ということをよく考えなければならない。
ボールでホッグに釣られても別に死なない。むしろ、「これで味方が釣られて死ぬことはなくなった、味方はフックの脅威がないホッグを攻撃し放題だ」と思う。
もちろん様々な要因によって、どのアビリティを誰に使うかというのは正解が異なってくるだろう。
しかし、「このヒーローにはこのアビリティ」のような表面的な行為だけをなぞっても上手くいかない場合も多い。
ーーー
◇まとめ
「どうすれば相手を殺す脅威となれるのか」を第一に考えること。それが、私の示す「アビリティの使い方」だ。
それは正解じゃないかもしれないが、初級~中級者に足りないもの・その基礎としては、そういうことだと思っている。
オマケ:呼称
私は「スキル」ではなく「アビリティ」と表記する。正式名称だから。
日本では「スキル」という方が一般的で、OWやValoの公式大会でも、キャスター陣は「スキル」と言うことが多い。
さらに言えば、LoLは公式が「スキル」表記だ。日本語では。
言葉の意味としては、「アビリティ」は先天的に身についているもの、「スキル」は後天的に身につけたもの、のようなニュアンスがあるらしい。
OWの各ヒーローの能力を考えるとき、トレーサーのブリンクはトレーサーに元々ある能力(アビリティ)で、それをプレイヤーが使って例えばブリンクパンチをする、それはプレイヤースキルというような呼ばれ方をするかもしれない。
そういう話があるんだけども、別にどうでもいい。
私も記事に書くときはアビリティって書いてるけど、別にスキルでもなんでもいい。
ーー
が、欧米ではスキルでもアビリティでもなく「クールダウン」という呼称が用いられることも一般的だ。
トッププレイヤーたちもそういう言い方をする。
んで、実はこれって結構重要なことなんじゃないかと思っている。
各ヒーローの能力のことを「スキル」でも「アビリティ」でもなく「クールダウン」と考えているんだ。
ーーー
少し話は逸れるが、私は人生で様々なゲームに触れてきたが、思い返すとスキルやアビリティがクールタイム制のものはあまりプレイしてこなかった。
もちろん今思えばそういうものもあったが、それを意識していなかっただろうし、オーバーウォッチを始めたころも全く考えてなかった。
そういう意味では、初めてスキルのクールタイムを意識したのは原神だ。
しかもそれも、プレイを始めてからたぶん1年以上経って、某eスポーツキャスターが配信で原神をやってるのを見たときに、スキルのクールタイムを意識してプレイしているのを見てからだ。
彼は流石に様々な対戦ゲームに精通しているため、始めたばかりの原神というゲームに対してもその考え方を適応させていた。
原神に関しては私のほうが古参だったが、その要素では私より上手かったわけだ。
私も流石に今では原神においても様々なCTを意識するようになったが、それでも原神は戦闘が簡単で雑にスキルやULTを使ってもクリアできるため、あまり重要ではない。
このように、少なくとも以前の私は「スキル」と呼ばれるものに対して、「クールタイム」「クールダウン」という考え方自体を持っていなかった。
ーーー
オーバーウォッチの話に戻って。
そんな私だから、OWにおいても、はじめの頃はアビリティのクールタイムなんて意識したことがなかった。
なんなら今でも、明確にCTを意識するのはラマットラのアビリティ回しぐらいだ。
盾置いて、ネメシスフォームに変形して、戻ったらまた盾置いて、と。
それ以外は、「無駄遣いしないように」というぐらいだ。
これがもしも、ヒーローの能力の呼称がアビリティでもスキルでもなくクールダウンというものだったら、どうだったろうか。
あるいは原神においても、「元素スキル」がクールダウンという呼称で呼ばれるのが一般的だったら、どうだったろうか。
それらの固有の能力に対して、私は「時間による管理が必要なものなんだ」という意識を、今よりも持っていたんじゃあなかろうか。
ーーー
以前に記事に書いたが、「サポートはヒーラーじゃない」と、よく言われる。
別にどう呼んだって、あれらヒーローの中身・本質が変わるわけじゃあない。
しかし、やはりサポートのことをヒーラーと呼んでいては、「こいつらでヒールしとけばいいんだな」というような誤解を招く表現になるという危惧はあるだろう。
やってること自体はヒールがメインなわけだが、それでもヒーラーと呼ぶのは、OWにおけるサポートロールの役割の本質を見失ってしまう可能性があるため、あまり好ましくないだろう。
同様に、アビリティのことはクールダウンと呼ぶ方が、よりその本質に近い考え方を持つことに繋がるのではなかろうか。
「アビリティの使い方を意識しましょう」という場合と、「クールダウンの使い方を意識しましょう」では、(もちろんCTごとにアビリティを使わなければならないわけではないが、)後者のほうがもっと積極的に自分のアビリティを相手に当てに行くような意識・プレイングに繋がる可能性はある。
さらに言えば、OWの各ヒーローの能力はあくまでも先天的なもの=アビリティであり、それをプレイヤーがどう使っていくか=プレイヤースキルの方が重要だ。
アビリティはあくまでもアビリティなんだ。ただの決まっている能力。
重要なのは、自分がどうプレイするかだ。ヒーローのスキルじゃなく、自分のスキルだ。
オーバーウォッチはヒーローを選んだら自動戦闘してくれるソシャゲじゃあない。
もちろんそういう意味で「スキル」という呼称をしている人はいないだろうが、「サポートはヒーラーじゃない」「クールダウンという考え方」というようなものと同じように、名は体を表すという意味で、「ヒーロー固有のアビリティ、プレイヤーのスキル」というような表現が、私はふさわしいと思う。
そしてさらに、韓国や中国がどう呼称しているかは知らないが、少なくとも日本よりはOWが発展している欧米において「クールダウン」と呼称されているというのは、ただの呼称の問題ではなく、そういう意識・考え方自体を参考にするべきなのかもしれない。
2024/03/11 デ・カイパー志熊
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