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アフリカでカツアゲされた話

2年前、モロッコ旅行中の出来事でした。
遠いアフリカの地で、私は人生初のカツアゲを喰らいました。

経緯

その日、私は港町のエッサウィラから大都市マラケシュへ移動しました。

エッサウィラが素晴らしすぎて、私は完全なルンルン気分。
日本を出て2週間、モロッコに入国して10日ほどが経過していたこともあり、かなり気が緩んでいたのでしょう。

マラケシュに到着し、予約していた宿に向かう道中、事件は起きました。

私を囲む男3人

宿はマラケシュの中心にある市場の中にありました。

モロッコの市場はスークと呼ばれ、旧市街が丸ごと市場と化しています。
狭く入り組んだ両脇に店が立ち並び、中は完全な迷路状態。
土地勘のない観光客が一人で目的地にたどり着くことは、ほぼ不可能です。

特にマラケシュのスークは世界最大で、異常なほど混沌としています。

案の定、私も宿を探しながら完全に迷いました。
頼みの綱であったGoogleマップも、スーク内の道を網羅しているハズはなく、自分の位置すら把握できない状態に。

それでも、住所を頼りに何とか宿付近へ。
しかし、あたりを見回してもそれっぽい建物は無く、取り敢えず近くにあった路地へと進入しました。

路地を進むと、道端でたむろするお兄ちゃんが3人。
完全に目が合いました。

咄嗟にヤバいと思い、引き返そうとしましたが時すでに遅し。
3人に囲まれる状態で、声をかけられました。

親切な道案内

「どこ行くの? 迷っているの?」
第一声は割とフランクでした。

逃げることはできない状態で、事実迷ってはいたので、半ば諦めつつ宿の名前を告げて道を尋ねました。

「着いてこい」
そう言うと、男の一人が路地の奥の方へ進んでいきました。
20mほど歩くと、そこには目当ての宿が。

30ユーロに救われる

宿を教えてくれたことに感謝し、その時点では、もしかしたら普通に良い人かもと考えていました。

しかし、そんな私の甘い期待を彼らはズタズタにしました。

「金を払え」
道案内をしてくれた男が宿の入り口を通せんぼし、私の背後を残りの男2人が囲み、お金を要求。

逃げ出すことは出来そうにもなかったので、身の安全を第一に考え、いくら欲しいのか尋ねました。

「一人あたり300デュルハム」
当時のレートで約3000円、それを3人分要求してきました。

その時、私の手元には3000デュルハムあったため、支払いを決意しました。

しかし、約1万円をみすみす手放すのは貧乏学生にはかなり痛い。
そこで、ふと思い出したのが30ユーロの存在でした。

鞄の奥に入れてあった30ユーロ。
それを渡し、これ以上現金は無いと伝えると、悪態を付きながらも開放してくれました。

30ユーロに救われた稀有な経験でした。
(まあ、カツアゲはされてるんですけどね)

おまけ

GWの帰省で落ちつつあった体重が、見事に戻りました。
実家は恐ろしいです。

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