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ウルトラ・ライト・ヒューマン(ULH)

22年はこれまでメインで楽しんでいたトレイルランニング・ハイキング以外のアウトドアアクティビティや別ジャンルの遊びに手を出しみようと思います。
以前から色々と感じることがあるので一部書いてみます。

個人的UL思想

・「能力が出来高に直結する」ーこの自然の法則に従うことは、生命体としてすがすがしいことだ。
・能力や知識が荷物を軽くしてくれることもある。

「サバイバル登山家」 服部文祥著

このようにヒトの能力を高めることで装備やモノを減らすことができる考えが好きです。削って研ぎ澄ませて淘汰させて残ったものがそのヒトの本質、強さだと思います。それの鍛錬であり楽しみとしてのテンカラ釣りをしています。(食料調達能向上の意味もある)
なので餌釣りや船を出しての海釣りには全く興味がありません。現地調達できるミミズなどを使う分には良いんですがわざわざ餌を釣具屋さんで買って釣りをするのは面白く感じないんです。手掴みで魚が取れるならそれが至高だと考えてるくらいなんで。

何年か前からウルトラライト(UL)なギアが流行り出してますね。
大手のアウトドアメーカーも明らかにガレージブランドっぽい製品を出してたりしてるのをよく見かけます。(とりあえずX-PACの生地使っておけば「っぽい」でしょ!みたいな。これは僕自身大手アウトドアブランドに少し関わっているので肌で感じます。)
ガレージブランドの方ともご近所さんなのでお話ししますが話をする限り似て非なるものだとは言っておきます。(そもそもモノ作りの人間ではないし、歴史や哲学などはある程度知っているくらいなので詳細は割愛)

話が逸れましたが、引用のサバイバル登山家、服部文祥さんもやっていることはハードコアですが方向性としてはいわゆるウルトラライト(UL)化なのでやはり軽いのに越したことはない。

無駄を削って、自分の能力を拡張する。その場にあるものを活用・工夫する。
この組み合わせの楽しみを感じるか否か。

これが持っていくギアの重量を軽くするかヒトの力を高めて荷物の重量を下げるかの分水嶺なのかと思います。

ギアを軽くするにはお金がかかり、能力を高めるには時間がかかる

ギアの重さを測ってベースウェイトが〇〇kg以下、というのもやったことありますが結構楽しい。テンカラ釣りで魚(食料)が獲れる能力があるのならその分の食料軽くできる。どちらも軽くする(UL化)には違いありません。

手っ取り早くギアを軽くするには軽いギアを買い漁ればいいんです。軽くて機能的なギアはそこそこ高価なことが多い。場合によってはシンプルで軽量で安価なグッドデザインな製品もありますがごく一部。
つまりお金をかければUL化はそこそこ簡単なんです。

逆に能力を高めることでUL化を図ろうとすると時間がかかります。
釣り糸の結び方を覚える、体重を落とすダイエット、歩くための体力作り、地図の読み方の勉強など頭も身体もフィールドワークに出る時間もかかります。
しかし一回覚えてしまうとそう簡単には忘れないスキルとして身になります。(やっと釣り糸の結び方を身体で覚えました。)

はっきり言いますと現代的な資本主義社会に適合するのは前者「お金で軽さを買う」です。ビジネスになりますしね。後者の能力を高めるのはその方の時間と努力によるものなのでビジネスとして成立しづらいんです。
なので、ULビジネスがもてはやされているのだと感じます。

先に言っておくとガレージブランドやULギアを使ってる人を全否定しているわけではありません。実際僕も使ってますしね。(だって便利だし)

自分の欲しい、使いたいギアがないから作りだすMYOG(Make your own gear)を実践しているのはULHです。自分の体重を削るのもULHの一人。

ULH(ウルトラライトヒューマン)といきなり言ってみましたが以下の人。

ULH(ウルトラライトヒューマン)
自分で必要なモノや行動を取捨選択・吟味した上で軽量化できる人のこと

全て造語

ULHじゃないなー、と感じるのは流行りだからとか、限定品だからという理由でクリック合戦に参加するとか、転売目的で買う人とか。そもそも使わない人。体重に気を使わない人。平たく言うと頭も身体も使ってない人ですね(言い方がひどい笑)。身体能力向上はUL化に繋がるのでULHの範疇に入ります。

ULビジネスの餌食になるのはULHの範疇外の方、及びギリギリラインの方かと。
その方々が増えれば増えるほど「ブーム」となります。しかし、ブームはあくまで一過性なものなので「文化」「生活」に根づきません。そのうち終わります。
大手資本が手を出し始めた時点で大衆化して価格の高騰と陰りが見えますのでブームの終焉、退屈になってきます。(ゲロ以下の金のにおいがプンプンするぜッーー!! ロバート・E・O・スピードワゴン風に言ってます)

本気でブランドを運営されている方はブームによる好影響は受けていると思いますがブームが去り、ULH外の方が去っても変わらず運営が続けていけると思います。(そもそもブーム前からやっているわけなのでブームとか関係ないかと)

ULの発端がカウンターカルチャーなのに結果大手が手を出すのはスケートボードがオリンピック競技になるのと同じだと感じています。またはストリートブランドとラグジュアリーブランドのコラボ。

ULHの方が長い目で見て心身健康

色々書いてみましたがULブームとかはどうでも良いんです(その業界の人間じゃないんで)。大事なのはその「ヒト」の健康。

自分の能力を高める、広げる方向へのUL化は生活、心身ともに健康・豊かさに繋がります。逆にモノ(欲)に溺れるNot ULHは短期的には良いかもしれませんが長期的には不健康です。断言します。

できないことができるようになる、この楽しさは大人も子どもも同じです。(神経の促通とそれによるホルモン分泌)運動や食事による痩せることでの自己肯定感の向上。それによる仕事への集中力の向上。人間関係の構築など。

モノに頼りすぎず、適度に自分自身のカラダを高めることをすると結果として本質的なUL化と生活の健康・豊かさどちらにも繋がる。

本質的な軽量化と人生の豊かさは同一線状にあると考えています。

運動も栄養も休養も全てはそのため。モノじゃありません。

何が必要で何が不要か?めんどくさいけど頭を使って考えることとカラダを動かすこと、自然の何に身を置くこと。全て欠けてはならない大事なことです。

ブームを俯瞰し、自分の行動も含めて自分としてULHを目指すことをお勧めします。

個人的には今年はハイキングやトレイルランニングと釣りを組み合わせて3日間くらい山籠りできるようにスキルを磨きたいと思います。これができるか否かが動物としてのヒトの強さの一区切りかなー、とざっくり考えています。(まだまだ変わる余地あり)

適度に現代社会とウィルダネスの狭間を行ったり来たりしたいです。

山の奥深く入ると、広がりすぎた人間の能力が、すうっと自分に集約されてくるような感覚がある。そんなとき、僕は地球に対して自分がフェアになれたような気がする。登山とは現代社会が可能にしているディフェンス力ー現代医療、人権、法律などーを一時的に放棄する行為だと僕は思っている。

「サバイバル登山家」 服部文祥著


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