【OW2】サポートの役割:Spiloコーチの翻訳・要約
サポートはダメージも出さなきゃいけないと言われたり、なんだかんだヒールのほうが重要だと言われたり、色々と難しいですね。
例題:
あなたはアナです。
ライフ177の味方のキャスディと、ライフ372の相手のジャンカークイーンがいます。
どっちを撃ちましょうか。
そういうのを説明してるのが、Spiloコーチが投稿した「The COMPLETE OW2 SUPPORT GUIDE: Tips and Tricks for EVERY Hero」という動画(配信の録画)です。
この動画を見れば済む話なんですが、長いし英語だしで取っつきにくいので、簡単に要約してみます。勝手に。
冒頭のイントロとアナのリプレイ解説の部分で要点になりそうな箇所だけ都合よく解釈して書いていきます。
恣意的です。断片的でツギハギになっている部分もあります。ご了承ください。
(動画の話の順番に訳していくわけではないので、動画を見ながら記事を読んでも時系列が合いません。すいません。)
※私の英語力はブロンズ4です。
・Spiloコーチって誰よ?
Cloud9のOverwatch部門、London Spitfireでもコーチを務めた人。トッププロ以外にもコンテンダーズチームや一般プレイヤーへのコーチングも行っている。
元々は数学や体育の教師なので、指導という点においてもプロフェッショナル。
(以下、翻訳・要約。)
・そもそもOWに必要なこと
やるべきことは二つ。
プレッシャーを与えることと、マップをコントロールすること。
プレッシャーというのはキルの脅威。あくまでも脅威なので、実際にキルが発生することではない。
マップコントロールは普通に有利エリアの確保。詳細は掘り下げないが、高台やライフパックの近くなど。
マップコントロールはプレッシャー=キルの脅威につながり、もちろん相手からの脅威は少なくなる。
(やるべきことは二つと書いたけど、目的はプレッシャー=キルの脅威を与えること。マップコントロールはそのためにある。)
このプレッシャーを最大化し、相手からのプレッシャー・リスクを最小化するのがOWでするべきこと。
もちろんタンクやダメージだけでなく、サポートも。
アナの阻害瓶を自分に使うこともあるけど、相手に使ったほうがより効力を発揮する場合が多い。
また、もちろん死んでしまってはプレッシャーを与えることができない。
優れたポジションのコントロールができていれば、これらのプレッシャーを最大化し、リスクを減らしやすい。
また、プレッシャーを最大化するためにはアビリティの管理・使い方も重要。
プレッシャー=キルの脅威というのは、もちろんゼニヤッタが直接的に相手を攻撃することもあれば、ブリギッテがポジションを確保し、近づいてきたらキルするよという脅威でもある(キルできるか?)。
そしてサポートが特別なのは、間接的なプレッシャーを与えられるということ。
サポートプレイヤーは自分が撃つだけでなく、例えば味方をヒールすることでも間接的にプレッシャーを与えることが出来る。
ルシオのスピードブーストは味方のキルをサポートでき、味方をデスから防ぐことができる。
アナのスリープダーツやゼニヤッタの不和のオーブはもちろん相手をキルするのに役立つ。
味方をヒールすることは、自分がダメージを与えていなくても、間接的にプレッシャーを与えることになる。
味方のラインハルトをヒールすることは、間接的に相手にプレッシャーを与えることになるけども、それが唯一の方法ではない。
自分たちが与えるプレッシャーが少ないと、相手がより攻撃的にプレーし、相手のプレッシャーのほうが大きくなってしまうこともある。
これら全てにおいて重要なことは、プレッシャーを最大化し、リスクを最小化するということ。もちろんマップコントロールもそこに含まれる。
「味方をヒールするか、相手を撃つか、相手の誰を撃つか」というような選択は全て状況によるが、必要なのはプレッシャーを最大化すること。
そして、サポートは間接的にプレッシャーを与えることができる。
(以下は、アナのプレイングのリプレイについての解説の一部。)
はじめはマスターのアナのプレイ。
・動画の23:09~の場面。
このライフ372のジャンカークイーンとライフ177のキャスディのどちらを撃つべきか。
この後ジャンカークイーンはシャウトを使用しダメージを受け、ライフは427になっている。
ライフ427のジャンカークイーンに75ダメージの射撃を行うと、どれだけのキルプレッシャーが発生するのか。
実際にキルの脅威となるためには多くの射撃が必要になるため、ジャンカークイーンを撃ってもあまり意味がない。
(以下は実際のアナのプレイ。)
"OK, Great Job."
ランクが低い場合は、キャスディへのヒールに夢中になったり、逆にジャンカークイーンへの射撃に夢中になってキャスディを死なせてしまうかもしれない。
このアナはキャスディを生かすだけでなく、ジャンカークイーンのキルにも貢献した。
・動画の26:58~。
上のシーンから少し進んだ場面。
アナのポジショニングは非常に良い。
ここは大きなプレッシャーをかける絶好のチャンスだったが、機会を逃してしまった。
相手のバックラインのフォローアップを見てみましょう。
相手のバックラインへ阻害瓶が刺さったならば、相手は迂闊に前に出られなくなり、相手のプレッシャー=キルの脅威を減らすことになる。
そうすれば、味方チームはよりジャンカークイーンへフォーカスできるようになる。
(鈴で阻害は解除されるだろうけど、鈴を消費させるのは重要。CTも鈴のほうが長いし。)
ここで、味方はランペイジを受け回復ができない状態、ザリアはライフが十分にある。
したがって味方を撃つ意味はなく、相手の侵攻を止める方に価値がある。
This sleep darts is Ambitious Great Shot.
これが、このプレイヤーがマスターである理由だ。
・動画の33:07~。
味方のライフが十分にあるとき、何をすべきか。もちろん、相手にプレッシャーを与えるべきだ。
Big Pressure.
この瓶一つで相手はエンゲージできなくなった。
(この後、アナは引いて回復を優先するが、)
Stop Healing, Stop Healing. ここはダメージを出しに行ける場面だ。
共通して、アグレッシブに行動し、いいポジションから相手へのプレッシャーを最大化することを考えていかなければならない。
続いて、ブロンズのアナのリプレイ。
ヒールすることや積極的なポジションからサポートすることで、間接的にキルの脅威を最大化できているかを見てみましょう。
味方へのカバー(ヒール)は悪くない。が、
これでは相手へのプレッシャーがない。
自分は相手へ全くダメージを与えられていないし、スリープダーツや阻害瓶が相手への脅威になっているわけでもない。
相手の構成的に、それらのアビリティを特別に温存しなければならないというわけでもない。
ここで、味方がダメージを受けたので瓶を守備的に使う。
瓶を攻撃的に使い相手へとプレッシャーをかけていたのならば、相手からの脅威が減り、そもそも味方が多くのダメージを受けることはない。
これはいい阻害瓶。
メイを見てみましょう。このメイは阻害を受けてしまったため退かざるを得なくなり、全くダメージを出せなくなった。
このメイからのプレッシャーはゼロ。そしてこのメイはやられてしまった。
この阻害瓶一つで、味方はキルを取ることができ、受けるダメージを減らすことができた。
・動画の45:55~の場面。防衛側。
さて、このシーンの問題は何でしょう。この場面では攻撃と回復のどちらを重視するべきだったでしょうか。
答えは、「わからない」。
味方が見えておらず、味方に回復が必要かどうかがわからないから。攻撃の射撃だけをしていては、阻害瓶を相手に投げて良いのか、味方に投げるべきなのかがわからない。
別の問い。この場面では誰を撃つべきか。射撃の技術は別として。
ここではオリーサを撃つべきではない。プレッシャーについて思い出しましょう。
ゼニヤッタは撃たれるとキルされる恐れがあるので退かざるを得ない。
しかし、フォーティファイ中のオリーサを撃ってもプレッシャー=キルの脅威を最大化することはできない。
ゼニヤッタを撃てるようにエイム練習もすると良い。
遠くからライフ満タンのオリーサに阻害瓶を当てて撃ってもキルの脅威にはならない。
それよりは味方のエコーをヒールし、相手のゼニヤッタやハンゾーを撃つほうがプレッシャーは大きい。
(翻訳・要約はここまで。)
長い動画の内、はじめのイントロの部分とアナの説明の部分の、その中のさらに一部分をピックアップして要約しました。
もっと重要なことを語っている場面も多くあるでしょうが、ここからはキミ自身の目で確かめてくれ!
「プレッシャー=キルの脅威を最大化する」というのは、非常にわかりやすい表現だと思います。
はじめにも書いたように、「サポートプレイヤーは回復だけしていては駄目だ、ダメージも出さなきゃいけないんだ」のように言われることもあります。
初心者のうちはサポートの役割として味方のヒールだけに集中してしまうこともあるでしょうが、初心者を脱出するためにはそれだけではいけませんね。
それを、「プレッシャーを最大化する」と表すのは非常に的を射ていると思います。
サポートは直接的な射撃だけでなく、様々な方法で味方をサポートすることで間接的にプレッシャーを与えることができますね。
はじめに、ジャンカークイーンとキャスディのどちらを撃つべきか、という例を挙げました。
本文中にも画像を載せてますが、キャスディを撃って回復し、阻害瓶を投げ、ジャンカークイーンを撃ち、スリープダーツを当てればいいんです。
「味方を撃つか相手を撃つか」なんて話ではなく、「やるべきこと=脅威の最大化は全部やるべき」です。
サポートが相手を撃つ場合でも、あるいはダメージプレイヤーについても言われることですが、「相手の誰を撃つのか」という問題。
「タンクばっかり撃っても仕方がない」、「いやタンクを撃って止めなければ」。
これについても、もちろん状況によります。Spilo: "Depends"。
誰を撃てばいいかが決まっているわけではなく、こちらのプレッシャーを最大化し、相手からのプレッシャー・リスクを最小化することが目的です。
誰を撃つか、あるいは攻撃と回復のどちらをするかは、目的に対する手段でしかありません。
モイラがなぜ弱いと言われるのか、あるいはライフウィーバーの評価があまり芳しくないのはなぜか。
ただ単に「ダメージがーヒールがー」というだけでなく、「プレッシャーの最大化」という観点から考えると、理解しやすいかもしれません。
・マクロ→ミクロ・個人というアプローチ方法
このSpiloコーチの動画も、そして私が過去に書いている記事でも、マクロ的な目的を、ミクロ・個人の行動へ落とし込むという方法で、OWに対してアプローチしています。
例えば私の過去の記事では、「タンクはエリアを広げるべきです」という目的に対し、「実戦ではこの高台にジャンプしました」のような具体例を示すような書き方をしています。
もちろんそれも重要なことだとは思うんですが、個人スキル・ミクロ→マクロへのアプローチという方法も重要だと思っています。
例えば、「エイムを鍛えることで多くのダメージを出すことができるようになった」ため、「積極的に相手にプレッシャーをかけるようなポジションに移動することを目指す」というようなアプローチ。
言い換えるなら、自身のハンドスキルは立ち回りに影響を与えるということです。エイムが悪いのにポジションのことばかり考えていても仕方がありません。弾が当たらないんだから。
これらの二つのアプローチは、どちらも必要なことだと思います。
ただ、世に溢れている情報は、どちらかというと個人単位・ヒーロー単位のものに偏っているような気がします。
ということで、私はどちらかというとマクロ的なことを記事に書いてます。
このような話に限らず、そしてOWに限らず、「どっちが大切なの?」みたいな話はよくありますね。
「どっちも大切だよ」と、私は思います。物事は互いに背反の0か1かではないのだ。
※※!!!注意!!!※※
Spiloコーチの動画を理解するだけでは、あるいはこの記事を読むだけでは決して上達しません!
「サポートはヒールだけじゃなくダメージも出さなきゃいけないんだ」というような曖昧な概念だけでわかった気になってしまってはダメだし、それだけで教えた気になってもいけません。
Spiloコーチの説明やこの記事を元に、「具体的に自分には何ができていなくて、何ができるようになればいいのか」ということを考えていかねばなりません。
「相手にプレッシャーを与える」と言っても、味方をヒールするぶんの射撃を相手に向けるというだけでは不十分です。
どのヒーローで、どの場面で、どのように相手にプレッシャーを与えることが、サポートヒーローとして戦局に影響を与えられるかを十分に考える必要があります。
私の記事では、例えば以下の二つに、割と具体的なものが書いてあります。
どのヒーローでどのような立ち回りをすれば、「相手からのプレッシャーを減らし、相手にプレッシャーを与えられるのか・そのサポートができるのか」。
そういうものの参考の一つとしていただければ。
2023/04/22 山下
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?