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良い無茶振り悪い無茶振り

お笑いライブのコーナーでよく無茶振り企画があります。
無茶振り企画の定義はなかなか難しいところですが、僕が思うには「事前準備ができない」&「自力で笑いを起こさないといけない」といった感じでしょうか。
その場での瞬発力や対応力が試されるわけです。

「事前に準備ができない」に関しては分かりやすいと思います。
例えばトークコーナーならトークの準備ができるし、一発芸披露コーナーなら一発芸の準備ができますが、そういう準備ができないということです。

「自力で笑いを起こさないといけない」に関してはちょっと分かりにくいかと思います。
自力で笑いを起こすなんてそんなもん当たり前だろ!と思われそうですが、そうでもありません。
例えば『どっちが長く息を止められるか対決』みたいな企画であればそれをやっている状態そのものが面白いので勝手に笑いが起きます。
もちろんより面白く見せたりプラスアルファで笑いをとったりするのは芸人の腕なんですが、流れに身を委ねるだけである程度の笑いが起こる環境は整ってるわけです。
そうではなくてもっと芸人自身が自発的に笑いが起こるように動かなければならないものがこれに該当します。

そんな感じでしょうか。
ちなみにこの定義は僕が今完全な思い付きで書いていますので穴だらけかもしれません。
反対意見などあればお待ちしております。
建設的な議論をしましょう。

とりあえず定義や線引きは置いておいて、無茶振り企画というものは存在します。
で、ここからが本題ですが、個人的に無茶振り企画は嫌いじゃありません。
むしろ好きです。
得意とはよう言いませんが好きです。
ただ、無茶振り企画にも良いものと悪いものがあります。

悪い無茶振り企画は“本当に”芸人の自力“のみ”で笑いを起こさないといけないものです。
どういうことかと言うと、めっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっっちゃくちゃ極端な例だと「なんか面白いことして」です。
芸人が生涯で一万回言われる糞オブ糞の無茶振りであります。
もちろんライブの企画でここまで酷いものはありませんが、本質的にはこれに近いものもあるのが現実です。

例えば大喜利は無茶振り企画なのか?と言われたら、先に書いた条件に当てはまるので大きな枠では無茶振り企画でしょう(ただ事前にお題を教えられる場合もあるのでややこしいですが笑)。
ただ大喜利には「なんか面白いことして」と違ってお題というモノがあります。
これにより、芸人的には『お題に対して面白い回答を言う』という要求が明確で、お客さん的には『回答を聞いて笑う』というルールが明確です。
ホップ!ステップ!まではできていて、あと最後のジャンプの内容で笑いをとってくださいというイメージだと伝わるでしょうか。
なので同じ例で言うならば、ホップ!までしか設定されていないのが「自力で笑いをとってください」状態だと考えてください。
さすがにホップ!さえないような企画はもはや企画ですらないのでこの世に存在しないと思います(笑)

他にもなんとなく例を挙げてみます。
①ボール一個と棒一本があり「このふたつを使っておもしろスポーツをしてください」、これは悪い無茶振りです。
②ボール一個と棒一本があり「古代ローマにはこのふたつを使ったサポーネルという貴族のスポーツがあったそうです。それを再現してみてください。」、これは良い無茶振りです。
だいぶテキトーですが言いたいことは伝わるんじゃないでしょうか。
ステップ!から芸人にやらせるのは悪い無茶振りなんです。

ただし、「これくらい粗い縛りが逆に面白いな(笑)」という意図で“あえて”やるのは全然アリですし、なんなら僕は好物です(笑)
“あえて”ならばそれを踏まえた上でステップ!を作れたり、その粗さ自体を楽しむ方向に遊べます。
“あえて”じゃなく真正面からのそれだとなかなか大変です。
意図の有る無しは大事でございます。

ちなみにデキる作家さんはホップ!しかないように粗く見せかけて実は表には見えない隠れステップ!を用意してたり、ホップ!しかないんだけどステップ!の方向性は示してるホップ!ステ状態を作ったり、ホップ!ステップ!ジャンプ!ステップ!ジャンプ!ジャンプ!みたいな複雑な構造を組んでたり、凄いです。
ちょっと具体的な例は思い出せないけど本当に凄いです。
もちろんそんなこと僕には思い付きません。
山﨑仕事人はデキる作家さんを尊敬しています。

※以下は蛇足駄文です。

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